ONE 2: 輝く季節へ (ムービックゲームコレクション 11)

著者 : タクティクス 館山緑

• ムービック (1998年12月1日発売)

感想・レビュー・書評

[キじばと。。さんの感想 · 2013年8月22日]

館山緑「ONE―輝く季節へ」シリーズの第２弾。今回は過去の傷を心に負った少女・里村茜（さとむら・あかね）がヒロインです。

中学３年生のとき、茜と彼女の親友の柚木詩子（ゆずき・しいこ）は、クラスメイトの城島司（じょうじま・つかさ）のことが好きでした。三角関係ではありながらも、３人は強い信頼で結ばれていました。しかし、司は24歳の担任教師・南条紗江子（なんじょう・さえこ）に恋をしてしまいます。さらに、紗江子がトラックにはねられて死亡してしまい、司は紗江子への想いに殉じて「えいえんの世界」へと旅立ってしまいます。詩子も司の存在を忘れ去り、茜だけが、司との思い出の場所である空地で一人の時間を過ごすようになります。

ある日、雨の中で一人、空地に立ちつくしている茜に、クラスメイトの折原浩平が声をかけます。司との思い出の中に浸っている茜は、自分に声をかけてくれた浩平に対してすげない返事を返しますが、それからも浩平はしばしば彼女に声をかけ続けます。

初めはうるさく感じていた茜ですが、自分に関心を向け続ける浩平に対して、しだいに心を開き始めます。司を忘れ去って、自分だけが幸せになっていいのかという疑問に苦しみながらも、浩平と２人で過ごす時間が積み重なっていきます。しかし、それと同時に、浩平もしだいに茜のもとを離れて「えいえんの世界」へと移っていきます。茜は、司のことを忘れたように浩平のことも忘れようと一度は考えますが、考えを翻して、浩平を待ち続けることを決心します。