彼岸の赤 (ドルチェノベルズ)

著者 :
  • ムービック
3.83
  • (8)
  • (13)
  • (5)
  • (1)
  • (2)
本棚登録 : 102
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896018295

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 心に傷を負って優しさを拒む受けを包み込む攻め…私の好きな構図!!尾上与一さんの作品はこう言う組み合わせが多くてほんとに好き…。文も美しい。
    ずっと愛し合って2人で穏やかに長生きしてくれ。
    愛されたら、一緒に死にたくなってしまうから。

  • 電子書籍でも購入できるようななったそうなので、未読の方には朗報ですね。
    尾上さん2作目ですが、前作よりも文章が読みやすくなってます。
    硬質さが程よく抜けて、微妙にコメディタッチなのが尚良し。

    元ヤクザ×訳あり僧侶という、とんでもCPですが、攻が
    ヤクザになった経緯があまりに不憫で……。
    不幸もここまで重なると、お祓いでもしてもらった方が
    いいんじゃないの?というレベルの転落人生劇です。
    それでも生来の人の良さから、この攻は底抜けに明るく
    人を惹きつける魅力を持ってます。
    受は心中未遂をした訳あり僧侶ですが、これがもう死ぬほど
    ネガティブでじめっとした兎に角根暗な性格で……。
    読んでる方がじめじめじめじめしてて、何この湿度の
    高さは、というくらいにじめっとした性格です。
    後ろ向きもここまでくると、後ろ頭はたいてやりたくなる
    ような感じですが、そんな受に惚れた攻は、それはもう
    気の毒なほど一途。
    好きになった相手が生まれも恵まれず、心中した恋人の
    ことを延々と思い続け罪の意識に苛まれ。
    度を超した後ろ向き男を、ひたすらその大きな度量で包み込んで
    あげる姿がいじらしいです。

    終盤の展開はぞっとするものがありましたが、無事に二人が
    くっついてくれてほっとしました。
    先が気になるので、買ってた同人誌を続けて読もうと思います。

  • 手に入らないと思っていたので書店で遭遇したときは猛烈に歓喜。
    恋慈が出会ったことのないほどのネガティブな受だったけど、自身でも暗さを認めて少々開き直ってるところが面白く、可愛いなと思った。
    寺や宗教に関する知識がふんだんで、へぇ…と感心することもしばしば。寺とその周辺という狭い世界で広げられる物語だけど狭さを感じないほど深いです。
    正直重たいけど、好きな重たさ。赤い紐で繋いで心中は文学的というより文楽的な感じ。タイトル通りで物語のイメージは赤。ハッピーエンドでよかった。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

小説家。代表作『天球儀の海』『さよならトロイメライ』『初恋をやりなおすにあたって』(キャラ文庫)、最新刊『雪降る王妃と春のめざめ花降る王子の婚礼2』(キャラ文庫)。

「2021年 『笠井あゆみイラストカードブック 旦那はんと痴話喧嘩』 で使われていた紹介文から引用しています。」

尾上与一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×