写真家へ―写真家であり続けるためのターニングポイント

  • 14人登録
  • 2.88評価
    • (1)
    • (0)
    • (5)
    • (1)
    • (1)
  • 2レビュー
著者 : 安友志乃
  • 窓社 (2002年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896250435

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

写真家へ―写真家であり続けるためのターニングポイントの感想・レビュー・書評

  • 内容がより辛辣に?!
    前作『撮る人へ』から『写真家へ』と、対象が素人、一般大衆だったものから専門家、プロ(あるいはそれを目指す人)となっているから手厳しくなるのもしょうがない?!

    例によって、奔放な物言が炸裂するので、2、3記しておく。

    ”撮って、撮って、撮りまくる、というのはカメラ持った体操みたいなもんで、体は丈夫になるかもしれませんが、写真的には意味ありません。”

    凄いなぁ、完全に土門拳にケンカ売ってるよ、この人(笑)土門拳は、「カメラを保持、ファインダーをのぞき、シャッター切りという一連の操作を一組にしたトレーニングを横位置五百回、縦位置五百回、合計千回づつを毎日晩御飯後の食休みにやった。本当に撮影しているときの気分を出して、毎日千回シャッターを切った」と語っていた(弟子にはレンガを持たせて同じことをやらせたというから、まさに体操だ・笑)。そうした旧態依然の行為を痛烈に批判している。そういえば、本書だったか前書か次の本だか忘れたが、土門拳の作品の良さも分からないと書いていたっけ。ま、土門も上記のように練習はするが、モチーフと対峙したときは、「ここ!」という1点から1枚だけ撮るみたいだけどね。

    ”「世に出るための手段」と言っても、その目標も最近は「作品が」じゃなくて「自分が」なんですね。だから「作家活動」とか「自己表現」とか「作家としては」って言い回しがつかないといけなくなるわけです。”

    うーん、手厳しいぞ。それもありだとは思うけどね。そうなると、美術として、文化の一翼を担うものとしての「写真」に失礼にあたるということか?

    ”「写真界には真の文化人がいない」と言われたことがありましたが、つまり、外から見ると、そういうふうにしか見えてこない、というのが現実です。”

    またまた、言わなくてもいいようなことも放言して敵をどんどん増やしているかのような奔放な文章が続く。読んでいるほうは痛快でもある。


    さて、それでは本書の主眼は?ってことだが、前作を引き継いで何を以って「作品」か!? 作品を見極める著者としての着眼を説いている。

    「私は写されているものを見ていない」と言い、印画紙の向こうの「作家の確信を見ている」のだと。
    「確信があるかないのか。あるとすれば、それはどんな確信なのか。最優先すべきはそのことだと」言う。

    では、「確信」とは何を意味するか?
    その後本書では何度となく「確信」を以ってして作品を、作者を見極めると出てくるが、一向に判然としないが、「他の視聴覚表現と比較すると判りやすい」と記す。また、「作風というのは画面構成の様式ではなく、この確信の引きずり出し方を示すものだと私は思っています」ともある。 作風にヒントがありそうだ。

    となると、作家の作風はどのように判断されるのか?これは前著『撮る人へ』にあったが、

    ”コンセプトのある作品、ない作品、よくこんな言い回しもされますが、前述の通り、コンセプトとは、作品という小さな形態の中に納まるもんじゃない。それは、あなた自身に「人間としての本質を捕らえる思考の形式、および、人生を貫く基本的な考え方、視点」があるか否か、という問題なのです”

    やはり一過性のものではなく、「人間としての」なにか、が問われるという論調だ。また、これも前著にあったが、作品と作家自身は強く結びついているということ。

    ”その作家の生涯と作品の密着性を発見することです。美術史上に作品が残っている人で、人生と作品に密着性のない人はいないはずです。(中略) 「人生と作品はほんとによくくっついている」このことをまず知ってください。”

    自分の人生を、たった1枚の写真に焼き付けることが出来る人がどれくらいいるだろう。1枚はとても無理だとして... 続きを読む

  • 書籍番号
    M110131-046-9784896250435

全2件中 1 - 2件を表示

写真家へ―写真家であり続けるためのターニングポイントを本棚に「読みたい」で登録しているひと

写真家へ―写真家であり続けるためのターニングポイントを本棚に「読み終わった」で登録しているひと

写真家へ―写真家であり続けるためのターニングポイントを本棚に「積読」で登録しているひと

写真家へ―写真家であり続けるためのターニングポイントはこんな本です

ツイートする