連合艦隊司令長官 山本五十六の大罪―亡国の帝国海軍と太平洋戦争の真像

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著者 : 中川八洋
  • 弓立社 (2008年6月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896678031

連合艦隊司令長官 山本五十六の大罪―亡国の帝国海軍と太平洋戦争の真像の感想・レビュー・書評

  • 著者の中川先生最初っから飛ばしてるので、最初はまたどこかの「トンでも本」をつかまされたのかと思った。米内がコミュニストで山本五十六がサイコパスで云々。まあ、どこまで本当かはわからんが、山本五十六の連合艦隊司令官としての罪は万死に値するという点では激しく同意。開戦当初は戦力で数倍の帝国海軍がミッドウェイでぼこぼこにされて制海権を失い、しかしながら国民はおろか大元帥たる天皇陛下にもそれを隠蔽し、数百万の兵隊と国民を死に至らしめた男。特攻も桜花も回天も、全部海軍が始めた。司馬・半藤史観により、海軍>陸軍の絵が描かれているけど、どうにも胡散臭い。
    初めて知ったけど、パールハーバーで沈めた12隻の米国軍艦は10隻がサルベージされていて後日太平洋戦争に参戦、米国に実質的な被害はなかったとのこと。トホホだね。

  •  表題からすると本書全体が山本五十六のみを断罪する書の様に感ずるが、さうではない。
     戦前戦中の帝国海軍並びに戦争指導者に対する断罪(戦争責任ではなく、敗戦責任)の書である。
     筆者の発想の源は、東大工学部航空学科卒に起因する。戦闘機と言へども生還不能な物を作ってはいけない。
    「戦争における兵器も作戦も「生還の確率50%」が軍隊が護るべき絶対基準であり、これ以下の兵器を作ってはならないし、これ以下の作戦を部下に命令してはならない。」
     生還不能な戦闘機を作り、作戦を実行した帝国海軍将官を許す事は出来ない。
     それを裁可した将官とは、米内光政、井上成美、及川古志郎、伊藤整一、中澤佑である。
     3,000名と言ふ幾多の将兵が死んだミッドウェー海戦の大敗について、山本五十六は何も責任を取らなかったし、戦死者の慰霊もせず、例へば口封じの為陸軍部隊の一木隊はグアム経由ガダルカナル(玉砕)へ転進させた。
    山本五十六の国葬など噴飯物である。

     治安維持法は共産主義の結社を禁止したが、思想は取締りをしなかった。戦前の昭和期は共産主義思想で満ち溢れてゐた。
     大政翼賛会、国家総動員法は単なる戦時体制ではなく、正しく共産主義体制であった。当時の国家指導者は所謂国体を変革する共産主義に反対しておきながら、着々と実質的な共産主義国家体制を築いていった実態を本書は活写してゐる。
     毒の多い書であるが、再読する価値ある書であると感じる。

  • 中川八洋氏の特徴は、「戦況を正しく伝える報告を握りつぶした」「戦後すぐに共産党に入党した」等、実際の行動(とその行動がもたらす結果)から、人物の真意・思想・背後関係を推察することである。共産主義及びその亜種/変種的思想が蔓延し、情報の隠蔽・改ざん、虚偽証言が錯綜する20世紀の歴史研究では、当然の姿勢であろう。「一億玉砕」「特攻」といった日本の将来を担う若者に対する殺戮行為を、それに殉じた人々の崇高な精神に敬意を表しつつも、それを煽動し加担し強制した米内も含む指導者らを断罪する。海軍出身の歴史家による歪曲や戦前美化の民族系論者への批判も厳しい。

  • 以前から米内光政ら海軍の人間がアメリカて通じていて日本を敗戦へと導いたという説を聞いたことがあったが、本書はさらにこの説を飛躍し発展させたものとなっている。
    山本五十六ら高級軍人の実態と背景に忍び寄る国家破滅への陰謀…ここまで先の大戦での敗戦を深く突き詰めた内容の本は他にない。
    この本から学べば本当に裁くべき人間たちの姿が浮き彫りになる。

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連合艦隊司令長官 山本五十六の大罪―亡国の帝国海軍と太平洋戦争の真像の作品紹介

ソ連と内通する米内光政、大量戦死を"快楽"する山本五十六、祖国滅亡を計画した腐敗と狂気が渦巻く帝国海軍の全容と、かくされていた太平洋戦争の真像が、戦後六十三年を経て、いま初めて明らかにされる。今後、本書を抜きに現代史は語れない。

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