缶コーヒー風景論

著者 :
  • 洋泉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896911336

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  • 世の中にはいろいろなものを集める人がいる。「マツコの知らない世界」や「タモリ倶楽部」や「博士ちゃん」を見ていると、個性豊かな方々が登場して驚く。




    著者は缶コーヒーに取りつかれてついには本を出版するまでになった。





    缶コーヒーと言えばUCCが浮かんでくる。1969年に最初に缶コーヒーを発売したからだ。




    最初はなかなか売れなかったが、冷やたり暖めることで夏でも冬でも売れることで状況が変わった。




    この頃の缶を見ると「ブレンド」や「マイルド」が目立つと著者は感想を述べている。




    今にして思えば、とっても素朴なネーミングであると同時に、何やら「コーヒー牛乳」と「コーヒー」のあいだでモジモジしているように思えてくるとも述べている。




    そんな時代があったのかとふと思った。




    「変わり種缶コーヒー」を紹介している。意外なコラボに目が点になった。それは「ウーロンコーヒー」だ。エンジェルマークの森永製菓が発売していた。




    著者は試しに飲んだところ、以外に美味しかったと感想を述べている。




    売れ行きは当然よくなく、あっという間に消えたそうだ。



    不思議なのは、森永製菓の上層部は試飲しなかったのか、それともウケ狙いで製造発売に許可を出したのか、このような尖った缶コーヒーを出せばどんな結果に終わるか想像がつくはずだが。





    缶コーヒーなのだから豆入りは当然と思っていたが、本当の豆入の缶コーヒーかつてあった。




    ベルミーのブランド名で、缶コーヒーを製造しているカネボウ(現・クラシエ)の製品。




    「ビーンズパックコーヒー」という名前で、1970年代後半の商品だ。




    缶の中はどうなっているのか。プラスチックフィルターが中仕切りになっていて、豆が飲み口から出てくることがない。





    カネボウフーズの広報に著者が聞いたところ、ちょっと時代が早すぎたのですかねえと述べている。




    こんな面白い缶コーヒーもあった。ポッカが「トランプ占い缶コーヒー」を発売していた。プルトップ付近に「今日はラッキー、いいことあるぞ」と書いてある程度だったそうだ。




    1993年に発行された古本だが、缶コーヒーについて手軽に読めて面白かった。

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著者プロフィール

千葉大学名誉教授/元新潟薬科大学学長

「2021年 『医薬品情報学 第5版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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