若者が『社会的弱者』に転落する (新書y)

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著者 : 宮本みち子
  • 洋泉社 (2002年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896916782

若者が『社会的弱者』に転落する (新書y)の感想・レビュー・書評

  • ショッキングな題名である。若者が置かれる現在の脆弱な立場の報告、そして裏付ける報告や記事、情報などの説明があり、それが形成される子供時代からの影響を説明し、これからの解決策を提供する。
    独身貴族、モラトリアム、親元で生活する若者たちをこう呼んだ。同棲しないので結婚できない。フリーター、若者は仕事を持てない社会構造となって来ている。人生ルートがなかった。若者は高学歴、自由を手にした。しかし、十分な仕事がなくなり、福祉国家の時代が終わった。彼らに自由で快適な暮らしを保証できるのは親なのだ。
    若者VS中高年の経済格差が広がる。木造アパート、ワンルームマンション、ルームシェア?
    太陽族VSクリスタル族(1956太陽の季節。1980なんとなくクリスタル)太陽族の若者の価値としたものをすべてダサいと否定する⇒現実社会がら逃避⇒社会が責任をとれない、自己選択、自己責任となる。
    子育ては苦労な仕事になってしまった。子育てが楽しいことではなくなった。育児不安。子供を十分愛している自信がない。思い通りに育たない、家族を含む、親族や地域社会環境にも問題がありそうだ。欧米でも子供を取り巻く世界は変わった。日本人は根っこがない。教育はあるが将来がない。

    友達親子、経済的に潤滑になった。消費だけが取り持つ
    エンゼル係数、教育費が全消費支出に占める割合

    日本の将来、学歴社会の視点から
    1教育コストは本人負担というしくみを
    2学生の仕事を職業につなげる
    3社会に若者を託すしくみ、若者が自分を試す時期をつくる

    やりたいこと
    1やりたいことの重視
    2やりたいことなら続けられるはず
    3やりたいことは今は分からなくてもいい
    4やりたいことは実在する、きっと見つかる、自分の内部にしか発見できない、呪縛となる。

  • 読了。現代の若者が抱える問題を、家族・教育など多面的に指摘したもの。2002年刊行なので、今となっては当然の問題意識が書かれている場合もあるが、2、3参考になる点がある。具体的には、自立のために、①親元を離れて生活する(短期留学・寮生活)、②大学時代に「ギャップ・イヤー」(学業を離れ、仕事・アルバイトをして学資を稼ぐ時期を1年間くらい持つこと)などである。

  • 埋もれた名著である。
     
    フリーターと呼ばれる若者達がなぜこれほど増えたのか? 
    パラサイトシングルと呼ばれる人達がなぜこれほど一般化してきたのか?
    なぜ、我々はなかなか結婚出来ないのか? 
    そして
    (私自身が若年層への取材を通して感じてきた疑問なのだが)
    「やりがい」や 「OnlyOneな職業・生き方」を過剰に、時に分不相応なまでに追求し続ける若者達が目立つのはなぜなのか?
    さらに、
    若者達の「生き辛さ」や「心の漂流」の背景に何があるのか? 

     …これらの疑問への答えを、本書は明らかにしてくれる。
     その回答の一つが、“標準的なライフコースの崩壊“なのであるが、日本社会が我々が気づかないうちに構造的に変化して来てしまっていることが明らかにされる。
     “最近の若い者は…”という表層的な世代論の一方で、真に構造的な変化が進行している。本書は、その構造的な変化を、社会学的なデータに基づいて詳らかにしてくれる。

     最近の若い者は…と感じているオヤジ世代諸兄、 「若者問題」に関心のある取材者、教育関係者、 そして、全ての親に、 本書の一読をお薦めしたい。
    “目からウロコ”の本である。

     十分に注目されることなく埋もれてきた感があるが、もっと評価されてよい重要な本である。

  • 【超速読】10年以上前の本ですが、この時点ですでにフリーターやひきこもりの拡大、貧困や格差の深刻化を予見しているようです。ということはこの10年でどれだけ社会的弱者が生まれるに至ったのか、ということを切に感じます。その後2006年頃NHKによりワーキングプアが注目されるわけですから、第2章のタイトル「若者の危機が隠蔽される社会」という言葉は重みを増すように感じます。

  • 日本の場合あまり「家」というファクターが大きい。
    これをいかに社会で役割を負担していくかだよな。

  • (「BOOK」データベースより)
    就職しない、家を出ない、結婚しない―。社会に参画するチャンスが永遠に持てない膨大な層を生む元凶は、中高年との膨大な経済・就業格差、自立を促せない親、そして、いま直面している事態を見ようとしない社会の意識だ!パラサイト・シングル論ではもはや解明できない、フリーターやひきこもりなどの問題に通底する、看過しがたい「危機」の本質を、経済学・社会学・家族心理学の視点から指摘、新たな方向性を示唆する。

  • 2002年出版で、1990年代のデータが使われているので、1970年代から2000年前後の若者の状況がよく理解できる。

    そこから、日本の経済的な背景から心理面、仕事感、結婚観まで書かれ、若者の根っこを作れ!と警告を鳴らす。

    しかし、その点は改善されず、2011年現在、その根っこを作れなかった若者が社会的弱者として、社会問題となってきている。

    1990年からの若者の問題の発端を知るのはこの本から。
    そして、その問題をどう対応すれば良いかは、宮台教授の就活原論を読むとよいと思います。

    ーーーーー
    豊かさを実現した社会ではややもすると、親世代も子世代も手に入れた豊かさを失うまいとして保守化し、活力を失っていく。とりわけ学歴や偏差値だけがよりよい生活実現の条件ととらえられている社会では、子どもたちは勉強をする機械となり、そこから落ちこぼれる大量の子どもたちは、生きる場がない。落ちこぼれない子どもたちも、親にとっての「いい子」を守ろうとして、限られた生き方しかできない。

    子育ては、転換すべき段階にある。厳しい労働の世界から子どもを遠ざけ、もっぱら教育の場に隔離した時代は、終わっている。共働き家庭があたりまえ、母子家庭や父子家庭の増加もみこまれるなかで、家庭の一員として子どもに役割や責任を与えるとともに、生きた社会にかかわることを積極的に進める方向へ転換がのぞまれている。

    自分の頭で考え、回答をみつけ、自分の道を選択しながら進んでいく時代がすでに始まっている。だから大人は、子どもの生活に根っこを生やすさまざまな試みをしなければ、次世代の大人たちは生きる力を見につけることができないのだ。

  • 本書の著者である宮本みち子さんの講義を奥さんと一緒に放送大学で見た。

    人生について夫婦話し合ってきたことを再認識し、奥さんに改めて感謝した。

    気づけばアラフォー、子供たちが人生について考える時に夢が膨らむような社会であるようにしたいなぁと思う。

    今、アー坊(5歳)がなりたいのはパン屋さん!

  •  「パラサイト・シングル」は単に根性や、やる気が無いから親に依存しているのではなく、産業構造の変化(製造業の衰退、学生アルバイトの増加、産業の空洞化)に伴う労働市場の悪化、家庭環境の変容による離婚・再婚の増加、職業に必要とされる教育水準の上昇、政府の若者への自立支援削減、世代間の所得格差の増大などといった諸要因からやむを得なく依存している。

     親は子どもの唯一の責任者として、子どもの出来、不出来が世間に評価される一方、子どもの意思を尊重しなければならないという矛盾が親の子育てへの不安や恐怖を強めている。しかも、そういった悩みを社会問題として共有しようとするのではなく、個人や家庭の問題として押し込める傾向も強まっている。

     上記の「パラサイト・シングル」の問題と併せて考えると、あらゆることは「自己選択」、「自己責任」となり、社会が責任を負わない仕組みが形成されていると言える。

     「子どもがおかしい」、「若者が変わった」とも言われますが、それは家庭・学校・地域などの環境変化の累積が生んだものだそうです。今から4~50年以上前は今よりも若者による犯罪が多かったのは犯罪白書を見れば明白である。

     後半では「教育のコストは本人負担」、「学生の仕事を将来の職業につなげる」、「社会に若者を託し、若者が自分を試す期間を用意する」といった提言をしている。

     ここまで根深いのに、気付く人や知ろうとする人が少ない「若者」に迫る危機を浮き彫りにした本はなかなか無い。しかも、この本は「ニート」という概念が日本に輸入される前に書かれた本である。著者は先見の明があると思う。

  • 2002年出版の本です。内容は当時の最新情報が多かったのかもしれませんので最新ではないです。
    それでもデータや日本の文化と共に若者の貧困化に対し論理展開されている、なにより自分の経験から納得できる部分が非常に多かったので、自分の中で整理できていなかった部分が上手くまとまった点が印象的です。
    「日本の労働環境」や「高齢/若者の境遇の違い」「友達親子、しつけ・教育」と言った内容をわかりやすく分析されていると思います。

    読んだきっかけはBig Issue Japanの「貧困」特集です。

  • [ 内容 ]
    就職しない、家を出ない、結婚しない―。
    社会に参画するチャンスが永遠に持てない膨大な層を生む元凶は、中高年との膨大な経済・就業格差、自立を促せない親、そして、いま直面している事態を見ようとしない社会の意識だ!
    パラサイト・シングル論ではもはや解明できない、フリーターやひきこもりなどの問題に通底する、看過しがたい「危機」の本質を、経済学・社会学・家族心理学の視点から指摘、新たな方向性を示唆する。

    [ 目次 ]
    1 若者たちは崖っぷちに立っている(「独身貴族」の出現―八〇年代 パラサイト・シングル論―九〇年代 ほか)
    2 若者の危機が隠蔽される社会(経済 心理 ほか)
    3 家族・親子から「若者の危機」を読む(なぜ子育ては苦労な仕事になってしまったのか 各国レポート「子どもの現在」 ほか)
    4 日本の社会に未来はあるのか(長期停滞の時代の若者の選択 若者の没落をふせぐために社会がすべきことは何か)

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • わーがんばろーがんばろー。

  • 大学一年次のブックレポ文献。昔より今のほうが若者は様々な選択を迫られていて大変だなと思った。

  • フリーターやニートの増加が問題になっている昨今、若者の甘え・精神的な未熟さに原因を求める論が多い。本書にも書かれているように、1980年代に「独身貴族」という言葉が、1990年代には「パラサイト・シングル」という言葉が流行した。家庭を持って世帯主として一人前の社会人になることをせず、独身のまま、さらには親に依存して消費生活を謳歌する若者を揶揄した言葉である。
     しかし著者によれば、若者の非婚化・職業の不安定化は、必ずしも若者側に原因があるばかりでもないという。現在30代にさしかかったフリーターやニートの若者たちは、バブル経済崩壊後の「就職氷河期」に就職できず、不本意ながらも不安定な生活を続けている人も多い。また正社員を採用を減らし、派遣や請負に切り替える企業が多い中では、景気が回復しても正社員として就職できる可能性が低くなっている。このままでは若者が低所得の社会的弱者に転落し、日本社会から活力が失われると警鐘を鳴らす本である。

  • すばらしい。多角的にフリーターの若者を分析。どれも説得力があり、とっても勉強になります。コストパフォーマンスの高い一冊です。

  • 人間の後期入試の課題図書。
    同じ主張が繰り返されててちょっとしつこい。

  • 数誌からの寄せ集めの文章だから仕方ないけど、同じことを繰り返し言ってる。でも、この本読んだことで、自分がしっかりしなきゃあ、ちゃんと親の手を離さなきゃあと思った。

  • 今、日本の若者たちは崖っぷちに立っている。―「パラサイト・シングル」論、フリーター、未婚化、少子化、モラトリアム……。

    これらを「彼ら(=若者たち)」だけの問題にするのではなく、当事者は社会だと訴える筆者の姿勢に共感しました。
    数多くの資料を使いながら論理が展開されていて、非常に分かりやすいです。が、何だか胸を締め付けられたような気がするのも確か。

    ま、私も『社会的弱者』の一人になるのかな…。

  • 受験大学の課題図書。フリーター・ニート問題の本質を様々な角度から考察・指摘している。実際、この問題は単に若者の意識の問題だけではないだろう。
    <div class="booklog-all" style="margin-bottom:10px;"><div class="booklog-data" style="float:left; width:300px;"><div class="booklog-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4896916786/kaorisbooks0f-22" target="_blank">若者が『社会的弱者』に転落する</a></div><div class="booklog-pub">宮本 みち子 / 洋泉社(2002/11)</div><div class="booklog-info" style="margin-top:10px;">Amazonランキング:21,137位<br>Amazonおすすめ度:<img src="http://booklog.jp/img/5.gif"><br></div><div class="booklog-link" style="margin-top:10px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4896916786/kaorisbooks0f-22" target="_blank">Amazonで詳細を見る</a><br><a href="http://booklog.jp/asin/4896916786/via=sr1041" target="_blank">Booklogでレビューを見る</a> by <a href="http://booklog.jp" target="_blank">Booklog</a><br></div></div><br style="clear:left"></div>

  • 実は買ったわけではなくリサイクル本コーナーでもらってきたもの。漠然と感じている息苦しさみたいなものをすっきりまとめていて読んで良かったと思いました。が、内容が内容なので、こないだ産んだばかりの子に乳をやりながら読むのには向きませんな…

  • パラサイトシングル、引きこもり、非婚、少子化。漠然と問題意識だけを煽られる昨今、こういう無駄な煽りの少ない、歴代各国のデータをあっさりと揃えたものを一度読んでおきたかったので一気に読了。変に答えを出さないところがリアル。

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就職しない、家を出ない、結婚しない-。社会に参画するチャンスが永遠に持てない膨大な層を生む元凶は、中高年との膨大な経済・就業格差、自立を促せない親、そして、いま直面している事態を見ようとしない社会の意識だ!パラサイト・シングル論ではもはや解明できない、フリーターやひきこもりなどの問題に通底する、看過しがたい「危機」の本質を、経済学・社会学・家族心理学の視点から指摘、新たな方向性を示唆する。

若者が『社会的弱者』に転落する (新書y)はこんな本です

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