インフォアーツ論―ネットワーク的知性とはなにか? (新書y)

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著者 : 野村一夫
  • 洋泉社 (2003年1月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896916959

インフォアーツ論―ネットワーク的知性とはなにか? (新書y)の感想・レビュー・書評

  • 素人集団の負のパワーは圧倒的

    『自由を考える』で可能性を見出された「匿名性」も、ここでは問題点として指摘されてしまう。
     インターネットでは、たくさんの匿名希望さんから、出どころ不明の情報が常時大量に流されている。不都合があれば「責任者出てこい!」となるが、ネットの場合、責任者がはっきりと目の前にあらわれるわけではない。そもそも、責任感があるのかどうかも怪しい時がある。大人がいない。

     そう、ネット上で、それなりの知識と責任を持ってテキストを書き込む「大人」の人口が、きわめて少ないのだ。さりとて「ファンの熱気が直に伝わってくる可愛げのある空間」ばかりが広がるわけでもなく、明らかに湿気が入ってきている。
     絶対に守りたいのは、「熱気」を「不気味な熱気」まで腐らせないという点だ。インターネットは、それが難しい高温多湿地帯である。
     素人集団の負のパワーは圧倒的。この辺で食い止めなければ、ただの匿名変態集団と化してしまう。コントロールが必要だ。

     本書の著者は、ネットの現状を「裏目に出ている」と踏んでいる。
    『インフォアーツ論』では、情報教育を行き届かせ、ネット利用者の資質を高める必要性を訴えている。要求しているのは「知性」。「品性」に置き換えても面白いかも。「情報化社会」なんてせっかくクールな呼ばれ方が定着したわりに、肝心の情報に知性や品性を感じられなければ幻滅するだけだ。

     そこで、利用者が「ネットワーカ的知性」でのぞむためにも、基盤から見直した方がいいんじゃないか、という話になってくる。う~ん、ネットのあり方がそもそもの始まりから変質を含んでいる。結構、トロイの木馬っぽい……。

     現況に対しては批判的な内容ではあるが、そのじつ、かなり落ち着いているなという印象だ。状況をはっきりと見定めるのに役立つし、具体的な提案も盛り込まれているしと、読んでみてあれこれと腑に落ちる一冊。

  • [ 内容 ]
    日本語圏のネットにおいて二一世紀初頭は大きな節目にあたる。
    二〇〇三年から始まる高校の「情報科」は、その有力な分岐点になるが、構想されているその内容は、およそ「インターネット的」なるものが排除された古めかしい情報工学教育の域を出ない。
    いま切実に求められているのは、インターネットの驚異的な展開によって再編されつつあるネットワーク社会を生きぬくための知識と知恵、すなわちインフォアーツなのだ。
    新しい躍動的なネット社会への扉を開くために発せられた問題提起の書。

    [ 目次 ]
    第1章 大公開時代―自我とネットと市民主義
    第2章 メビウスの裏目―彩なすネットの言説世界
    第3章 情報教育をほどく―インフォテックの包囲網
    第4章 ネットワーカー的知性としてのインフォアーツ
    第5章 着地の戦略―苗床集団における情報主体の構築
    第6章 つながる分散的知性―ラッダイト主義を超えて

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • インフォアーツとは、インフォテックに対抗するものとして構想されたネットワーク時代に対応した知恵とわっざの総称。
    高校、大学での情報科目の内容充実が急務だ。
    そもそも情報の専門家ってのは何者だろうか?

  • 要約の講義で使われた本。ちょっと勉強になった。メディア・リテラシーとは何かをちょっとだけ知ることができた。

  • 要約の講義で使われた本。ちょっと勉強になった。メディア・リテラシーとは何かをちょっとだけ知ることができた。

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