天皇の戦争責任・再考 (新書y 90)

著者 :
  • 洋泉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896917451

作品紹介・あらすじ

いまなぜ天皇の戦争責任なのか?本当に「天皇の戦争責任」を問うことに飽きてしまったのか?自らあの戦争を、自分に関係のないこととし、ひたすら謝罪でお茶を濁してきた日本国民は、無意識にも天皇の責任を問うことを避けてきたのではないか?「あいまい」化と一億総無責任体制を打破するためにもいまこの問題に直面すべきだ。矯激な感情問題になりがちな「天皇の戦争責任」というテーマを、冷静に開戦責任、敗戦責任、政治的責任、道義的責任のファクターから切り込み、日本人のあり方を本質的に象徴する固有の問題として論じる。戦後五十八年目にして七人のサムライが果敢に発言する今日的問題提起。

感想・レビュー・書評

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  • 責任とは何か?
    そもそも論でいえば、責任は4つに分類できる。
    法律的責任、
    政治的責任、
    道徳的責任、
    形而上的責任。

    よく政治家などが、法律的には責任がないが、道義的には責任がある。とか


    また責任には、空間と時間の概念がある。

    社長は、食品への毒混入のように、物理的、空間的に、その場にいたわけではないが、部下の始末をとって責任がある。

    また、社長は、来期までにこれだけの売り上げをすると言いながら、達成しない場合、責任を取って辞めることがある。未来に対して、時間を超えての責任がある。

    翻って、靖国問題や戦争の問題は、責任をやはり、深く考えていないことによるのだろう。つまり、天皇の責任を一度は顧みないと、先祖の責任を考えないと、現代に生きる人間、未来の人間は、脈々と繋がっているので考えないといけないのだろう。思考停止のネット右翼や左翼や日和見主義では、いけないのだろう。
    「陰謀的悪魔」に、対応するためにも。責任とは「本質的な理不尽さ」を内包しているのだから。

  • 天皇の戦争責任と言うが、責任の言葉の定義からバラバラではどうしようもないのだろう。
    道徳的責任っていってもそりゃ個人自身が責任を問われるべきであって人から強制されるべきものではない。

  • 前書きを読めば編集部の意図はわかる。中の論文は新鮮味のあるものではない。また、この著書を読んだことにより、編集部の意図に反して、益々天皇の戦争責任問題が賞味期限切れなのを感じてしまった。

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著者プロフィール

池田清彦(いけだ・きよひこ) 1947年生まれ。生物学者。

「2020年 『ポストコロナ期を生きるきみたちへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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