花見と桜―“日本的なるもの”再考

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  • 八坂書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896941852

作品紹介・あらすじ

咲き乱れる桜の下に大勢が集い、思いおもいに宴を楽しむ-「群桜」「飲食」「群集」がそろった"花見"こそ、世界に類を見ない日本固有の民衆文化なのだ!!"桜花"に投影されてきた個々人の精神ではなく、"花見"という行動に映し出される集団の精神に日本文化の本質を見いだす、エキサイティングな"花見"論!!

感想・レビュー・書評

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  • 【新着図書ピックアップ!】「桜」論ではなく「花見」論。
    この著者の主張は明快で、「花見は世界中で日本にしかない」というもの!
    まず花見の定義を「郡桜」「飲食」「群衆」の三要素からなるものとし、これら全てが同時に行われることは世界中にはないという仮説を多角的に検証している。

    いやいや、そんなそんな、やってるでしょどこででも!と思ってしまうが、読み進めるとどうやら本当にないらしい。ガーデニング大国イギリスでも、桜並木に立ち止まる人すらいないというのだから驚き。

    古くは日本書紀まで遡って歴史的観点から「飲食を共にすることによって心を同じくできる」という日本的思想のルーツを探ったり、はたまた社会人類学の「贈与論」を花見の構造に援用したり…。花見の奥深さを感じずにはいられない。

    ちなみに日本の中でも沖縄と北海道では、いわゆる飲んで食べてのお花見文化はあまり見られないというからおもしろい。その理由も著者は「なーるほど」な分析しているので気になる人はぜひ一読を!

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著者プロフィール

1949年、大阪府生まれ。京都大学大学院農学研究科博士課程在籍中に西ドイツ・ハノーファー工科大学に留学。京都大学農学部助手、国際日本文化研究センター助教授を経て、現在同センター教授。
著書に、『日本文化としての公園』(共著・八坂書房)、『プラトンハンター』(講談社/毎日出版文化賞奨励賞)、『近代都市公園史の研究』(思文閣出版)、『旅行ノススメ』(中公新書)、『カラオケ・アニメが世界をめぐる』(PHP研究所)、『大名庭園』(講談社)などがある。

「2011年 『都市歴史博覧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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