海の味: 異色の食習慣探訪

著者 :
  • 八坂書房
3.33
  • (0)
  • (1)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 7
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896944136

作品紹介・あらすじ

日本人の胃袋、恐るべし!ゴカイ、ウツボ、ウミヘビ、ヒトデ、イソギンチャク、アメフラシ…日本にはまだアッと驚く食習慣が残っている。うまいかまずいかは喰ってみなけりゃ分からない。北は北海道から南は沖縄まで、好奇心旺盛な水生動物のプロが体験した珍食・奇食・異色の食習慣の数々。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 副題が示すとおり、一般的には口にしない水生動物を味わうエッセイ風読み物。ただし、著者はれっきとした水族館職員で、優しい文章ながら生物学的知識に裏打ちされたもの。

    44種類もの動物を味わった各話はおおむね、枕/生物の特徴や分布/実食と食味/古記録の紹介で構成。個人的には実食の話(時に凄く美味そう)も良いけど、やはり古記録(近世の本草書が主)を紐解くのがミソかな、と。

    同じパターンの話の連続なので、中盤手前あたりで一回飽きがきたけど、後半は著者の(親父ギャク的な)筆が冴えを見せて面白く読めた。あと、仕事半分/興味半分で実食を重ねられる職場とその仲間の温かさも、ちょっと羨ましかったり。

  • もみじまんじゅう(通称もみまん)で有名な宮島にある水族館の副館長が様々なゲテモノ珍味を食し、その感想を綴ったものだ。これだけでは、以前紹介した『外道楽』と同じじゃぁないかと思うだろう。
    ところがどっこい、ノリの質がどこか違う。
    両方とも文章が面白いのは確かだ。
    どう表現したらよいのだろうか?
    『外道楽』が集団でワイワイガヤガヤ賑やかに書いているのに対して、こちらは淡々と、でもツボは抑えて書いている。
    あとは好みの問題だろうか。
    食すターゲットがかぶっていない部分も多いので、両方読むといいかもしれない。
    内容順は、元研究者らしく系統的に書いている。
    ゴカイやユムシ、ドブガイのような『?』が付くような食材まで手を出していることからも著者の『本気度』がうかがえる。
    各食材の副題に五・七・五の川柳を添えているのも洒落ている。
    ただ惜しむらくは、著者が既にこの世を去ってしまったということ。
    こんな面白いジャンルを知ってしまった我々は、後継者が誕生するのを受動的に待つことしかできない。

    ※<a href="http://osakanabanashi.seesaa.net/article/105301291.html" target="_blank">当方ブログの蔵書目録コーナー</a>には,ブクログに登録できない古書・洋書・珍書リンクなどもありますので,もし魚本倉庫に興味をお持ちの方は,<a href="http://osakanabanashi.seesaa.net/article/105301291.html" target="_blank">こちら</a>も併せて御覧ください.

全2件中 1 - 2件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×