亀倉雄策の直言飛行

著者 :
  • 六耀社
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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784897377261

作品紹介・あらすじ

日本のデザイン界を創ったグラフィックデザイナーによる痛快エッセイついに復刊。土門拳、イサム・ノグチ、原弘、前川國夫、有元利夫、草野心平との交友録をはじめに、カッサンドル、サヴィニャック、ウォーホル、天才たちへのオマージュまで。日本と西洋の文化についての幅広い見識とユーモアあふれる人間描写が秀逸。

感想・レビュー・書評

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  • 昨年のオペラシティでの和田誠展で表紙を見てのジャケ買い本です。一冊前に和田誠「銀座界隈ドキドキの日々」を読んで図案とか意匠とかがデザインって言葉に塗り替えられていく時代の雰囲気に触れ、その潮流のど真ん中のキーマンの言葉が知りたくなって急遽、積読本を開きました。この本の帯に「日本のデザイン界を創ったグラフィックデザイナー」と書かれていましたが、まさに亀倉以前、亀倉以後ということになるのでしょう。まさにダイナミック。1964年の東京オリンピックのポスターが代表作として知られていますが(本書の表紙も和田誠によるそのポスターのパロディ)、彼の仕事の一番大切な部分は、産業界にデザインの重要性を認識させたことだと思います。だから、この本は企業や行政の無理解についての怒りであり、他の芸術領域との格差についての怒りであり、海外のCI会社への怒りであり、実にパワフルなのです。なので、その風貌も相まって新庄監督以上にビッグボスな人でした。でも、プロデューサーというより作る人、デザイナーの部分が先行していて、それが賞やギャラに対する執着みたいな感じも出していていい味になってます。たぶん高度経済成長期とデザインの蜜月をデザインしたのが彼だとしたら、人口減少社会のデザインのあり方のデザインって、もう始まっているのかもしれないと、思いました。

  • 東京オリンピックのロゴで有名、というと
    ご本人は不本意のようだったけど、やはりそれが一番有名な、グラフィックデザイナーの巨匠の言葉。
    結構ぶっちゃけた語り口でサクサク読めるけど、
    知見の広さ深さには唸ってしまう。
    作品も好きだけど、人柄もチャーミングな様子だ。

  • 日本におけるアート・ディレクターの先駆けと言われた亀倉雄策が、デザインの世界にまつわるあれこれを書き下ろした本。デザイナーの批評にとどまらず、芸術家の批評、時として日本のメセナ文化にも論じている。

  • 亀倉雄策って、初めて読んだのだけど、とても面白かった。第一線の人の、エッセイは、どれもこれも面白いんだけど、何が面白く感じている源かって、毒があるところかもしれない。いや、わからないけど。装幀も非常にいいです。(13/6/5)

  • 歯に衣着せぬ日本に初めてグラフィックデザインというものをもたらした男の発言集。この本には叱咤激励されました。

  • 雑誌や書籍に寄せた原稿と、モリサワの『たて組ヨコ組』の連載「直言飛行」を組み合わせた一冊。直言飛行は話したことが原稿になっているので、より毒が強いし面白い。たまに地方が馬鹿にされるので「むむ」と思ったけれど、戦前の地方を経験している人だし、一流どころの人の「中央感」が浮き彫りになるので勉強になった。ここにステイタスを感じて、ここを野暮に思うのか、と。

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