佐藤優のウチナ-評論

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  • 琉球新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784897421315

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  • 佐藤さんが、琉球新報に連載されている「ウチナー評論」をまとめた一冊、
    収録期間は「2008年1月5日~2010年3月6日」と、結構なボリュームです。

    政治思想的に、保守そして右派を自認する佐藤さんが、
    沖縄に根ざした保守としての論旨を展開、、非常に興味深いです。

    確かに東京にいると、沖縄の言語空間は全体主義(≒左派)と、
    一方的なくくり方してしまうことが多いですが、決してそうではないと。

    任意の「点」を中心として俯瞰すると、、各人がそれぞれ還るべき場所を守る、
    この思いは総じて「保守的」であり、右派にもつながっていくのかなと。

    とまぁ、いろいろと反省させられました、、やはり各地の言語空間は、
    その地域に行かないと見えてこない、、私の場合は三重になるのかな。

    佐藤さんと同様に、私は生れは三重でも育ちは東京で、三重での生活体験はありません。
    それでも両親から折々に聞かされていた故郷の話は、原風景にあると思います。

    ん、今更ながらに「民族」というものを見つめ直したくなりました。
    そして、日本は単一民族ではない、これをあらためて実感する必要があるかなとも。

    古くは出雲の系譜(国津神)に、諏訪で語り継がれる物語たち、、
    「まつろわぬ民」とも言われた東北(蝦夷)、そして、沖縄(ウチナーンチュ)。

    全てをを併せ呑むかのような「大きな物語」が必要とされている、そう感じます。
    ニライカナイ等の概念をみると、死生観等々を共有できるとは思うんですけどね。。

    なんてことを、松岡さんの『3・11を読む』や柳田さんの『遠野物語』、
    同じく佐藤さんの『母なる海から日本を読み解く』を念頭にモヤっと。

    そして、久々に『宇宙皇子』を読み解きたくなりましたよっと。

著者プロフィール

1960年1月18日、東京都生まれ。1985年同志社大学大学院神学研究科修了 (神学修士)。1985年に外務省入省。英国、ロシアなどに勤務。2002年5月に鈴木宗男事件に連座し、2009年6月に執行猶予付き有罪確定。2013年6月に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―』(新潮社)、『自壊する帝国』(新潮社)、『交渉術』(文藝春秋)などの作品がある。

「2023年 『三人の女 二〇世紀の春 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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