ひずみの構造: 基地と沖縄経済 (新報新書)

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  • 琉球新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784897421483

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  • 琉球新報社が、基地経済がもたらした沖縄県のひずみを徹底取材した内容を新書版にまとめたもの。第17回平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞受賞したルポ作品です。

    「沖縄経済は基地に依存している」と考える人が多く存在する中、沖縄経済に占める具体的な数字(僅かでしかない)や基地の存在が経済の阻害要因になっている事実、基地返還後に開発された地域がそれまでよりも大きな効果を生んでいることが紹介されています。また、思いやり予算で米軍基地で働く外国籍従業員の給与を支払っていることや、地位協定によって自動車税を減免されることによって本来入ってくる税収を自治体が確保できない状況など、疑問と怒りを持つ事実が書かれています。基地の固定化を許されません。現在行われている高江のペリパット建設工事は直ちに中止すべきです。

    沖縄の現実・歴史をきちんと正しく認識することが、私たちに求められていると強く思いました。

    おすすめの一冊です。

  • 沖縄の経済の中に、基地の問題は深く根付いていることは事実。でもそれと、「沖縄は基地がないと食ってけない」はイコールでは繋がらない。
    基地関連収入によって徐々に広がり埋められなくなった沖縄経済のひずみを細かく解説。
    たしかにすぐに依存から完全に脱却するのは難しい場面もあるかもしれない。けど、それに気付いた人々は依存からの脱却を始めてるし、その未来を見つめている。 
    誰もが気付き始めた依存からの脱却可能性。まずは少しでも知ることから始めたいと思う。ありがとう。

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著者プロフィール

1893年9月15日に沖縄初の新聞として創刊。1940年、政府による戦時新聞統合で沖縄朝日新聞、沖縄日報と統合し「沖縄新報」設立。戦後、米軍統治下での「ウルマ新報」「うるま新報」を経て、1951年のサンフランシスコ講和条約締結を機に題字を「琉球新報」に復題。現在に至る。

「2022年 『沖縄の新聞記者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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