- Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
- / ISBN・EAN: 9784897722528
感想・レビュー・書評
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副題が「漢字検定のアホらしさ」なので漢字検定にまつわるテーマの本なのかと思って借りてみたら、単に様々な媒体に発表したエッセイを纏めたエッセイ集で、「漢字検定のアホらしさ」というのはそのうちの一遍のタイトル、というだけだった。
表題作となった「漢字検定のアホらしさ」というエッセイにこんな一節がある。
--- 引用ここから(p.13) ---
英語検定試験というものがあるそうだ。ぼくは受けたことも問題を見たこともないからいっこうにその内容は知らないが、思うにかならずや、聞く、話す、読む、書く、の四つの方面についてその能力をためすものであるにちがいない。実用的意義は十分にあるだろう。そして、日本人であって英語ができるのも一種の学術だとすれば、学術的意義もあるだろう。
--- 引用ここまで ---
呆れたことにこの著者は、英語検定試験について「受けたことも問題を見たこともないからいっこうにその内容は知らない」と言いつつ、「実用的意義は十分にあるだろう」と断じている。この文章の後に「ところがこの漢字検定ときては、」と漢字検定に対する批判が続くのだが、何の根拠もなく自分の印象だけで英語検定試験を実用的意義があると断じているのを見た後では、漢字検定に対する批判もどの程度根拠があって言っていることなのか、全く眉唾にしか思えなくなってしまう。ましてや、このような根拠不明の論の進め方をしている一遍を本の表題作して冒頭に持ってくるなど、いったいこの本の編集者はどのようなセンスをしているのだろう。 -
確かに漢検は変だ。
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久々に読めて嬉しい!文春連載は終わってるので、他の媒体に載ったものを集めてある。いつもながら「へぇ〜」「なるほど〜」を連発しながら読む。
タイトルになってる「漢字検定のアホらしさ」が出色。あの出題文はちょっとどうなのかと前から思ってたけど、高島先生がずばり指摘して下さって、あ〜すっきりした!他には一高の寮歌に関するところが面白かった。「たて万国の労働者〜」が一高寮歌の替え歌だったとは!!
出版社が連合出版に代わったので(文春とはどんなトラブルがあったんだろうか?)もう文庫にはならないんだろうな。しばらく待ってたのだがもう我慢できないので別巻1から買うことにした。ちょっと高いけど(泣)。 -
著者の高島俊男は昭和十二年生れの元漢文教師で中国文学者。ここ数年私淑していて,彼の著書はほぼ欠かさず読んでいる。去年新刊が出ていたのに気づいて読んだが,やっぱりよかった。漢字検定のあきれる無意味さを指摘,酷評していて大変に溜飲が下がる。
著者は週刊文春に十年あまりコラム『お言葉ですが…』を持っていて,漢字や言葉,文人たちについてのエッセイを書いていた。中国文学への造詣はとても深い。三國志や水滸伝についても信頼に足る本を出していてお薦め。 -
漢字検定や言葉についてちょっと盛り上がっていたら課長が貸してくれました。
文春のエッセイがずっと続いていたのかと思いきや(だってそのエッセイシリーズの冠つけてるし)、中身は全然違ういろんな所で発表した(してないのもある)エッセイ群でした。
よく見れば出版社も違うし。なんか姑息(笑)
後半は結構長めの漢文についての話が多くてちょっと骨が折れました。
装幀・装画 / 藤枝 リュウジ
初出 / 『文藝春秋』2008年4月、2009年4月。『ユリイカ』2010年1月。毎日新聞1998年4月〜1999年2月。産経新聞2001年4月〜8月。他。掲載誌不明多数。書き下ろし4本。