お言葉ですが…〈別巻5〉漢字の慣用音って何だろう?

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著者 : 高島俊男
  • 連合出版 (2012年7月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784897722689

お言葉ですが…〈別巻5〉漢字の慣用音って何だろう?の感想・レビュー・書評

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  • 今回もいろいろためになる読書でした。
    その中でも一番勉強になったのは、漢字の慣用音。

    音読み、訓読みというのは知っています。
    音読みは中国から来た音、訓読みはやまと言葉。
    音読みは日本に入ってきた時期によって読み方が違う音があるので、呉音とか漢音とか唐音などがある。
    などは知っていましたが、慣用音って何だ?

    それはやまと言葉でもなければ、中国語の音でもない、そんな読み方。
    明らかに間違いだけど、今さら正解を言っても日本語として通じないからなあっていうのが慣用音。
    これが結構あるのだそうです。

    例えば蒸気の蒸。
    中国ではショウと発音するが、日本ではジョウ。
    最適の適。
    中国ではセキ。日本ではテキ。

    なぜこのような事になってしまったのかという説明は長くなるので割愛しますが、間違いは間違いとして今さら指摘してもしょうがないから認めてしまおうというのが、いかにも日本語っぽい。
    ことばは生き物だから、変わっていくのが当たり前。
    ただし、意味を間違えている時は指摘しましょう。

    あとは森鷗外の恋人について。
    「舞姫」のエリスのモデルになった人は、いったい誰なのか。

    「舞姫」が全くのフィクションと思われていた時期がずいぶん長かったことを初めて知りました。
    星新一のおばあちゃんが森鷗外の妹なのは知っていたんだけど、その彼女の夫・小金井良精の伝記を星新一が書いたことで、当事者しか知らないことが明らかになり、研究が進んだのだという。
    で、2010年に出版された本で、ようやくモデルとなった女性が特定できたと言ってもいいだなんて。
    こつこつ研究を続けていた方がいたということに頭が下がります。

    ことばとはまったく違うところでは、卵の値段。
    昔は高かった卵。
    いや、工場で生産されるようになってから、卵が安くなりすぎたという著者。

    先日実家に行った時、「昔、バナナは高級品だったんだよ」と父が言っていたのを思い出す。
    「高かっただけではなく、本当に美味しかった。
    今のバナナはあまり美味しくないなあ。
    昔は台湾のバナナだったから美味しかったのかなあ。」

    それを聞いてから、あちこちのお店で気をつけてみているけど、確かに今売っているバナナのほとんどはフィリピン産。
    たまにエクアドル産もある。
    台湾バナナはどこへ行ってしまったんだろう?

  • 森鷗外のドイツの恋人など。

  • 博覧強記ぶりはますます健在

    高島さんの「脳」に絡みとられた
    あれやこれや が
    「ほぅら こんなふうにも」
    とか
    「そういえば こんなことも」
    とか
    「それは もともとはね」
    と縦横無尽に
    汲めども尽きぬ
    「お言葉」が
    綴られていくのが
    快感ですね

    一切の権威から解き放たれ
    興のおもむくままに
    筆をすすめられる
    高島さんに拍手を

    そして
    その高島さんの本を出し続けてくださる
    連合出版さんに
    大きな拍手を

  • タイトルにもなっている「漢字の『慣用音』って何だろう?」と「森鴎外のドイツの恋人」がとくにおもしろかった。前者について。とどのつまり、慣用音は「本来は誤りだが、定着してしまえばそれはそれでどうということはない」ただし「日本の漢字音に限って」。慣用音だけでなく、呉音、漢音、唐音の別って、辞書によってだいぶ違うもんなんだなぁと。後者について。鴎外『舞姫』のエリスとは誰かという話。他の人のまとめなんだけど、そのまとめかたが秀逸。本筋とは関係ないけど、「ドイツ人は家系を重んじ自分の家系を調べる人が多い」ということに驚いた。なお、P.15のL.12×「人口の」→○「人工の」、P.23のL.16×「二本の」→○「日本の」。

  • 週刊文春の名コラム「お言葉ですが」が終わって随分久しいが、それでも高島さんの漢字・言葉に関するコラムを未だに読めるのは何とも贅沢な話だ。文春のコラム以外を集めて書籍化するという連合出版の企画・努力には頭が下がるが「お言ですが・・・別巻」と銘打って出版されたのも早くもこれで5冊目。

    別巻になってからは毎回「年を取ると字を書くのも読むのも辛い」という泣き言が入っており一体何時まで本書を読めるのかと心配でいたが、実は本作ではそうした泣言は一切入っていないどころか、「次作も準備中」という力強いお言葉。

    齢75にしてまだまだ行くぞ、という気概が感じられるのは嬉しい話だ。漢字やそれにまつわる俗説を正面から撃つ批評精神はまだまだ健在のようだ。

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お言葉ですが…〈別巻5〉漢字の慣用音って何だろう?はこんな本です

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