- Amazon.co.jp ・本 (148ページ)
- / ISBN・EAN: 9784898153178
作品紹介・あらすじ
2011年5月20日午前6時12分、10年ぶりにエベレストに登頂しました。頂上は快晴無風。-1月、高所順応のためエベレスト街道へ。2月、南極へ。3月、震災直後の被災地へ。そして5月、10年ぶりに世界一の頂へ。写真家・石川直樹は、歩き続けた。半年間の足取り、その克明なドキュメント。
感想・レビュー・書評
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初めて読む石川直樹さんの作品、職場の方に紹介されて読了。
エベレスト登頂時の日記、なかなかに面白かったです(^^)
入口のところでまず「高2でインド一人旅」って書いてあって、ソッコーで「あーこの人も植村直己さんと同じくイカれ属性の人かーーー」って( ̄∇ ̄) ※最大級の褒め言葉です
頭のネジが飛んでる人達の話って、やっぱ面白ぇなと(笑)
「エベレスト頂上からスノボで降りる変人」とかも出てくるし…なんかこう厨二心がくすぐられるんだよなぁ…(´∀`)
心に残る話もいくつかありました。
『「世界で一番高い場所(つまりはエベレスト山頂)=人間の限界高度』が一致しているのは偶然なのか?何か意味があるのか?」
→これも同じくめっちゃ厨二心をくすぐられるなぁと(*´∇`*)笑
『ぼくは登山という行為の意味を自分自身に問いながら、それでも登ることをやめない。なぜか。それは新しい発見や出会いがあるからだ。山に登っているの、見たことのない世界、見たことのない自分自身と出会う。そこからまた別の世界が広がる。安心できる土地で、慣れた仕事を続け、気心の知れた友人たちと暮らすことは究極の幸せかもしれない。しかし、世界はもっともっと面白いことに溢れている。新しい世界を見ずして、ぼくは漫然と毎日を過ごしながら時間を浪費したくない。』
→とりあえずカッコ良過ぎたので心に深く刻んだ(笑)
一方で、改めて考えたのは「実質的にシェルパの助け無しには登れていない」という話。
植村直己さんも「ゾロゾロとシェルパを引き連れて登るという登山に疑問を感じて単独登山を始めた」と書かれていたし、服部文祥さん(岳人の編集部・サバイバル登山家)も「シェルパと登山家の違いは経済力のみであり、アンフェアだと感じた」と書かれていて、自分もその意見に同意する。
もちろんエベレストを登ることもカッコ良いと思う一方で、例えば植村直己さんのような単独登頂、つまり「誰の力も借りない」という挑戦の方がより強く憧れるなぁ…とか、そんなことを考えたりもしました。
ちなみに、本書中で一番笑ったのは「モニカTバックの乱」でした( ̄∀ ̄)
笑えるような箇所はココ以外には無かったと思うので、石川さんはここのワンパンに賭けたのかな…?(笑)
<内容(「BOOK」データベースより)>
「2011年5月20日午前6時12分、10年ぶりにエベレストに登頂しました。頂上は快晴無風。」
石川直樹、10年ぶりのエベレスト登山日誌。
10年前にエベレストの頂上で湧き上がった小さなひとつの思いを実現させるために……。
写真家・石川直樹が、ふたたび世界の頂に立つまでの、約半年間の克明な記録。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
古本屋で買いました。自分も登山や旅をしている気分になれて楽しかった。コンパクトな本なのに内容やデザインが凝ってて気に入りました。
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読んでいるうちに自分もエベレストに登頂しているような気持ちになりました。コンパクトな本ですが中身が恐ろしく詰まっています。
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今回の本もワクワクした。
ふつうにブログをまとめただけなのに、どうしてこんなにいろんな作品や独特な感性表現が出てくるのだろうか… -
横浜での著書石川の個展「New Map」と、ワタリウムでの奈良美智さんとの展覧会に触発されて、前から気になっていた本書を手に取った。
登山記録、かつ元々はブログ向けの文章であるので、きわめて淡々とした記録。だけれど、ところどころに、環境の過酷さを窺えたり、周囲の人々への敬意や感謝が込められていたり、そして何より感情の起伏が読み取れたりするのが面白い。
『全ての装備を知恵に置き換えること』も好きだったが、そちらは言わば"論理の石川"、本書は"感情の石川"。本書の方が飾らない感じ。
旅は非日常ではない、と言い放つ石川がカッコいい。
また淡々とした中でも「なぜ峰に登るのか」と自問し、それに答えている終盤の記述にもグッと来た。
新たな世界に、そして新たな自分自身に出会うため。
あるいは「意識的に生きる」環境を好むため、といったところか。
最小限という装備を写真入りで紹介するカラーページも魅力的。
旅に誘う一冊。 -
大学院の卒業旅行にネパールのポカラへ立ち寄った。
今から13年も前だが、ヒマラヤの朝焼けを見たときのあの高揚感ははっきりと覚えている。アンナプルナ連峰やマチャプチャレ。いや、この記録はそのことを僕の脳裏に克明によみがえらせたと言うのが正しいのかも知れない。
エベレスト登頂。新聞記事やニュースで見る程度で、それほど特別な興味を持ってはいなかった。これほどまでにリアルな、体の芯まで伝わるしんどさ。徹底的な高所順応に驚く。
これまでの10年。僕は持続可能な社会づくりに賭けてきた。人あっての社会である。その対極にあるのが極地。人はそこに日々の営みを行うことが出来ない地。8000メートル以上に長時間いることは不可能であるとか。妙にそこに惹かれている自分がいる。そのことを想起させられる一冊であった。 -
5冊目。
カバーの色遣いが好き。
著者が2011年に成功させた2度目のエベレスト登頂記録(ブログ)を書籍にまとめたもの。
(ちなみに2001年、23歳のときはチベット側から、今回はネパール側からのルートでのチャレンジだったそう)
(てことは、こないだみた写真はその時のかー…)
とか、いろいろ補完しながら読んでいます。
近年の日本の時事に絡んだ内容も多く、そのあたりも興味深かった。
そこにあるのは現在につながる個人の行動記録なのだとおもうと背筋が伸びる思いがする。
とても面白かった。
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蛇足。
「今これ読んでるんだよ」
「へー、エベレスト登るの?」
「のぼり(れ)ません!」
と、いうようなやりとりをしたことが、読書に関連して印象に残っている個人的出来事です(どうでもいい。 -
エベレスト登頂を生活として描く。でもこれってさ、「高所順応」ってサラッと書いてるけどさ、スゲぇ大変なことなんだよなぁ。うーん。
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エベレストなんて、登れないなぁ、でも、そこから見える風景はすっげいなぁ、と思いながら読んでいた。(12/6/23)