愛のようだ

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著者 : 長嶋有
  • リトル・モア (2015年11月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784898154243

愛のようだの感想・レビュー・書評

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  • ずっと変わらない長島有の感性が好きだ。
    おっさん作家の長島有が朝井リョウよりピュアな感じがするところ(笑)
    同年代だけに余計そう思うのかもしれないけれど。
    いや、願望か?もしかしたらあざといだけなのかもしれないけど。

    中年が主人公だったら不倫もの?家族もの?もしくは人生を振り返っちゃったりする真面目な話?
    そんな先入観にとらわれず、おっさんの甘酸っぱい片思いの話しなんて。
    いいじゃないか、中年がピュアな恋をしたって。
    自分が恋してるわけじゃないのに妙にシンクロしちゃった。

    物語の大半を占めるのはおっさんとその仲間たちのロードムービー的なあれやこれ。
    それぞれに色んな事を抱えていてハッピーとは言い難いこともあるけれど、重苦しさを感じさせない独特のペースがいい。

    辛いことはあるけれど日常は流れていくし、哀しんでるばかりじゃない。哀しい時も笑えるのよ、人間は。
    時には取り返しのつかないこともあるけれど、それはそれでいいじゃないか。
    前に進んで行くしかないんだから。

    恋愛小説の話のはずなのに妙に励まされてしまったおばさん、ここに1人・・・。

  • 車を走らせる道中の、同乗者とのやりとりや会話、ときたま起こる小さな事件、流れる景色を横目に見ながらふと考えていること。軽快さと切なさの塩梅がちょうどよくて、好きだ。年齢を重ねるにつれて身に纏っていくものが言えなくさせる言葉がふと表出したとき、溢れたのは時に笑みだし時に涙のようだ。「すべてが遅かったと気付いたときの涙」で、カルテットの別府さんを思い出した。大人ってやだな〜あ。また読みたい。

  • 最後に渡されたレシート。
    キン肉マンの歌が泣けるとは。
    号泣させない所が好き。

    「万華鏡を分解して、中身にガッカリした、みたいなことをいうな。
    万華鏡はただ喜んで回すんだ、それでみえていたことだけが本当のことだよ。」

  • 2015.11月読了。

    奥田民生聞きたい。
    さすらい聞きたい。
    ハイチュウ食べたい。
    ドライブしたい。

    癖のないじんわりあったかい文章。
    じわーっとする。
    うんうん、なかなか。

  • 最初で最後の「泣ける」恋愛小説。と帯にある。

    運転免許取り立てなのに、男たちだけで草津温泉にドライブしたり道を間違えたり、運転中にポップキャンディーを咥えたり、アニソンを聞いて声を合わせて歌ったり、色気もそっけもないシーンが続くけれどこれはやはりれっきとした恋愛小説。
    「万華鏡を分解して中身にがっかりしたみたいなことを言うな。」「耳の遠い女は口説けない」などなど名言続発。
    それにしても長嶋先生、どうしてこう女心をわかりすぎるんだかわからないんだか・・・
    ハードオフに代表される男っぽさっていうか、男の子全開の楽しい空間をこんなに言葉にできるのってうらやましすぎる。
    この本は手元に置いて何度も読むべき本です。
    出版業界がどうのこうのはわきに置いておいて、私はこの本を買ってよかったと切実に思う。

  • 久々、長嶋有。戦国モノが続くと、合間に読みたくなる。ガリみたいなものと言ったら失礼か。シーンはほぼ車内で、様々な面子で繰り広げるロードムービーならぬ、ロード小説。車内でかかる音楽が大きな要素なのもロードムービーぽい。雰囲気はいつものあんな感じなんだけど、一時期のうざさがなくなって、まるで綺麗な詩を読んでいるかのような、いや、綺麗な詩を読んだことはないけど、空気の匂いを感じられる物語だった。

  • 愛のようだプレイリストは作ろうと思います。…キン肉マンは…どうしようかな…

  • そう言えば、私も自分で車を買うときは、ラシーンがいいって決めてた。
    しかも、あのカーキみたいな微妙な色が欲しかった。
    結局、未だ一度も自分で車を買ったことない。

  • 主人公漫画評論家でフリーライターの戸倉、中年?になり自動車教習所に通い初めて免許を取得する。こだわりを持って中古の日産ラシーンを購入。探しまくり、車の芳香剤『車のポピー』も手に入れる。

    第一話
    初心者マーク付きの主人公の愛車で友人須崎とその恋人(大学病院でがん切除術後)の琴美との三人で東京から伊勢神宮まで長距離ドライブをする。
    第二話
    都心のレンタカー屋でホンダのフリードを借り、10年来の友人で編集業の永嶺、知り合って一年の大学生の祥太と工場勤務をしながら漫画を描いているノリオ,途中で山田夫妻を拾って草津温泉へ。(隠れミッション:独身の永嶺に女性が妊娠を告げ草津温泉へ同乗者のみんなに内緒で会いに行く)
    第三話
    フリーライターの卓郎と途中まで同乗する水谷さん(女性)、祥太との4人で愛車に乗り藤子不二雄さんの故郷 富山へ取材のため向かう。(降車するまで全員知らなかったが水谷さんは父の葬儀のため実家へ行く)
    第四話
    投稿した漫画が落選し悲嘆にくれ鬱々としているノリオを岡山まで初心者マークが取れた愛車で見舞い励ましに行く。車の免許を取った祥太と永嶺、神山の4人、みんなネットのボードゲームつながりの仲間。途中、神山のスマホに彼女から別れのメールが入り感情を乱し、高速道路走行中にドアを開け車から降りようとし、他のメンバーを慌てさせる。永嶺からは永嶺にそっくりな顔をした赤ん坊の画像を見せられる。愛とは何か。主人公は考え決断する。
    エピローグ
    琴美が亡くなる。時は待たない。

    全編、ドライブ中それぞれの好きな音楽がかけられる。カーナビの声 隣・前を走行するトラック バイク パーキングエリアがでてくる。

  • 本を読むときは割とサッと読んでしまうのですが、これは何度も戻りながら繰り返し読みました。
    船の上でキン肉マンの歌を歌う場面でいつも少し泣いてしまいます。(キン肉マンの歌、ユーチューブで何度かきいておぼえてしまいました)
    映像が綺麗な映画のように情景が浮かんでくる小説です。

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