愛のようだ

著者 :
  • リトル・モア
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本棚登録 : 572
感想 : 78
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784898154243

感想・レビュー・書評

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  • 主人公の40代バツイチ男が車の免許をとる場面から、4話の全て車の中の会話と音楽が楽しめる。
    ”メールの返信にはRe:がついている。”
    ”「困った人」や「病人」に対し、人は決して「優越感を得たい」わけではないと思う。ただ無垢になる。”
    長嶋有さんの作品は、他人事のように遠くから見ているような主人公がさらりと、本質を突いてくるところが好きです。
    突き進むような愛ではない、淡い中年以降の愛をじんわりとかんじました。

  • 若くもないが年寄りといわれるほどではなくて、
    だけど、
    ちょっと身体的衰えを感じつつある、、、
    そんなお年頃、40代。

    友人の恋人に恋心を抱く男性主人公の
    淡々としつつも、
    淡々とすることを知っている
    大人ならではの心の置き所に
    ちょっと悲しくなった。

    すべては遅すぎたと気付いてしまうところが、
    そこだけが
    淡々としてなくてちょっとホッとした。

    初読みの作家さんでした。

  • ちょっと切ないお話でした。

  • すごくよかった。車に乗っている間の出来事と気持ちの動きの描写だけで物語はすすんでいく。はっきりとこれは愛だ、とは言えないけど、たしかにある気持ちを感じる、でも確信は持てなくて「愛のようだ」と言ってしまうような気持ちは、もうそれは、愛なんだろう。

  • オトナの恋愛。

  • なんだか、しみじみ、良かった。
    私は作者の少し歳下だけれど、こういう感慨って、中年にならないと、なかなかわからないものだろうなぁと思った。

  • めずらしくメッセージ性のある作品。

    通底する死の気配が濃い。
    車の運転という突発的な死と癌というゆっくり来る死が混ざり合っていて、
    それでも日常の営みは続いていく。

  • サイン本❗️に惹かれて、買ってしまった。
    長嶋有氏は、『サイドカーに犬』が好きだなら。
    だけど、こんさくは、、、、うーん。
    ごめんなさい、あんまり、でした

  • ドライブからの切り口として見れば、音楽と仕事と趣味の人間関係が巧くまとまっている。
    主体的にも客観的にも自分をみるのは難しいけど、ふとした時に気づかされることがある。削りとられるような瞬間に、本当の自分に会える。
    あぁ、心に愛がなければ………じゃないのさ。

  • うーん…
    これは小説??エッセイ??って感じの本でした。
    なので、これを読んで、こんな風に感じた、とかなくて、
    ただ単に、読んだ、というだけになった感じです。

    でも、ところどころ、ウフフ、とか、ニヤニヤ、とかするところがあって、ついつい最後まで読んでしまった。
    特に、女性観というか、中年になった主人公が、どういう女性が好きか、という話をするところがあるのだけど、なるほど…だったり、え??だったりするわけで、ついつい、ここに書いてあることおかしいよね?と、ほかの人に聞いてしまうほどでした。
    そして、最後の切ない感じ、もうちょっと読みたかったかな?
    この作者の本は、芥川賞をとった本を読んだだけですが、なんというか、冷めた感じが気持ちいいです。
    ほかの本も読もうと思います。

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著者プロフィール

小説家、俳人。「猛スピードで母は」で芥川賞(文春文庫)、『夕子ちゃんの近道』(講談社文庫)で大江健三郎賞、『三の隣は五号室』(中央公論新社)で谷崎潤一郎賞を受賞。近作に『ルーティーンズ』(講談社)。句集に『新装版・ 春のお辞儀』(書肆侃侃房)。その他の著作に『俳句は入門できる』(朝日新書)、『フキンシンちゃん』(エデンコミックス)など。
自選一句「素麺や磔のウルトラセブン」

「2021年 『東京マッハ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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