千年後の百人一首

  • リトル・モア
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784898154700

作品紹介・あらすじ

言葉と絵——。
ふたりが1000年の時の砂をはらうと、
たった1つの変わらない「思い」が、
切なる100の音楽を奏ではじめた。

日本古典文学の最高峰に挑む。
これが、この世限りの、決定版「百人一首」!

【 清川あさみが布や糸・ビーズで描きおろした百の情景。】
今までの絵札とは全く違う、けれど歌に込められた思いを真摯に表現した一枚一枚は、
新たな百人一首の姿を見せてくれます。

【 最果タヒによる、現代語訳にして新作詩。】
情感豊かな現代の言葉で綴られた新訳は、時に愛おしく、時に物悲しく、
いまを生きる私たちの胸に刺さります。

巻末にはそれぞれの歌が詠まれた背景や詠み人についての丁寧な解説も収録し、
ハンディな造本に、百人一首のすべてが詰まった一冊です。


著者: 清川あさみ+最果タヒ
解説: 網倉俊旨
原画撮影: 朴玉順(CUBE)
ブックデザイン: 祖父江慎+藤井瑶(cozfish)

感想・レビュー・書評

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  •  私、実は百人一首好きっ!高校生の時の百人一首大会では優勝したりしたんです!!今年最初のレビューは「千年後の百人一首」と決めてました(*^^)v

     この作品は、百人一首の現代語訳を最果タヒさんが、そして絵札を私の大好きな清川あさみさんが担当しています。最果タヒさんの訳は、今の時代にあったものでわかりやすくてすごくいいです。そして清川あさみさんの絵札も、訳にぴったりな感じでビーズ布、刺繡を用いて創り出されていて、幻想的でステキな作品ばかりです。私のイチ押しは、小野小町さんのの「花の色は 移りにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに」です。

     千年経っても、色褪せない愛しい人を想う気持ちや四季を慈しむ気持ちをしたためた百人一首が、こうして今の時代に読み継がれていること…ステキなことだなぁ~って思います。

     新しい年の幕開けです。今年もいろんな作品を手にたいです。皆さんにとって新しい年が、笑顔いっぱいの1年となりますように…!今年もどうぞよろしくお願いします。

     最後に…元日の夕方、震度7という大地震が能登地方を襲いました。被災地から遠く離れているのに、こちらでも長い揺れから恐怖を感じました。犠牲になられた方、負傷された方、避難されている方へお見舞いを申し上げます。また救助活動や生活再建に奔走されている方、お疲れ様です。余震も続く中、また寒さも厳しい折ですので、どうか気をつけてください。

    • かなさん
      1Q84O1さん、こんばんは!
      百人一首、私大好きなんですよね(*^^*)
      高校生の時に必死に覚えたけれど
      それはただ覚えさせられたと...
      1Q84O1さん、こんばんは!
      百人一首、私大好きなんですよね(*^^*)
      高校生の時に必死に覚えたけれど
      それはただ覚えさせられたというより
      興味があったから…覚えるのもそんなに苦労もなく…
      あ、大会で優勝できたのは
      小さな高校の校内のことなので(^-^;

      能登地方の地震に関しては、
      毎日毎日ニュースをみては心を痛めています…。
      発生後72時間はもうすぐ…
      どうか一人でも多くの生存者さんが救出されますように…。
      2024/01/04
    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      かなさん、おはようございます
      年始早々良いですね〜ッ!
      一枚一枚思いを込めた清川あさみさんの絵札、想像しただけでうっとりしちゃいます
      素敵な...
      かなさん、おはようございます
      年始早々良いですね〜ッ!
      一枚一枚思いを込めた清川あさみさんの絵札、想像しただけでうっとりしちゃいます
      素敵なんでしょうね
      百人一首の戦術とか勝ち方とかきっとあるんでしょうが、かなさんの好きな気持ちが優勝に繋がっていたんでしょうね
      凄いです!
      2024/01/04
    • かなさん
      ハッピーアワーをキメたK村さん、おはようございます(^^)
      清川あさみさんの絵札、一枚一枚すごくいい雰囲気で
      歌人が描かれているわけでは...
      ハッピーアワーをキメたK村さん、おはようございます(^^)
      清川あさみさんの絵札、一枚一枚すごくいい雰囲気で
      歌人が描かれているわけではないんだけれど…
      息をのむ美しさで、とってもステキなんです!
      百人一首ってロマンを感じますよねぇ…
      興味をもって高校時代も覚えたこと、いい思い出です(*^^)v
      でも、そんなにすごくはないんです…。
      小さい高校の校内での大会だから(^-^;
      2024/01/04
  • 千年、万年、百万年。リボンで繋ごう一億年~

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    言葉と絵――。
    ふたりが1000年の時の砂をはらうと、
    たった1つの変わらない「思い」が、
    切なる100の音楽を奏ではじめた。

    日本古典文学の最高峰に挑む。
    これが、この世限りの、決定版「百人一首」!

    [清川あさみが布や糸・ビーズで描きおろした百の情景。]
    今までの絵札とは全く違う、けれど歌に込められた思いを真摯に表現した一枚一枚は、新たな百人一首の姿を見せてくれます。

    [最果タヒによる、現代語訳にして新作詩。]
    情感豊かな現代の言葉で綴られた新訳は、時に愛おしく、時に物悲しく、いまを生きる私たちの胸に刺さります。

    巻末にはそれぞれの歌が詠まれた背景や詠み人についての丁寧な解説も収録し、
    ハンディな造本に、百人一首のすべてが詰まった一冊です。
    http://www.littlemore.co.jp/store/products/detail.php?product_id=976&PHPSESSID=56b012cf4f3fe362ee311c61d14a989f

  • 最果タヒさんの「百人一首という感情」と呼応して、少し遅れて読んだ。一句ごとにタヒさんによる訳と清川あさみさんの絵札的作品が見開きに並ぶ美しいデザイン。最初と最後の一束だけピンクの糸で綴じられた遊び心あふれる装丁に、心射抜かれてしまった。タヒさんの訳のおかげで、捉え方が変わった百首。中でも「ながらへばまたこのごろやしのばれむ 憂しとみし世ぞ今は恋しき」が大好きになった。

  •  いろんな点で、メカラウロコな一冊だった。

     まず、アーティストと詩人のコラボ。
     絵札のほうに、その句に詠まれた情景を描いてみせる。そうだそうだ、何も~天皇とか、大納言~や、~僧正といった見た目大差のない平安時代の人を百人並べられるより、印象的な絵札にしても良いんだな。そのほうが、その句への愛着が増すかもしれない。

     「春過ぎて~」の一句も、そうか、もう夏が来てるのだから、香具山の背後には爽やかな青空が広がっているんだ、と清川あさみの描く絵札で思い知らされた気がする。
     欠点は、坊主めくりができなくなることか(笑)

     最果タヒの、現代語訳も直訳、意訳を越えて、独自の詩世界で解釈されていて実に面白い。

    「瀬をはやみ~」の一句。川の流れが岩にぶちあたり二手に分かれる急流の様を、“さようなら! また会おう!”と、感嘆符を補って、その勢い、気持ちの高ぶりを見事に表現している。

    「よのなかよ道こそなけれ思ひいる~」の句も、単に、山の奥へ奥へと訳すだけでなく、“誰の視線も届かないところへ、(中略)噂話が響かないところへ” と意訳する。
     そうか、この山の奥というのは、もっと現代的に解釈すれば、“携帯の圏外へ”や、“Wifeの電波のないところへ”と思ってもいいんだなと、現代人の我々も古代人の思いとシンクロすることができるんだと気づかされる。

     若干、その句の背景も説明しつつの訳詩となっている。「大江山~」の句も、小式部内侍が母親の助けを借りて創作してるのではないという裏話を解説しつつの訳となっているなど、冗長な句もある。
     なにしろ、どの歌も元歌よりはるかに長くなっており、かろうじて2行で収まっているのは、「おもひわびさてもいのちは~」の一句のみ。
     もう少し、抑えてもよかったのではと思う反面、ミソヒトモジで想いを歌い上げた当時の歌人の言葉選びの巧みさ、究極までの精錬ぶりの凄さを改めて感じることができる。

     古人の詩作の巧さ、現代人の感性の豊かさ、どちらの良さも感じられる見事な企画。1000年の時を超えて、歌仙たちと現代のアーティストたちのがっぷりよつは、実に読み応えがあった。お見事!

  • 言葉の暴力
    叩きつけられるように感じるがどこか包み込まれて支えられる気がする。

    1番好きだったのは
    逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに
    人をも身をも 恨みざらまし

    あなたが、しあわせなことはいい、
    ただぼく目の前からは消えてくれないか。

    恋愛感情からなる切なさがギュッとこの言葉に詰まっている気がする

  • タヒさんを通した百人一首、清川あさみさんによる美しさだけではない力のある絵がとても素敵です。タヒさんの「百人一首という感情」と併せて読まれると良いと思います。ほんとに素敵

  • 小さい頃から百人一首が苦手意識があり、ほとんど意味を知らずに生きてきたけど最果タヒさんの詩と清川あさみさんの作品で一句一句に浸れるので繰り返し読みたいと思うような本。
    巻末に軽い解説がついてるのも良かった

  • 読んでる途中でつかれてしまった。
    一首ごとに独立した短歌なので、連続性がないことがつらかった。

    詩もグラフィックもうつくしかったし、いい本なんだろうなとは思う。思い出したときにぱらぱらと読みたい。

  • 百人一首を、千年後の今に現代の詩として甦らせるというコンセプトに一目惚れ。
    しかも最果タヒさん。札絵は清川あさみさん。
    受け継がれる想いは、今も昔もそう変わらないのだなと古に思いを馳せてしまいました。

    3 私の体の輪郭地表の一部でしかなかった。
    10 生きるために少しずつ忘れていきながら、すれちがう人々の瞳の中にその欠片を、託していく。
    17 星は落ちてきたかもしれない、桜で空が埋まったかもしれない
    21 知っていますか、夜はかならず終わるのですよ
    23 月がぼくをみつけてしまった。
    34 風だけが永遠につづく。
    38 神に、誓いましたよね
    58 久しぶりに連絡をくれたきみが、不安ですと私に言う。

  • 【言葉と絵の美しさに浸る本!】
    ことばがぽつぽつと心に落ちる。
    最果タヒさんのことばは流れるようで美しい。

    千年前の想いが現代で甦る。
    どんなに科学や文明が発展しても、人の想いや感情はほとんど変わらない。
    なぜなら私たちが、大昔の人の想いを理解したり、共感したりすることができるから。

    ことばや絵の美しさに胸打たれる詩集。

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著者プロフィール

写真に刺繍を施す手法を用いた作品をつくるアーティスト。代表作に〈美女採集〉、〈Complex〉 シリーズ、絵本『銀河鉄道の夜』(リトルモア)など。著書多数。谷川俊太郎氏との共作絵本『かみさまはいるいない?』(クレヨンハウス)が2年に1度のコングレス(児童書の世界大会)日本代表に選ばれる。2016年下半期NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」でタイトルオープニング映像やポスター制作を担当。二児の子ども育てる母。 

「2021年 『あっちむいて こっちむいて だ~れだ? わお!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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