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数学を使わない数学の講義

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著者 : 小室直樹
  • ワック出版 (2005年4月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784898310823

数学を使わない数学の講義の感想・レビュー・書評

  • タイトルからすれば、話を余計にややこしくしているのだが、数学については先ず、解の存在問題を考える事が重要だという話は面白い。しかし、数学といっても、論理学が中心なのと、実社会における事例への当てはめには、例外がすぐに思いつくような内容もあり、読み難い。実社会を数学的に整理しようとしても、変数が多く、それこそ二元論的に解釈するのは不可能だ。読んでいて、この人本当に数学を学んだ人かな?と思い、経歴を調べたほどだ。一応、学部時代に数学科を出た上、きらびやかな学歴が並ぶ。

    さてさて、私が言いたいのは、かつて藤原正彦が国家の品格で述べたように、論理が正しくとも、その起点となる情緒の正しさがどうかという事。それとデータ量の無限性においては、定量的整理は、前提主義にならざるを得ないという事だ。当然、著者もこの点、GNPや物価指数に対して指摘をしている。であれば、この指摘に至るまでの試みに無理がある事も、恐らく自覚しているだろう。大衆向けに面白おかしく演出したが故に無理が出たのかもしれない。

  •  数学的思考で経済学や社会情勢などを考えてみる一冊。

     やぁ、いままでになかった考え方を脳内にインストールした感があるぞ。
     なんかそういう「脳にインストールする感じ」の読書というのは比較的気持ちが良いんじゃ。

  • 生徒に「数学いらなくない?」と言われ、納得のいく答えを出せなかったので購入。僕自身は得心したが、生徒達を説得させるにはまだまだ距離がありそう

  • 数学を使わない、というより数字を使わないと言ったほうが適切なのではないだろうか。とても読みやすかった。数学が嫌いな人に読んでほしい。

  • 数学は苦手。でも、数学をに興味がある。そんな人のための数学入門書。堅苦しい計算式はほとんど出てきません。それよりもむしろ、数学的な発想とは何か?それが世の中でどのように役立っているのか?という今までにない視点を与えてくれます。語り口も明快かつ軽快。2時間くらいあれば、読めてしまえます。

  • ――――――――――――――――――――――――――――――
    日本人が数学力を失ったらどうなるか?経済成長は止まり、国防すら危うくなる事は間違いない。1
    ――――――――――――――――――――――――――――――
    現代数学においては、「論理(ロジック)と集合とは、まるで同じものを指す」ということである。

    その萌芽というか起源は、古代ユダヤ教とギリシャに求められるのである。70
    ――――――――――――――――――――――――――――――
    神との契約と宗教の内容とが、まったく一致している。しかも、この神との契約が、すなわち社会的な規範であり、のちに法となって定着する。

    日本ではどうかといえば、神との契約という概念が、古来、そもそも皆無である。だから、西洋的な法という考え方もなければ、規範という考え方もない。71
    ――――――――――――――――――――――――――――――
    見掛けは厳格なようだが、その実、ユダヤ教ほど生っちょろい宗教はないとも言える。

    しかし、ユダヤ教の中にも例外はある。『ヨブ記』がそれで(…)必要十分条件を満たしたのに救済されないのは論理的におかしい、神の契約違反ではないか、というわけである。158
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    国民の一人ひとりはことごとく戦争を望んでいないとしても、国家自身が戦争を欲するということはあり得る。

    「戦争をする」という行為は、国家の命題であって、個々人の命題ではない。271
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    欧米が契約社会であるのはご存知のとおりだが、この「契約の精神」は、まさに数学の「集合論」そのものなのである。274
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  • 憲法学の権威が数学の論理を分かり易く講義してくれる。社会学者に数学を理解していない者が多い事に対する思いもある。

    文体は平易だが内容は高度である。ところどころに、張り紙で張り出してあるエッセンスがいい。

    「公理主義のおかげで学問とはすべて仮説であるという考え方が徹底した」
    「相手を批判するということは、同時に相手の学説を継承を意味する」
    「マンデヴィルのジレンマ★個人の悪徳は全体の美徳である」

  • 数学は苦手だけれど、数字は好き。
    そんなわたしの為の本。勧めてくれた父に感謝。

    (2008.08.21)

  • 昨年お亡くなりになった小室直樹先生の著書が平積みになっていたので衝動的に購入。
    既読のものかと思ったら読んだことがあったのは『数学嫌いな人のための数学』という似た題名の本の方で、こちらは未読だった。
    独特の「小室節」はこの本ではかなり抑えめながら、久しぶりに氏の語り口を堪能した。

  • その解をどうやって解くか?
    だがそのまえに
    解は存在するのか?
    まずは解の有無を明確にすること。この事が重要。

    そもそも解が存在しなければどんなに努力をしても無駄ということになる。
    解があることがわかればやる気も上がる。
    解の存在が確かであれば、あるやり方でその解が解けなければまた別のやり方を使う。

  • 数学を使わない数学の講義って、何だろうか? 数学の講義といえば、計算技術の伝授を想起される方が多数派ではないだろうか。本書はそのようなイメージを見事に外します。ぶっちゃけ、論理の講義です。題材に政治や社会問題、文化等を引用して、論理がどの様に生きているか、存在価値を発揮しているか、等等多角的に説明しつつ、その延長上で直接間接に数学を広義の意味で講義しているような内容になっています。

    数学があらゆる諸問題を考える基底に存在している、いわば小室直樹さんの世界観に触れることにもなるでしょう。

    実は、この本を手に取った切っ掛けは、小室さんに興味を持って、氏の本を何か見てみようと検索した結果、たくさんある本の中でその時一番安い古本がこれだったというだけでしたwww(核爆

    この本で取上げられている内容はどれもこれも面白い話題が多かったのですが、本書がどのような構成になっているのか、その一端(1,2章は若干の説明付、3~5章はタイトルのみ)だけを紹介します。

    第一章 論理的発想の基本 
        -まず「解の存在」の有無を明確化せよ

    この章では、「存在問題」を中心に様々の話題が提供されている。例えば、砂漠の中のどこかに財宝があるかもしれない!という場合と、砂漠の中のどこかに財宝が必ずあります。という場合、宝探しに賭ける人間の情熱は当然後者の「どこかに必ずあります。」のほうに軍配があがるでしょう。解の存在問題は人間のやる気に影響を与える典型例として取上げられています。
    半世紀前、ケネディ大統領が60年代が終わるまでに人間を月に到達させると宣言しその実現を見ましたが、ここにも「存在問題」があるという。それは、物理学的には人間を月に到達させる方法が存在することは明白である。ということは、あとは技術と予算の問題になるからである。もしも存在すら明確でない場合、いかなる技術進歩や予算があれども実現の保障は不可能だからである。
    数学で解の存在の有無を証明する問題等はしばしばあるが、多様な話題を登場させながらその「解の存在問題」としての数学的な核心に迫る。


    第二章 数学的思考とは何か
        -日本人が世界で通用するための基本要件

    この章では、文化的な事柄を数学の視点から分析している。「論理の国」「非論理の国」という区分で日本は後者に属す典型例として様々の話題を提供している。ここで一つ注意しておきたいのは、善悪の観点で物事を論じる事は一切ない。善悪論は数学の範疇ではなからである。あくまでも「数学的」には、文化的性質が論理的な面が強いか非論理的な面が強いか(分類上の表現です)という視点である。


    第三章 矛盾点を明確に掴む法
        -論理学を駆使するための基本テクニック


    第四章 科学における「仮説」の意味
        -近代科学の方法論を決定した大発見

    第五章 「常識の陥穽」から脱する方法
        -日本には、なぜ本当の意味での論争がないのか


    以上、基本的にすべて「数学的」には各章のタイトル事項に関して如何に考えるか論が展開されていきます。

    社会学、政治学、比較文化論あたりの話題が「数学的」に如何に分析されていくか、興味のある方には特にお勧めの一冊です。

  • <必要条件と十分条件>
    =必要条件=
    目的を達成する為に欠かせないこと
    ただし、必要条件だけでは目的を達成できない

    =必要十分条件=
    目的を達成できる条件

    =十分条件=
    目的を「余裕で」達成できる条件
    他の必要条件は不要となる

    <否定>
    「Aは安くてうまい」の否定は3つある
    1:Aは安くてまずい
    2:Aは高くてうまい
    3:Aは高くてまずい
    →AND条件の否定はOR条件になる

    ある論理を否定したい場合には、
    1つ以上論理が成り立たない例を挙げる

    <全体命題と部分命題>
    「①全体の命題が全ての部分命題に成り立つ場合と、
    ②全体の命題が部分命題には成り立たない場合が存在する」
    →①集合の要素に関する命題
    →②集合全体に関する命題

  • 数学とは、神の存在を証明しようとして発達した学問である

  • 2009/
    2009/
    リスナーからお勧めしていただいた本です。

  • ビジネス書でいいのか?

  • 数学嫌いな貴方に。
    でも読書嫌いな貴方にではなく。

    そんでもって実はこの本読んでると見えてくる事は数学以外の事。

  • 何が言いたいんだろう?と感じる本。著者は欧米が大好きでただ日本を批判したいだけなのかな?と思わせる。内容はタイトルから想像される数学のトピックを盛り込んだエッセイのようなものではなく、数学の概念(必要十分条件とかとか)を用いて、諸国の文化や考え方等々を説明しています。楽しい話やためになる話もあるものの、主観に偏り過ぎている感じがして僕にはあわなかった。

  • 『超常識の方法』の復刻版。なつかしくって買ってしまった。

  • 論理とか仮定とかの話 基本、数学は気合

  • "数学嫌いな人のための数学"ほどのインパクトはなかったかな。

  • 数学を使わない、と謳っていながらも集合論の考え方をベースにしているので、必ずしも使っていないわけではないが、このシンプルなものの見方で世界を眺めると、何に正当性があって何に矛盾が認められるかが明らかになって面白い。
    その集合体に属するための必要条件、十分条件は何か。
    日本人はそういう考え方が苦手だ。また、日本人自体に規範になるものがあいまいなので、欧米人からしてみると予測がつかず、かなり不気味に映るらしい。

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