いよいよ、日本の時代がやって来た!(WAC BUNKO) (2015年〜日本と世界はこうなる)

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  • ワック
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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784898317099

作品紹介・あらすじ

世界の中で日本を仰ぎ見る国がどんどん増えている!日本人は世界最高のカネと暇と教養がある!日本経済の成長戦略のヒントは、日本の若者・新中流の遊びの中にある!日下公人の新「新文化産業論」!

感想・レビュー・書評

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  • 日本財団特別顧問の日下公人さんの著書。
    著者の個人的体験に基づく個人的な思いという気がして、「日本の時代がやってきた」とまで納得できません。
    安倍首相を持ち上げながらも、進歩礼賛はそろそろ終わると、アベノミクスの成長戦略を否定するように意見もでて、最後には水野和夫さん等と似たような主張となるのが不思議な印象です。

  • こんばんは、今日も一日暑かったですね。さて今日の書評は、わが師(と勝手にこちらが思っているだけなのだが)日下公人先生の「いよいよ、日本の時代がやって来た!」です。

    日本大好きな日下先生から、これぞとばかりカットボールが飛んできます。

    では書評ブログ・スタート。

    まず、世界では現在(この本が書かれたのは平成二十六年)大して大きなニュースは無いという。ウクライナ問題も欧州ではあまり関心がなく、騒ぎ立ててるのはシティー(ロンドン金融街)やパリの金融市場ぐらいだそうだ。

    なぜなら、理由があるのだ。ヨーロッパでは外国人労働者が多数やって来て、路上生活を余儀なくされている。それが社会情勢の不安を招いている。

    彼らは、便利だから使用するのをやめられない。結局ヨーロッパの街の中心地が彼らに占拠されているそうだ。

    それまでいた人は、郊外の方まで逃げていく。これは、ドイツ、フランス、アメリカなどでは顕著な事である。

    その一方、世界でGDP二位の中国も、悪いことを先延ばしにしてきている。空気、水は汚し放題、農村からの労働者は使い捨て、職にあぶれた大学生はアメリカに行く。政府もそれを黙認。滑稽極まりない国家だというのだ。

    世界がそんな風になっている一つの原因は、リーダーシップのある国が無くなってきているからだと日下先生は指摘する。

    そんな中、安倍首相が地球を俯瞰する外交で物申す。今まで黙って来た日本が意見を言うのであるから、みんなシーンとなって聞いている。

    聞いてみれば「なるほど」「もっともだ」ということで、日本のファンになる国家が続出した。これは西欧や中国にとっては面白くないのだ。

    各国とも、内政問題で手いっぱい。とても日本のような真似をする暇はない。
    日下先生は、こう実証化している。

    ロンドンでもパリでもニューヨークでも屈強の警官が交通整理をしている。なぜなら、そのような人物でないと、市民はいうことを聞かないからだそうだ。

    ぞの点、日本では白髪交じりのおばあちゃんが、交通整理をしていても日本人は言うことを聞く。これは些細な事だが、日本の文明が進んでいることだという証左であると、日下先生は喝破する。

    日下先生によれば、韓国もよろしくない、とのことだ。つまり、いつまでたっても慰安婦問題を出してくるからだ。

    以前、東工大で慰安婦問題のシンポジウムがあったそうで、日下先生が出席しておられた。居並ぶ人は東大教授で、みな韓国びいきの方だったそうだ。

    みんなして「この問題を日本人はもって反省しろ」と言った。

    日下先生は彼らの議論をぶっ壊した。

    日下先生は堂々と「あの慰安婦たちは嘘を言っています」と。彼らは「女の尊厳の問題です」と言ったが、そのとき日下先生も「違います。男の名誉の問題です」と満場に聞こえ渡るような声で言った。

    日下先生は、「男は十分な金を払った上での、合意の商行為だったのだから、問題はない」と日本国民に忖度したかったのである。

    それでは、なぜ米国ではなく、日本か?と言うことになるが、日下先生はこう説く。「アメリカはヒスパニック層がもう五千万人にも達し、人口比でいうと十六%まで増え、純粋な白人のエリート層と言えるWASP(ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)は減少の一途をたどっている」

    その結果、ごく一部のエリート層がアメリカを支配することになり、連邦政府の統治は揺らいでいる、と解説する。

    いくら、黒人のオバマ大統領が「チェンジ」といっても、変わらないわけはここにある。

    したがって、「これから日本の時代が来る」というのだが、具体論については、各自この著書を読んで欲しい。面白かったです!!!Long live Mr.Kimindo
    Kusaka! You are a treasure of Japan.

  • 日本はこれまでいいことばかりして悪いことはしていないという実績に加えて、万国が共通に認める理念や思想を力強く語っている。実力がある国が話せば、それは世界に広がる。それはただの発信ではなく、新秩序か新理想の提案になる。日本はもうそれだけの大国になっている。日本人には世界に類を見ない勤勉と才能がある。日本人自身が貴重な資源であれば永遠に不死鳥として羽ばたけるのである。いよいよ日本の時代が幕を開ける。

  • 読んでて勇気付けられるのだが、真に受けていいのか一抹の不安がある

  • 昨年末(2014)に発刊された本で、今年(2015)になって初めて読破した本です。本が出ただけで中身も見ないで買ってしまう著者が数人いますが、そのうちのお一人で、もうかれこれ20年はお世話になっています。

    語り口、切り口は鋭いままですが、お写真を拝見すると、お年を召されたなと感じてしまします。そういう私ももう50を超えましたので。

    この本は、一説では2015年から本当の21世紀が始まると言われているように、今年から新しい時代が始まる予感を感じていますが、それに合わせたような内容で、いよいよ日本の時代がやってくる、という今の閉塞されたような気分になっている日本人には元気を与えてくれるタイト・内容です。

    日下氏は素晴らしい点をいくつも挙げていますが、特徴的なものに、今の一般の若者は、アニメ・ゲームで鍛えられているので、この本の言葉を借りると「想定力」があるそうです。

    私なりに解釈すると、答えがないものに対して、自分で取り組んでいく力でしょうか。大学までの受験勉強は全て「解答」のあるものですが、実社会ではそうではありません。その力はアニメやゲームで鍛えらえるということでしょうか。

    私には娘がいますが、ゲームや漫画を禁止されていた私の親の教育方針を採用せずに、日下氏の考え方を採用しています。これが吉と出るか凶とでるか現時点ではわかりませんが、少なくとも私の全然理解できない世界を熟知している彼女たちは頼もしさをも感じます。

    以下は気になったポイントです。

    ・現在の世界は静かである、その原因はアメリカにそれだけの活力がなくなってきている。経済統計が上向いているのは、金融統計のせい。トンや人数ではなく、最後はドルになるような財政金融の統計のみが良くなっている(p20)

    ・経済力が衰退しているのは働く人間がいなくなっているから、労働力の中心である中流がいなくなっている(p22)

    ・中国の共産党一党支配はいずれ崩壊する、中国の経済発展は、日本が中国とのつきあいを止めたら止まる(p34)

    ・戦前の朝鮮は非常に貧しかった、住所を聞けばすぐにわかるほどの差別があった、従軍慰安婦になった女性は大抵、被差別部落の出身。そこで募集できるのは現地の人(p49)

    ・沖縄返還の見返りとして、日本の繊維産業は機械を潰せといわれた。その代り政府は、繊維業界へ救済融資、追加救済融資を合計2000億程度やった(p57)

    ・アメリカ大統領が何もできなくなっているのは、アメリカがもはや白人以外の有色人種が50%以上を占める国になったから。(p59)

    ・日本の金融機関はこれまで投資先は国債だけだったが、日本株を買い始めている(p66)

    ・4000万円以上の貯蓄を持っている世帯が全体の11%、貯蓄額の44%、一方で100万円未満の世帯も10%いる(p71)

    ・安倍首相は、日本は聖域なき関税を撤廃するから自動車の関税も撤廃せよ、と迫って、オバマ大統領の苦しそうな様子もテレビに出たが、マスコミは報道しない(p85)

    ・食糧自給率はカロリーベースでは40%切ったが、生産額ベースでは69%、高価商品は圧倒的に自給自足、米もほぼ自給自足、小麦・油脂類を輸入している(p87)

    ・安倍首相はネーミングしてないが(そうしないとマスコミは取り上げない)第4,5の矢を放っている、防衛問題や外交関連(p89)

    ・日本のよさを認めて真似する国は本当によくなる、けちをつける国はどんどん没落する(p94)

    ・今後、頂点に達した権威(東大を頂点とする大学制度、最高裁判所、外務省などの官僚組織、日本銀行など)は必然的に落ちていく。日本の歴史を見れば明らか(p99)

    ・明治12年(1879)までに、153の国立銀行が設立されて、それぞれが紙幣を発行。信用度の違いにより紙幣の相場も異なり不便だった。そこで一元化するために日本銀行が1882年に設立された(p101)

    ・大使館は149か国あるが、総領事館は60ある。相手国との交渉権はないが、自国民や自国企業への行政業務、手続き、相手国国民に対するビザ発給、文化交流などを行っている(p115)

    ・日本人は、金をつかって、中国へ留学生を出して、書物・学問・文化・芸術を買った(p119)

    ・日本は敗戦によって、それまで海外投資の巨大な資産を全部置いて帰ってきた。ポツダム宣言には「置いて帰れ」とまで書いていなかった。侵略によって儲けたものを返せ、と言った。投資したものについては、「カネを払え」と要求できた(p123)

    ・日本には、奥州砂金、石見銀山等の天然資源もあるが、その奥にあるのは、日本人の勤勉と創意工夫、芸術心である(p123)

    ・欧米はかつての植民地に利権があるので、それを接収されないように援助している、日本はそれとは関係なしに行っている(p126)

    ・ゼロ戦は1939年の設計で、当時の新技術を世界中から買い集めてつくった。制式採用は1940年だから零式と呼ばれる、ライバルのF4Fは1938年設計である。(p141)

    ・いまの若者は、アニメ・マンガで鍛えられているので、想定力が鍛えられている人が多い、官僚や大企業に入るエリートは頭が固くなっていて想定力がない(p148)

    ・ソ連邦が崩壊した原因は、自分で技術開発、商品開発ができない、自分で工場や会社をつくれない、マネならできるという状態だったから(p158)

    ・国連会議で日本の首相が演説するときは、日本の漫画やキャラクターを持ち出して話せばいい(p162)

    ・日本の漫画の多くは最後はみんな仲良しになり、手を取り合うハッピーエンドが多いので、世界平和を訴えるにはもってこい(p163)

    ・中国人がドラえもんを見て印象に残っているのは、子供が二階に自分の部屋を持っている、入ってくるのは掃除のときくらい、親が子供に要求するのは「勉強しろ」程度(p164)

    ・欧州では、店側がお客を選ぶが、「おもてなし」の精神はお客を選ばずに、どんな人にもおもてなしをする、これが革命的(p174)

    ・和食文化が2013.12にユネスコ無形文化遺産として登録、食に関しては、フランスの美食術、地中海料理(スペイン、イタリア、ギリシア、モロッコ)、メキシコ伝統料理、トルコの麦粥料理についで5番目(p174)

    ・産業革命をきちんと通過した国、イギリス・ドイツ・フランス・アメリカ・日本くらい、スターリン時代のソ連もやったかも。イタリア、スペインはやったふり(p180)

    ・産業革命が終わった後も何かやり続けている国は、ドイツと日本程度、世界の主役になれるのはこの2国だろう(p181)

    2015年1月4日作成

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著者プロフィール

1930年、兵庫県生まれ。三谷産業株式会社監査役。日本ラッド株式会社監査役。東京大学経済学部卒。日本長期信用銀行取締役、(社)ソフト化経済センター理事長を経て東京財団会長を務める。ソフト化・サービス化の時代をいち早く予見し、日本経済の名ナビゲーターとして活躍。未来予測の正確なことには定評がある。『いよいよ、日本の時代がやってきた!』 『日本人への遺言』(渡部昇一氏共著)『日本人への遺言partⅡ 「和の国のかたち」』(渡部昇一氏共著)『反核愚問』他多数有り。

「2018年 『「発想」の極意 人生80年の総括』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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