那覇の市場で古本屋―ひょっこり始めた〈ウララ〉の日々

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著者 : 宇田智子
  • ボーダーインク (2013年7月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784899822417

那覇の市場で古本屋―ひょっこり始めた〈ウララ〉の日々の感想・レビュー・書評

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  • 確か、ジュンク堂での平積みで見つけた1冊。
    いわゆる“沖縄本”で、沖縄地場の出版社が編んでいます。

    著者の宇田智子さんは元は横浜の大型書店で働いていたそうですが、
    沖縄出店に伴って異動し、何故か古本屋を営むようになりました。

    その経緯がなんとも自然体で描かれていて、しっとりと入ってきました。
    そして、沖縄・出版事情の裏側が見えてくるようで、非常に興味深くもあります。

    なお、この本を読んでしばらくしてから、お世話になった友人が沖縄に転勤に、
    たおやかな本好きといった風や、自身が望んでの沖縄入りといった共通点など。

    自然体で頑張ってほしいなぁ、、とのエールをこめて、
    押しつけ、、もとい一緒に旅立ってもらいました。

    また、その友人さんが、沖縄の読書時間の平均は一番少ないとも言ってまして、
    これが地場での出版社が多いことと矛盾しているようで、非常に気になります。。

    現地調査?という名目で、たまには沖縄本島もぶらついてみたいですね~

    “沖縄時間”という言の葉があるのかはわかりませんが、
    本土とは異なった時間や空間が流れているなとは感じます。

    この辺は、久米島の原風景を持つ佐藤優さんともリンクしそうです。

    なんとなく、東北やアイヌの“まつろわぬ”人々と同じく、
    狭義での“ヤマト”とはまた異なる“エトス”を根底に持っているのかな、とも。

    異国情緒と言うほどには遠くなく、でもどこか違った感性が散りばめられていて、
    沖縄の時間に包まれて、こんな風に本に囲まれるのであれば、幸せだろうなぁ、、なんて。

  • 著者の意図とは完全に異なると思うけど、ぼたぼた涙を流しながら読んでいる。あまりにも共感するから。

    憧れて移住、ではなく異動でひょいっとやってきて半年。文化の違いに驚かされ、立ち上げでめまぐるしく仕事に忙殺され沖縄らしさには触れることもなく。でもふと思う。将来、『沖縄に行って住んでたこともあって』ぐらいの経験にしたくない。ちゃんと好きになりたい。

    感極まって勢いあまって読んでる途中に泣きながらウララまで行ってみたけど閉まってたーーっ!笑

    挙動不審な客にならずに済んで良かったです。

  • ジュンク堂書店に入社し、池袋本店で人文書を担当していた著者。
    沖縄那覇店開店に異動を願い出て沖縄へと旅立つ。
    そこで、沖縄のいろいろな人と出会い、やがて知り合った個人書店からお店を譲り受け、古本屋を始めてしまう。
    沖縄の人たちや、東京のジュンク堂でのつながりが羨ましい。
    まだまだ途上の<市場の古本屋 ウララ>が、どんな出会いと絆を結んでいくのか楽しみです。

  • ほんわかな文章の雰囲気がいい本でした。
    この人、文才もあるかも。

    トナリの業界のわけだがよく知らなかった書店の世界、古書の世界を少し知る。
    そもそも著者の雰囲気がほんわかなのだが、けっこうなやり手なのだと思う。
    やはり「あの著者」と対談させたいか?

    著者の店のあたりは、沖縄に行くたびにさんざん歩いた道。
    沖縄本からはここのところ遠ざかっていたが、
    また行くときにはぜひ寄ってなにか買おう。

  • 本書の著者宇田智子さんの「本屋になりたい」を先に読んでしまった事を激しく後悔した。
    こっちから読みたかった。

    沖縄旅行に行った。
    「市場の古本屋 ウララ」で本書を購入。
    本書を読了後沖縄に行っていればもっと満喫できたと想像し得る、日常の国際通り周辺の出来事も満載だった。

    沖縄県産本の魅力を十分に納得して思ったのは、わが町の郷土本も読んでみるべきだと思った。

  • ウララの宇田さん。
    直接お話を聴かせていただくのとは違う
    ゆったりとした流れでしっかりと選ばれた言葉が並んでいて楽しかった。

    またちょっかいかけにいこうと思う。

  • 「那覇の市場で古本屋」という本。
    こちらはボーダーインクという沖縄の出版社が出している。

    ボーダーインクという出版社のことも初めて知った。
    沖縄にはこうした独自の出版社をはじめ、県産本、地域独自の本が多数ある、という。

    こうした本は、発行部数が少ないこともあり、すでに絶版となっている本が多数あるという。
    そのため、ジュンク堂のような大型書店でも拾いきれないほど、点数も多く、新刊では出回っていないという実情もあるそうだ。

    著者が大型チェーン店の本屋から、わずか3坪の小さな、市場の雑踏のなかにある古本屋に転身したのもそうした沖縄独特の事情もあるのだろう。
    また、それ以上に著者は沖縄独自の本の世界に惹かれていったのだと思う。偶然、前のオーナーがその古本屋を閉めるというめぐりあわせも含めて。

    本書を読むと、あまり前面に出るタイプではない著者の性格が、淡々とした日常をつづる文章から感じられる。
    日々せわしく人が行きかう市場を、小さな古本屋の女店主が見つめ、描いていく。

    沖縄の古本屋のつながりの強さを感じる。
    小さな規模の組合、独自の文化の発達した土地ならではの本の流通、そのなかでの協力や共有があって、小さな古本屋を営むことができているのだと。

    それは、大型書店の書店員として働いていたときから、本を通して沖縄の人との縁を深め、また沖縄の独特の本屋の雰囲気を敏感に感じ取った著者の人柄と嗅覚が、そのつながりを強くすることを助けているのだと思う。

    小さいながらも、真摯に本と向き合い、「本が好き」ということを仕事にしている。

    ぜひ、沖縄に行ったときには訪ねてみたい。

  • いいなぁ。ものすごく憧れる。
    なんとなく力の抜けた感じで、地に足ついて本屋をやっている様子がやわらかく綴られる。
    ゴリゴリしてる訳ではないんだけれど、本との向き合い方、沖縄との向き合い方も、すごく真面目な方なんだなぁと思う。本への愛情も、じわわとつたわってくる。
    こんな感じで暮らしていけたら幸せだなぁと、シミジミ。

  • 台風が沖縄を襲った。〈ウララ〉さん大丈夫かな。
    昨日、図書館で見つけた本。本でつながってる気分。心配になった。

    市場での古本屋さん。かっこつけてないありのままの日々。綴られている言葉は、飾りっ気がなくてやさしくて、ゆるゆるしてて。古本屋さんて、店主さんそのものなんじゃないかな。
    きっと〈ウララ〉に流れる空気感とか性格とか店主さんそっくりなのかも。

    大変なことも当たり前にあるのだろうけれど、でもやっぱり古本屋さんが大好きだって気持ちがいっぱい詰まっている。それは前面に押し出されているわけでもなく、
    勿論計算されているわけでもなく、滲みでているもの。

    古本屋になろうかな。みんなやっているし。

    なかなか思ってても出来ないよ。でも、これが〈ウララ〉の始まりで。やっぱり〈ウララ〉っぽいのかもなんて思ってしまった。

  • なんとなく、その時の想いに影響を受けて流されてゆくような筆者の日常を描いているようだけれど、大手書籍店の人文担当をこなしてきただけの知識と背景をもって、筆者の今がある。 何となくその時の選択をしているようだけれども、著者の知識と経歴がよりよい方向の将来に彼女を導いているようにみえる。 流されながらも意志の力がきちんとはたらいて生きている著者の生き方に共感と憧れを感じた。 この先、著者とその周りはどのように変わってゆくのだろうか。 どうか著者をはぐくんだ那覇を拠点に今後もささやかな情報を発信していってほしい。

    読んでいて気持ちの安らぐ心地よい一冊だった。

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那覇の市場で古本屋―ひょっこり始めた〈ウララ〉の日々の作品紹介

日本一大きな新刊書店の書店員から日本一狭い古本屋の女店主へ。三畳の帳場から眺める日々の切れはしを綴ったエッセイ集。「ジュンク堂那覇店が開店するときに東京から異動してきた私が、その二年後にひとりで古書店を始めるとは、自分でも思いもしなかったー」。
市場通りは行き交う人も本もおもしろい。三畳の帳場から眺める、日々の切れはしを綴ったエッセイ集。

那覇の市場で古本屋―ひょっこり始めた〈ウララ〉の日々はこんな本です

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