逃れの森の魔女

  • ネオテリック
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  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784899980032

感想・レビュー・書評

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  • 似鳥鶏さんの「レジまでの推理」に出てきた一冊。
    ヘンゼルとグレーテルの魔女を主人公にしたパロディ。とは言え、ヘンゼルとグレーテルが登場するのは後半から。
    前半は魔女になった経緯やお菓子の家を作り始めた意味など。切ない寄りでした。

  • 「実は悪役にも、致し方ない事情があってね」と、おとぎ話などを改変するのが、正直あまり好きではない。
    事情があろうとやったことはやったことだし、事情など関係なく悪行を行う人間は現実にたくさんいる。
    しかし、今作は「ヘンゼルとグレーテル」の魔女の過去を創作しているのだけど、魔女狩りと絡めてのことなので、安易な改変とは少し違って感じられた。
    執政者や「世間」の都合で、魔女とされて人が殺されてきた実際の歴史と、おとぎ話を上手く絡めていると思う。
    ただ、前半に比べて後半の、肝心のヘンゼルとグレーテルが出て来てからが弱く思える…ヘンゼルとグレーテルを下敷きにしなくても成立したのでは…。

  • ヘンゼルとグレーテルに出てくる魔女のお話。
    どうして魔女になったのか…悲しい女の話です。
    悪魔を召喚とかよくわからないのも多かったけど。

    前に読んだ本にこの本のことが出てきたので読んで見ました。

  • 金原瑞人オフィシャルホームページ内「トーハン通信 第9回」(http://www.kanehara.jp/osusume/tohan/tohan1.htm#anchor9)をきっかけに。

    ヘンゼルとグレーテルのパロディ。もっともパロディというよりも再解釈に近いかも。
    読み始めはどうつながるのか全く分からなかったが、だからこそ、我々の知るヘンゼルとグレーテルの話に近づいた時の魔女の気持ちがより伝わってくる。
    愛情もあって、人を救っていたからこそ、悪魔にとりつかれても森に逃げて。それでお菓子の家を作る点にヘンゼルとグレーテルのある種の抜けを合理的に補完していると思った。サラマンダーだからこそ痛みを感じずに死ねて、そこは救いだとも思った。
    宝石で物語に色合いを付けながらうまく語られていると思った。女性中心で語られ、グレーテルが姉としてふるまうことも思い返せば違和感だが、読んでいる間は気にならなかった。
    再解釈の面白さを感じさせる作品。

  • 今までずっと悪い奴だと思っててごめんよ、魔女。面白かった。

  • グリム童話「ヘンゼルとグレーテル」の「お菓子の家の魔女」を主役にしたパロディ本です。
    悪いと思われていた人は実は・・・という、パロディの典型的な手法の一つがとられ、
    如何にして「お菓子の家の魔女」になり、何故グレーテルに殺されるに至ったか?
    を描いた悲しい物語です。
    童話を元ネタにしているだけあって、描写のレベルも童話と同じくらいになっています。

  • 古典童話を現代的な心理描写テクニックを使って再解釈したシリーズ第1弾。モチーフはヘンゼルとグレーテルだが、主役はお菓子の家に住む魔女。
    「何故、神を信じ一人娘を愛して人々のために働く善良な女治療師が、魔女として呪われるようになったか?」と言う話になっている。被差別者である魔女の苦しみがみっちり描いてある点がよい。

  • ヘンゼルとグレーテルの魔女は、なぜ一人森の奥のお菓子の家に住んでいたのか?魔女の生涯をさかのぼって語った悲しく美しいお話。

  • 童話の「ヘンゼルとグレーテル」のパロディ。
    醜いけれども、心の美しい産婆が、悪魔にだまされて魔女になってしまう。「ヘンゼルとグレーテル」のあの怖い魔女の視点で、淡々と書かれていました。魔女になって、ヘンゼルとグレーテルに殺されるところの心境までかかれていました。
    淡々とした文章に美しい情景描写が内容とミスマッチな感じで、余計かなしかった。あと、挿絵もよかったです。すぐに読めたよ。

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