- Amazon.co.jp ・本 (108ページ)
- / ISBN・EAN: 9784900845282
感想・レビュー・書評
-
ニーチェの生涯とニーチェ哲学について簡単に知ることができる本。アフォリズム(短い文で自分の考えを力強く伝える)を多用するニーチェの哲学は正直何を言っているのかさっぱりわからないが、解説とニーチェがどのような生涯を送ったのかを理解することでその真意を読み取ることができる。
すべての人間が持っていると主張する「力への意思」、奴隷的道徳であり人類を弱体化させるキリスト教的道徳の批判は反論しづらく確かにそうだと感じるものの、これらを受け入れニーチェが言う超人を目指し生きていくことは相当なメンタルの持ち主でないときついのではないか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
まあ、「90分でわかる」のはこの程度か。情報が少なすぎて初心者向けとも言えない。
-
勢いで買ってしまったツァラトゥストラに手をつける前に、ひとまず前知識を得るために読みました。
薄いので読むのに時間がかからないのがこのシリーズの一番のメリットでしょう。
内容もそのページ数に見合った程度のものになりますが… -
「道徳を説く梅毒野郎に気をつけろ」
童貞ニーチェは現代思想の先駆者だった。
キリスト教全盛期、反ユダヤ主義の時代、ニーチェは全く違うことを考えていた。
「神は死んだ。」「ファシストを軽蔑。純血ゲルマンを鼻で笑う。」
と今ではオカしいと思われることをこの時代で先駆的にニーチェは考えていた。
童貞ニーチェは売春にはまった。そして梅毒をもらった。以降性交は少し自粛する。
その後、ショーペンハウアーの悲観主義に感化される。この悲観主義を越えなければならない。
そして、ある1つの到達点を迎える。
「生への意志とは、権力への意志」だ。
「超人」にならなくてはならない。それ以外はクソだ。
道徳的観念や宗教など、自らを戒める考えを捨て、権力への意志を突き詰めるものこそが「超人」になれる。
そこで、繋がる。
「神は死んだ。」
他の思想に惑わされてはいけない。
お金のため。良い女を抱くため。奴隷は市民に。市民は貴族になるため。すべての生は、権力への意志なのだ。
自分は梅毒持ちで、男尊女卑で、変態プレイ好きで、自信過剰で、なんでこんなに頭が良いんだろう?と考え、安いレストランで飯を食い、安い部屋を借り、散歩が趣味な同じ愚民というところがニーチェの愛されるべきところだ。 -
ポール ストラザーン氏の「90分」シリーズ。
超人の思想を説いたニーチェの個人的なエピソードなど、「へぇ」なところをいろいろと紹介して、思想と関連付けているのが面白い。
ニーチェ、体弱かったのね・・・そこまで苦しんでたらたしかに、「人生など無意味だ」になってくるわ。
あと、ニーチェのアフォリズム的な書体が、彼の長い散歩の習慣から生み出されたことなど、なるほどと思った。
僕も、散歩しながら考えが浮かぶことが多いので・・・。
でもって、あれは「心理学」でもあったようで。
ニーチェの言葉は様々な矛盾を含んでいるため、単なる「キリスト教の敵対者」「ナチスの思想」「神を殺した思想家」というレッテルでは見ることはできない。
単なる馬鹿みたいなニーチェ崇拝者もニーチェ否定者(批判者ではない)も危険であることに変わりはない・・・。
著者自身も「ツァラトゥストラ」の超人像は、漫画の「スーパーマン」とは違うといいつつも、それにまったくもってふさわしいとか言ってたりする。 -
哲学は敬遠されがちですが、哲学者の人となりが詳しく書かれており伝記のようで分りやすい。90分でわかるシリーズには他にもウィトゲンシュタイン、カントなどがあります。
-
09016
-
秩序を重んじる古典的な要素、明晰なアポロン的要素。もう一方では本能に駆り立てられた暗黒の力、ディオニソス的な力。
ナチスがニーチェを公式哲学者に祭り上げたとき、狂気の領域に足を踏み入れたのはナチスであって、ニーチェが狂気に染まったのではない。 -
細川選。
「道徳を説く梅毒野郎に気をつけろ!」だそうです。気をつけましょう。
うちの部にはその類がいっぱい居ますから。