小説作法

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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784901142670

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で。
    ハルチカを読んでいたらこの本が紹介されていたので興味を持って借りてみました。アルコール依存症の時の話はそれほどなかったような…?

    中々大変な生い立ちの持ち主だなあということと、緻密に考えて小説を作り上げているんだなあということがよくわからいました。まあどの分野でもそうなのでしょうけれどもその道で食べて行くということは大変な努力と勉強とそして根気が必要だということなんでしょうね。別に小説家になりたくて読んだわけではないですが文章は簡潔に、とか無駄を省いてわかりやすくとか中々勉強になりました。
    読んでいて悪文の例には結構クスリと笑わせていただきました。面白い…訳ではないですがこんな風に建造物のように文章というかお話というものは作られていくんだなあということが理解できて面白かったです。

  • 著者自身の半生と小説作法が書かれている。
    一番言いたかったのは「作家を志すならば、何を措いても怠ってはならないことが二つある。よく読み、よく書くことである。」だろう。「よく書き、よく読む」のでは決してない。日本の作家でも耳が痛くなるひともいるだろう。小説について文学について教われるところ多数であった。文章では副詞はできるだけ使わない、ことなどである。線を引きながら読んだ。

  • 小説を書かない人も読んで面白いかと。キング氏の半生を読むだけでも感慨深いところがいくつもあるし(文字数の制限上、割愛)。キング氏に言わせれば文章とは『テレパシー』であるそうだ。そのために、如何に読者に伝わりやすい文章・小説を書くかなど、小説創作に役立つことがシラシラっと書いてある。『文章の極意は、不安と気取りを捨てること(p.145)』であるそうだが、人生もそうかもしれないなあ、と、『いやなに、ふと思ったまでのことである(p.34)』。アル中だけにはなりたくないや。

  • キングのエッセイ!それは買うわ!読むわ!という勢いで買った本。良かった。キング好きだ!
    小説を書くこと。
    妻との出会い。
    子供のこと。
    事故にあって。

    大作家としてのキングだけではない、人柄や生き方や考え方や、色々な発見があって、良かった。
    小説だけじゃなくて、あとがきのような短い文も好き。やっぱりエッセイも好きだった。キングが好きだからだ。

  • キングファンおなじみのエピソード満載。キング自身の筆でさらに詳しく書かれています。短編集にちょろっと付いているだけの、キングのあとがきや解説が好きな私には、とってもうれしい構成でした。「ミザリー」や「スタンド」の制作秘話、あの事故の詳しい経過、タビサ夫人とのなれ初め(ノロケあり)など…。
    「キャリー」以前の苦労話に、勇気づけられる作家志望の方も多いのではないでしょうか。

  • スティーブン・キングが小説作法について初めて書いた本。
    さすがに読ませ方を心得ていて、全体の半分くらいは自伝になっているので、
    書き方に興味のない人でもキングに興味があるなら楽しめる。
    これを読んだ後は彼の書いた本が読みたくなります。

    また、1999年に日課の散歩中、
    車に撥ねられて五週間執筆が中断したことにも触れられていて、
    丁度その大怪我を負ったときに執筆していたのが本書で、
    この本を仕上げるまでにずいぶん苦労したそうです。

    印象に残った言葉があるので、いくつか引用する。
    ・私は遅読だが、それでも、一年に七、八十冊は読む。
    ほとんどは小説である。

    ・まずは「知っていることを書け」を可能な限り広く、
    かつ包括的に解釈することから取りかかればいい。

    ・構想を練ることと、
    作品の流れを自然に任せることはとうてい両立しない。
    ここはよくよく念を押しておきたい。
    作品は自律的に成長するというのが私の基本的な考えである。

    ・これは体験してみなければわからないことながら、
    作中、人物が自律して奔放にふるまいはじめた時の楽しさといったらない。
    そうなれば、作者は心の悩みも晴れて、あとは一瀉千里である。嘘ではない。

    ・文学は、つまるところ(中略)幸福の探求だ。これこそが書くことの意味である。

    [2000年、アメリカ、348P]

  • 「文章の極意は、不安と気取りを捨てることである。名文と悪文を区別せずにはいられないことにはじまって、気取りそれ自体が小心者のふるまいだ」

    「私の場合、短編であれ、長編であれ、小説の要素は3つである。話をA地点からB地点、そして大団円のZ地点へ運ぶ叙述。読者に実感を与える描写。登場人物を血の通った存在にする会話。」

    「私は自分の作品で人物の外見に言葉を費やす必要をめったに感じたことが無い。……読者が物語の世界を実感するためには、登場人物の身体的特徴よりも、舞台となっている場所や、そこに漂う空気を伝えることの方がずっと大切である。」

    「小説においては、見せることが出来るなら語るな、が鉄則である。」

    「優れた小説は必ず、物語に始まって主題に辿り着く。主題に始まって物語に辿り着くことはほとんど無い。」

     20~21世紀最大のミステリーホラー作家の至言である。小説をどう書くかについては、他のハウツー本と同じキングも基本は「読みまくれ、書きまくれ」であるという。読み、書くことは作家にとっての基礎体力なのであろう。

     その上で、キングは手厳しく、「所詮才能の無い作家は何をやっても駄目」であるという。何年やっても教えるのが下手な教師がいるのと同じで、そこには決定的に作家として無能な人がいる。

     小説作法は折ある毎に読み返すことが多い。

  • 【読みたい】
    野口 悠紀雄『「超」文章法』より。

    P138-146は必読。

  • 他の小説指南本とは一線を画した内容。素晴らしいです。

  • 「文章とは一語一語の血の滲むような積み重ねである」
    キングが原作の映画はどれも好きです。日本語訳された原作は何冊か読みましたが、彼の描写は「正しい」と思います。
    それから、本書の翻訳がダメだとかのコメントはありますが、私はそれほど気になりませんでした。

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著者プロフィール

1947年メイン州生まれ。高校教師、ボイラーマンといった仕事のかたわら、執筆を続ける。74年に「キャリー」でデビューし、好評を博した。その後、『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを叩き出し、「モダン・ホラーの帝王」と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』など。「ダーク・タワー」シリーズは、これまでのキング作品の登場人物が縦断して出てきたりと、著者の集大成といえる大作である。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

「2017年 『ダークタワー VII 暗黒の塔 下 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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