追悼の政治: 忘れえぬ人々/総動員/平和

  • 月曜社
2.75
  • (0)
  • (1)
  • (2)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 28
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784901477147

作品紹介・あらすじ

本書は、ユンガーの政治的エッセイの中でもとりわけ論争の的となっている四篇「忘れえぬ人々 まえがき/あとがき」(一九二八年)、「総動員」(一九三〇年)、「平和」(一九四五年)を「追悼の政治」というテーマの下に独自に編集した、オリジナルのエッセイ集である。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • あらゆる民族の統一という憧憬はわからなくもない。国境は流通を妨げ、故に局地的な不平等を齎す。歴史的多様性を保護しつつ、領土政策的統一をなさねばならない。それには戦争という治療が必要と、つづめれば平和のための戦争を肯定している。これじゃどれほど煌めきある洞察をしていようと全くダメ。きもちわるい。ユンガーは長生きした(享年103)。後に彼の政治思想が修正されたことはざっくり解説に触れるのみ。ただ、時代の体験者と未体験者との隔たりがあるのかもしれない。体験者であるユンガーの大きな悲哀を感じずにはいられなかった。

  • 「総動員」の途中まで読んだ。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

ドイツの思想家、小説家、ナチュラリスト、軍人。1895年、ハイデルベルクのプロテスタント家庭に長男として生まれる。1914年、第一次世界大戦に志願兵として出征。西部戦線で戦い、1918年プロイセンの最高勲章プール・ル・メリットを最年少で受賞した。1920年、戦記の傑作『鋼鉄の嵐』を出版。その後、賠償に喘ぐ敗戦国ドイツの復興をめざす〈保守革命派〉に身を投じ、マルティン・ハイデガーやカール・シュミットらの共感を得た。ナチス政権誕生を予見する『労働者』を書いたが、ヒトラーが独裁を確立するや距離を置き、森に隠棲して昆虫採集などに没頭する。1939年に書いた小説『大理石の断崖の上で』が後に〈抵抗文学〉として評価される。同年、国防軍に復帰してパリに進駐。戦後の欧州再生ビジョンを記した秘密文書「平和」は反ナチスの軍幹部に回覧され、1944年7月のヒトラー暗殺計画の支柱となった。戦後は「20世紀のゲーテ」と呼ばれ、日記、エッセイ、小説、往復書簡など旺盛な執筆活動で1982年にゲーテ賞を受賞した。1985年、ユンガーの名を冠した昆虫学賞が創設された。1998年、102歳で死去。

「2019年 『ガラスの蜂』 で使われていた紹介文から引用しています。」

エルンスト・ユンガーの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×