ガセネタの荒野

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著者 : 大里俊晴
  • 月曜社 (2011年7月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784901477864

ガセネタの荒野の感想・レビュー・書評

  • どす黒く渦巻き内に向かう情念に取り憑かれ、それを音として出し続けたバンド、ガセネタ。まるで熱病のようなバンド活動期を通過し、癒えた(もしくは病んだ)著者の回顧録。
    恥ずかしながら、ガセネタの音楽は聴いたことがないのだけれど、スピードを出しながら否定し断定し分裂を続ける著者の語り口にバンドの音の一部を垣間見たような気がした。

  • 感想を述べる、というような悠長なことがこの本に対してうまく出来るとは思えない。しいて言うなら、相対的にみて自分がこういう言葉に対して今どの距離にいるのか、つまり不快なのか快なのか、憧れるのか嫌悪するのかなど、の思いを巡らせてみることくらいしか出来ない。が、それにも然したる意味はない。
    でも、こちらにも速度を強いられるような本だとは思う。ひとつの文ごとに新たな刺激や問いや、断定が現れて、こちらも判断し続けなければならない。

    「紋切り型」を避けようとする行為が速度や過剰につながっている感覚は少しわかる気がした。
    今や(昔も?)、「紋切り型」から出るなんて不可能だという自明の事柄に抗うのは不敬であるというような風潮があるように思える。歴代のスゴい作品も知らずオリジナルを求めるなんて馬鹿げてる、みたいな。リメイクや復刻やオマージュというような作品形態は増加しているし。
    もちろん、「ガセネタ」がオリジナルと呼ばれるようなものを求めたなんて結論の方が馬鹿げてるわけだが(何故ならオリジナルを求める、という行為そのものが紋切り型だから)、そうではなくて、みたことのない地点にいくためには、一瞬毎を全て闘い続け、判断し続けなければならない。それが速度であり過剰、という気がする。
    今この瞬間を意識し続けて、そして、意識しなくてもいい瞬間を待っているような感じがした。

  • なんて高潔で退廃した精神の持ち主なんだろう!
    70年代後半にアンダーグラウンドで活動していたガセネタというバンドの回想録。
    人に勧められてわけもわからず読んでみたら途轍もなく面白かった。
    バンドマンたる者、他人のやってる事はクソ、自分のやってる事だけが最高と思うものだが、それを極限まで高めしかもほとんど全く客観視する事なく突き進む。
    これを高潔と言わずしてなんと言う。

  • これは青春小説だと思う。自意識の撒き散らしっぷりがすばらしい。

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ガセネタの荒野の単行本

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