明るい食品偽装入門

著者 :
  • サンガ
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本棚登録 : 56
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (141ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784901679930

感想・レビュー・書評

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  • 皮肉の込められた表題ですが、安い食材を工夫して、高級食材顔負けの料理を作る内容です。
    安いお肉で霜降り肉を作ったり、麩を使って豚バラ肉をカサ増ししたり、卵黄からカラスミもどきを作ったり。
    けっこう手が込んでいたり、特定の地域でなければ手に入りにくい食材を使っていたりもしますが、真似してみようと思うアイディアも多々あり、でした。

  • ややアクというか皮肉が強いかもしれないけれど、こういう偽装はよいでしょう。
    食に対する探求心が仮説となり、やがて調理へと。
    だけど、ルーツを辿るとどちらがそもそもなのかわからなくなるものもありますね。
    魚柄さんの著書全般に言えるのが、日本人向け、日本の古来の食品に寄り添っているところ。日本の風土と人の身体にあっているのではないかなと思います。

  • 「家庭でできる霜降り肉の作り方」が載っている、とある質問サイトでこの本が紹介されていた。面白そう、と思って図書館で借りて読んでみた。

    さすがは魚柄さん、ひねりのきいた“偽装”あれこれが面白い。ニセウニ、偽装からすみ、偽フォアグラなどなど。
    読む分には面白いけど、いざ作るとなると分量や時間がアバウトなので、ふだんきっちりした料理本を読み慣れている人にはちょっと辛い。

    また、地方にしかない凍み豆腐や麩など、手に入りにくい材料が多いのもややハードルを高くしている気がする。

    面白く読んで、少しでも気になるものがあったらトライする、というのがこの本の正しい使い方かも。

    ペットボトルの緑茶を自分で作る、というのと豚汁の材料を全部干してストックしておく、というのは試してみたい。
    一番作りたかったのは偽シャンパンだが、これにはソーダサイフォン(1万円ほどする)が必要だった。残念。

  • これ読むと、ペットボトルのお茶が偽装だってことに氣づきます(笑)

    油麩の偽カツどんは作ってみたいと思いました。

  • 明るく消費者を騙そう、という本ではもちろんなくて、誰かを糾弾するものでもなくて、安い食材、好きな食材でそれっぽいものが出来ちゃうよ、という、かなりくだけた本。
    牛肉の霜降りってこんな風にできちゃうのね…。
    今年は鰻が高値で、鰻売り場の横に豚肉や秋刀魚の蒲焼が売っていた。それの、もっと高度なやり方みたいな本なのだけど、でも本書もいっているように、本物ってなんだ? 自分が決めた本物を信じろ、という力強いメッセージ。
    といいながら、「偽フォワグラ」「偽装からすみ」などと命名しているところが、まったく明るい。偽装からすみ、食べたい。

  • んー、まあまあ面白いけど、食品偽装と言うほど偽装していないし、そのわりに中途半端にうんちくが鼻につくし。
    ふっ切れ度が足りない。
    スタンスがはっきりしていない。

  • 図書館で借りた。

    表紙はカツ丼のように見えるが、実は油麩をカツ丼のように卵とじしたもの、といった感じで偽装するレシピを紹介している。

    豚の角煮に輪っかの麩を入れて3枚肉っぽく見せたり、大豆でチーズっぽいものを作ったり、楽しい内容になっている。

    偽装した食品に対して、それは本当の〜ではない、と言う人に著者が返す言葉は、それが本当だと誰が決めたの?
    確かにその通りで、ものがおいしく食べられればそれでいいと自分も思う。

  • 5月23日読了。手作りでウイスキー・シャンパンを作ったり、豆腐・麩で肉を代用した料理を作ったりとヘルシー・安価・楽しい著者の工夫料理が紹介される。既出の本にて紹介済みの内容のまとめという色彩が強いが、実物のおいしそうな写真が多数掲載されており、見ているだけで楽しい。古来より日本には「見立て」という発想があり、積極的に食材を代用することを食文化の一部としてきたのだなーと思う。タイトルの「偽装」は挑発的だが、何を食べているか自分で知ることが、自分の身を守ることの第一歩か。

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著者プロフィール

1956年、福岡県生まれ。食文化研究家。著書に『国民食の履歴書――カレー、マヨネーズ、ソース、餃子、肉じゃが』『刺し身とジンギスカン――捏造と熱望の日本食』『台所に敗戦はなかった――戦前・戦後をつなぐ日本食』『昭和珍道具図鑑――便利生活への欲望』(いずれも青弓社)、『食育のウソとホント――捏造される「和食の伝統」』『食のリテラシー』(ともにこぶし書房)、『食べかた上手だった日本人――よみがえる昭和モダン時代の知恵』『食ベ物の声を聴け!』(ともに岩波書店)、『冷蔵庫で食品を腐らす日本人――日本の食文化激変の50年史』(朝日新聞社)など。

「2023年 『幻の麺料理 再現100品』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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