- Amazon.co.jp ・本 (77ページ)
- / ISBN・EAN: 9784901689458
感想・レビュー・書評
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明治以降の近代文学の中で、西洋文化は、知的さや
瀟洒さを表現するキーワードとして効果的に使われてきた。
マカロンにシュークリーム、ソーダ水…。
その中で西洋菓子は、どう文学の中へ登場しているか。
著者が自分で作品にあたり、印象に残った西洋菓子の描写を書き溜めている。着眼点は面白いけれど論文ではないので、件数の解析や書き留められた表現の選択基準が明確に示されていないのは惜しい。
例えばマカロンが鴎外の好物だったなんて。この本をきっかけにして取り上げられている作品を読んでみたら違う面白さが見えてくると思う。
何年も前から読みたかった本なのだが、思ったより薄手の本で、読み足りなく残念だった。出版から年数が経っているし、類書が今ならあるかもしれないし、自分でテーマをもっと絞って調べてみるのも面白いかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
近代の文士たちはどんなお菓子を食べていた?
近代文学にはどんなお菓子が登場する?
文章を華を添えつつも、あまり注目されなかった「近代文学の中の西洋菓子」にスポットライトを当てた、レトロなスイーツ文学評論。
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古めかしい近代文学にカタカナ表記があると、文章全体が明るく見える気がします。
特に、それがカラフルなお菓子の名前であるならなおさら。
本著では、西洋菓子の登場する文章が多く引用され、華やかな印象を受けます。
というか、近代文学にはこんなに西洋菓子が出てくるんですね…。
森鴎外がマカロンを食べていたという記述にも、マカロンってそんな昔からあるのか!と驚きました。
ただ、もう少し作品に関する記述が欲しいなぁと思ったのと、所々に作者の私事的記述が入るのが気になったので、星3つです。