- Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
- / ISBN・EAN: 9784901784313
作品紹介・あらすじ
地球が宇宙であった頃、未知の大海に挑んだ海のフロンティアたちの、厳しくも眩しい輝ける航跡。大航海時代末期のキャプテン・クックの足跡をたどる、21世紀の探検航海記。ピューリッツァー賞作家による全米ベストセラー冒険紀行。
感想・レビュー・書評
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キャプテンクックの足跡を辿る旅エッセイ。クックの伝記ではなく、クックが冒険で行った場所で後世にどのように伝えられているのかを知ることができる。冒険船が訪れた先々で梅毒をばら撒いていったというのが興味深い。アラスカの毛皮や先住民の話も貴重だ。あとステラーカイギュウという言葉をこの本を読んで初めて知りました。
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個人的にキャプテン・クックに興味を持ったため。
筆者がクックに憧れて彼の手記や資料を参考にしながら彼の足跡を辿ったのに、彼が訪れた地にはその時の面影は残されていなかった…、の繰り返し。
それから、現地住民の彼に対しての感情が憎悪がほとんどなのに驚いた。
未踏の地を明らかにしていった人物なのに、彼についてはほとんど明らかになっていないことは皮肉だと思う。
冒頭のクックの時代の航海を再現する(ただし、当時よりもかなり改善されている)ツアーに参加した時の話は結構面白かった。 -
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キャプテンクックの足跡を辿る旅。
キャプテンクックは未知の大陸を探して3度の太平洋の航海を行った。その距離は月へ行くのと同じくらいだったそうだ。小さな木造船でしかも風だけを頼りに過酷な航海を続けた。
著者はクックが残した足跡を探して旅をする。21世紀の現代においても、クックと同じようなルートを辿ると結構辛い目に合う。著者は船や飛行機を利用しているが、クックが立ち寄った海岸や島々は、辺鄙な場所にあるため、訪れるのに苦労している。そして訪れたその場所で、クックや関わった人達や出会った未開人たちについて考察している。
キャプテンクックはその名前は知っていても、実際にどのような航海だったのかは全く知らなかった。貧しい家庭に育ち、家庭を顧みず、何度も取り憑かれたように未知の航海に出掛ける彼は、真の航海者だった。船長として船や乗組員に対する責任を全うして大きな成果を挙げた。
彼は自身の航海について克明な記録を取っており(航海の目的が未知の大陸発見と測量にあったため)、当時の太平洋の様々な人達の生活や風俗を知ることができる。
印象に残ったのは、規律が厳しい彼の船では、航海の宿命的な病気と言われた壊血病を患う乗組員が一人も出なかったという事実である。彼は船を常に清潔に保ち、寄港した場所では新鮮な食物や果物を食べさせていたことが、病気を防ぐことになった。但し、これは科学的な裏付けが取れておらず、たまたまそうなっただけで、彼自身には壊血病の原因は判っていなかった。そうやって助かった乗組員が、寄港地のジャカルタで辛い航海の鬱憤を晴らすように遊んで風土病や性病に罹って、約1/3の乗組員を失ってしまったというエピソードは悲しくなってしまった。人間は欲望には勝てないらしい。
紀行本の良さは、著者自身が経験したことや考えたことを、読者が時空を超えて追体験できることにあると思う。この紀行本では、クックの航海の紹介と著者自身の旅やエピソードを織り交ぜていて、大変面白く読めた。 -
キャプテン・ジェームズ・クックによる探検航海の旅は有名ではあるが、どれほどその内容について知られているであろうか。かく言う私も、ヴァスコ・ダ・ガマのインド・南洋航海、コロンブスのアメリカ大陸到達、マゼランの世界一周航海などは知っていたが、キャプテン・クックはタヒチやハワイなどのポリネシアやニュージーランド航海ぐらいの何となくの知識しかなかった。
この本は、作者がキャプテン・クックの3回にも及ぶ世界周遊探検航海の足跡を訪ねていくエッセイのような部分と、文献から調べ上げたクックの各地訪問がどのようなものであったか、またキャプテンがどのような人だったのかを考察した評論的な部分とが交互に出てくる、上下巻の書である。
この上下巻を読み終えて、私にとって大航海時代の探検航海のイメージが非常に具体的な形になってきて大きな収穫であった。ほとんど西欧世界との接触が無かったポリネシアの島々の人々との出会いや交流交易のシーンが思い浮かんできて、多くのことを思い考えさせられた。キャプテンが最後にハワイで島民に殺害される最終章の辺りは感動的ですらある。歴史の一ページでなく、生身の人間における一触即発の困難な状況で起きた悲劇がドラマチックに再現されている。
クック船長が、3回も世界周遊探検をしていたことは知りませんでした。しかも南極や北極まで行っていたなんて。。。 -
世界が広がります。本屋さんでちょっと立ち読み後、買いましたw