驚くべき学びの世界~レッジョ・エミリアの幼児教育~

制作 : ワタリウム美術館 
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784901976916

作品紹介・あらすじ

レッジョ・チルドレン公式読本。子どものアートが開く知性と想像力の可能性。世界最高レベルの教育メソッドの記録。

感想・レビュー・書評

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  • 展覧会を見て(ツイートより)

    「驚くべき学びの世界展」見てる。おもしろい。でも、それほど「驚か」ない。美術大学ではこれがある意味‘日常’だから。違うのは学んでいるのが幼児か大学生か、学びの様子が記録され記述されているか謎のベールに包まれている(笑)か。

    ビデオの中の子供たちはとても創造的。ビデオを見ていると、それを引き出すワークショップが、入念に検討され用意周到に準備されているのがわかる。用意された素材、画材、ファシリテーション(子供への声かけ)など、創造性を扱うプロの配慮やワザが随所に見られてとても興味深い。

    「デザイン思考」に興味がある方にオススメです。幼児教育と思わずに、創造的な態度とはなにか?という視点で見ると発見があると思います。アタマで考えるのではなく、身体や五感を使うということの価値や意味が感じ取れたら、デザイン思考の前提にあるものが見えて来ます。

    【無断転載を禁じます】

  • 自分で考え,表現する,他者と協同する,子どもだからという制限や誘導はなく,知を構成する環境を用意して,子ども達の内から発する意欲に基づく行動を願う。何がきっかけで動くかもわからない,何が成果として残るかもわからない。そのような環境の中では「待つ」ことが美徳になるのではなかろうか。

  • 「子どもたちの100のと言葉」よりは、少し読みやすいのかな?写真やつぶやきがたくさんあって、見応えはあると思う。

  • 記号と文字のあいだ。子供たちは図像と文字に音を与えようとする。
    レタリングは特別な文字の書き方を表すために用いる名前のひとつ。
    書くことは常にある情景を彷彿とさせる表現。

  • 富士図には今ありませんが、県立、静岡市にはあります。

  • レッジョ・エミリアにおける地域発生の教育システムが、ここまで世界の注目を浴びる。その真意は、子供の柔軟な想像力を最大化する、アートと教育者が混在した新しいシステムにある。子供たちを野放しに遊ばせるのでなく、教科書検定なんてろくでもない、言論統制に満ちたモノカルチャーが生み出す「一般教育」の産物でもない。ここにあるのは真意に、人の喜びを見つけ出し、伸ばし、フローさせる仕組み。子供版フロー理論。

  • かなり内容の濃い本でした。
    イタリアのレッジョ•エミリアで行われている幼児教育に関するものです。

    内容は、
    ○○教育とは、とか、
    ○○教育で得られるもの、とか
    そういったいわゆるハウツー的なものでも、マニュアル的なものでもありません。

    レッジョエミリアで打ち出された幼児教育に沿って実際に行われたいくつかのプロジェクトを子どもたちの言葉や作品を盛り込んでポートフォリオしたもの
    といった感じの本です。

    なので、実に生き生きした内容です。

    そして、幼児教育という視点からだけでなく
    学びそのものについて考えさせてくれる一冊でした。
    読み応えあります。



    だだ、読みにくい日本語だなぁというのが正直な感想。
    読みにくいがゆえに、自分で噛み砕きながら、自分の中でもう一度わかりやすい日本語に直しながら読んだので、結果的には、時間はかかったけど、理解は深まったかもしれません。
    でも、誰もレビューで読みにくいとは言っていないので、私の頭があまり利口ではないからかもそういうふうに思ったのかも。

  • ワタリウムの展覧会は教えてもらって行って、そしてえらい感銘を受けたのだけれど(そのときに本は買っておいた)少し時間を置いて読み返したところその経過で考えていたこととやはりいろいろな次元で結びついて、非常に充実感を持って読み終えた。

    正確には読み終わったというのはちょっと違って思考の段階を確認して行くという作業に近い感じ。『学ぶ』とはどういうことか、『創造性』とはなにか、『自ら考える』とはどういうことか。それらをイタリアの先駆的な幼児教育のメソッド(しかも革新的なことに多くの町で取り入れられている)を通して(その経過がたどれるような活き活きとした言葉で)語られている。この本は幼児教育についての本だけれどわたしにとってそれはむしろ《思考停止》ばかりが目につく育ち切った大人の中にも再発見できるように思う。グループワークや《見たことのないものをつくる》時におおいに役立つような。もちろんわたしの大嫌いな日本の『教育』が持ち得ない、個人の自由と発想を尊重する方法論。それが何かを考え発見する行程はこんなふうにあるべきだと心から思う。

    特に(これはおそらく動画を見た方がより感激が深いけれど)コレオグラフィーのノートに対する『振り付け』の自然発生、あるべき円柱の姿を討論し手法を発見して行くこどもたちだけの会話、光の塔をつくるため話し合いひとつのアイディアが熱狂的に(もちろんこどもたちの中で)受け入れられて行く様子、長い時間をかけて庭に満たされた音をひとつひとつ確認して取捨選択するこどもたち が特に興味ぶかかった。

    大人たちが考え発見する方法論とてこれでなくていい理由がわたしにはまるで見当たらないのだ。

  • <知人に借りた>

    レッジョ・エミリアの幼児学校では、2人の保育者、アトリエスタ、ペタゴジスタがチームになって、アートで素晴らしい「子どもたちの100の言葉」を引き出し(「作品」となって100の言葉が結実する)、知を紡ぐ学びの場を展開している。
    本書はその実践が子どもたちの作品とともに紹介されている。

    光や音を取り上げて(研究)「プロジェクト」(プロジェクタツィオーネ)という単元に取り組む子どもたち。
    たとえば光のプロジェクトでは、オーバーヘッドプロジェクターで様々なものを投影しながら、その仕組みを予想し、紙いっぱいに描き、科学的なことを魅力的に説明している。
    (日本でいうところの「生活科」に近いのだろうか?)

    大事なのは、疑問をもったり、想像力をもつことが許されている時間や空間がそこにあることだと思う。

    第二次世界大戦後の、統制から解放に向かった時代の喜びが、幼児学校の教育方針に表れているようだ。

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