私は誰になっていくの?―アルツハイマー病者からみた世界

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制作 : Christine Boden  檜垣 陽子 
  • クリエイツかもがわ (2003年10月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784902244106

私は誰になっていくの?―アルツハイマー病者からみた世界の感想・レビュー・書評

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  • 誰かが「障害や病気は、その人にあるものではなくて、人と人の間にあるもの」って言ってた。その言葉にしっくり納得できるのがこの本。すべての人に尊敬の気持ちを持って接することの難しさを日々感じているけど、大切なことだなあと再確認しました。今日から実践。

  • 職場ですすめられて借りた。

    アルツハイマー病についての本というのは、
    その病気の特質により、
    医者か家族によって書かれるのが普通で、
    当事者による手記というのは皆無らしい。

    正確に言うとこの著者の疾患は、
    アルツハイマーとは少し違う病気らしいが、
    脳が機能しなくなっていくという病態はほとんど同じで、
    そういう点で、アルツハイマー病者を理解する上で
    とても意味のある1冊だと思う。

    著者はオーストラリアでかなり高名な女性で、
    科学者そしてキャリアウーマンとして
    バリバリ活躍していた人らしい。

    「呆けるくらいなら死んだほうがまし」
    という考え方が、世間にはある。

    本書を読めば、
    そのような事を簡単に
    口に出せなくなると思う。

    著者の人生は、
    輝かしい成功を収めていた前半生よりも、
    病気になってからの後半生の方が、
    むしろ満たされて幸せなのではないかと
    思わされるからだ。

  • アルツハイマー病

  • 若年性アルツハイマーの人の体験談。
    認知症といえば、高齢者がなるものだから、若い時分には関係のないことだと思いがちになる。
    記憶が失われ、当たり前にできることが失われていく。
    著者は家族や宗教の支えがあったが、若年性認知症を抱えた人のいる家族にとって、その人ができることを支えることは容易じゃないはずなんだ。

  • イメージつきづらかった

  • 直前に読んだ「私が壊れる時」同様アルツハイマー患者自身による本。私が〜は主体的かつ情緒的な描写が強かったけど、本書はより具体的で客観的。この二冊を読んで「ボケちゃえばわからないから幸せだよ」とは冗談でも言えなくなった。アルツハイマーは脳の病気であると言うシンプルな事実を再認識。後半の信仰に関する描写は「死ぬ瞬間」でもそうだったように白人社会でのキリスト教のありようを浮かび上がらせる。きっとこの点に関して真の意味で理解できるのは自分も同じ信仰を持った時だけだろう。

  • 認知症の内面世界を知るために、またとない貴重な著書。介護者、医療者の本は巷にあふれているのに、当事者の本は皆無という、厳しい現状があるからだ。

    クリスチャンであることの重要性については、いまいちピンと来ないが、その本質をくみ取るように努めれば、得るものは大きい。

    ・私たちは正気を失っているのではなく、病気なのである。
    ・まさに患者たち一人ひとりの人格や個性こそが崩れつつあるのだ。
    ・今の私はまるで昔の自分のスローモーション版だ、身体的にではなく精神的な意味で。
    ・ガンや心臓発作でも恥ずかしいとは思わないのに、なぜ脳の中と言うだけで、ただ身体的に侵される病気をそんなに恥じるのだろうか。
    ・どうか私たちを隠すのではなく、私たちを仲間に入れ、もう少しの間、生きる喜びを味わわせてください、あなたの記憶力、能力、そして忍耐力をもって。
    ・またどこかでエイリアンになってしまう感覚。
    ・辛抱強く接していただくこと、注意深く私たちの話に耳を傾けて頂くこと、ゆっくりと物事を進めること、私たちの介護に当たってくれている人たちをできるだけ助けてもらうことによって、私たちはもっと暮らしやすくなるだろう。
    ・アルツハイマーがまだ人間社会に物珍しい病だから、不安や恐怖をかき立てる面もある。
    ・難しいのはお年寄りが仕事やお金のことばかり考えている場合。本当の能力は魂です。それは消えてしまうものではない。
    ・自分の人生に意義がある、という考えがなければ、認知症と診断されても、その日から、違う形の自分の人生を楽しんでいくんだと考える力がないと生きていけません。
    ・囚人とアルツハイマーの人は似た存在です。社会的関係が無く、将来を恐れているけれども、自尊心がある。
    ・病に焦点を当てるのではなく、人に焦点を当てることが大切です。
    ・底なし沼に引き込まれる、暗い穴に落ちていく、何かが消えていく。

  • 出版にいたる背景・著者は本を書ける人だった。(政府高官、高学歴、頭脳明晰、自分を語る。)
    昔から語られていること、病者が作るのか、作った人が病者になるのか。今回は特異な例になるのだろうが、前者である。数年(十数年)前から記憶をなくすことがあるもの対象にした著作が、日本では話題に上っていたと思う。社会的に認知が高まるという背景はあるが、経済的な意味も十分に含まれる。本書においても薬物が登場する。それほどにこの薬は効果的である。そして日本産である。著効例はいかほどあるのか?調べたことはないが、この分野の治療(=認知症=ボケの認知度)良い意味で高めた効果は間違いない。治療薬は今後続く。どんどん新しい薬が出てくる。そして、治療の有効例が多い中、私は症状のエンドポイント、治療の目標目的、意味を考える機会に恵まれた。脳に関しては失われた細胞は残念ながら元には戻らない。しかし、記憶がうしなわれるということは別な問題だ。また、新たに記憶=記録を作られるのか、ということも関連することであるが、記憶、記録、自己形成、自分らしさなどを考えると、それらの思考回路がなくなってしまうことは、自分がなくなる自己破壊となるように思いがちである。
    しかし、ここからが本書を読んでいて得たことであるが、今までの獲得した思考、記憶などが失われたとしても変わらない思考が存在するのである。それは、愛という言葉に表されるのであろう。自分の愛する人たち事象は忘れ去られることはないのである。そしてそれを得るための手段(もっとも容易な)は神を信ずることである。
    永遠普遍な不滅な万人に対しての愛である。信仰とは心を強いては生命を意義あるものとするものである(と思う。)
    付録
    アルツハイマー病とはどのような病気か
    アルツハイマー病の段階として説明があり。参考となる。
    第1段軽度2年から4年
    第2段中度2年から10年
    第3段重度3年から

    タクリン

  • 47歳の若さで、自分が自分であることさえもわからなくなってしまうアルツハイマー病。
    3人の娘たちと話ができなくなってしまう前に、いつか慰めとなるようにと、症状を自覚できる中度までの初期段階の間に書かれたものです。だからこの本は、アルツハイマー病による認知症の症状を、当人の視点から書いた貴重な本なのです。私たちが経験したことのない、認知症の方の世界をクリスティーンさんは教えてくれます。ぜひ読んでみてください。

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私は誰になっていくの?―アルツハイマー病者からみた世界の作品紹介

世界でも数少ない痴呆症の人が書いた本-新鮮な驚きと貴重な発見!痴呆になればどのような経験をするのか、望ましい支援とは何か、本人の立場からしか書けない貴重な指摘。痴呆の人から見た世界が手に取るように分かる。

私は誰になっていくの?―アルツハイマー病者からみた世界はこんな本です

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