- Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
- / ISBN・EAN: 9784902543377
感想・レビュー・書評
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ありがちな内容だとは思うけれど、田野倉はこういう展開に弱い。まさにツボ。BL作品で久々に泣かされました。…どこかで出しなおしてくれないかなあ。編集長の話も読みたいぞー。
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出版社へ就職したばかりの安藤は、あるノベルスの5周年記念の企画で、君嶋にデビュー作の続編を書いてもらおうと提案をする。
その企画が編集部で通り、編集長と一緒に初めて君嶋の元を訪ねます。
実は、安藤は君嶋のファンと言うだけではない、思い入れのある作家だったのです。その理由が、あとあと私を泣かせるのでした。
ある日、安藤と君嶋の様子を見に来た編集長が、安藤と抱き合っていると誤解した君嶋によって、安藤は乱暴されます。
でも、なぜそんなことになったのかわからない安藤。
一緒に過ごしていくうちに、君嶋に対して尊敬や好意を抱き始めた矢先だったのに…。
でも、安藤の一途な気持ちを知った君嶋は、あれだけ断っていたデビュー作の続編のプロットを書き、編集長のところへ送ります。
すぐに返事は来なくて、後日やって来たのは安藤でした。
「お前のために書く…今なら書ける気がする」
おおっ、思いっきり愛の告白ですね!
今まで書けなかった恋愛小説を『お前のために書く』なんて…。
「この本のおかげで、本当に恋した気持ちになれたからいいんだ」
「続きが読みたいな」
と安藤の亡くなった妹の話も、泣かせるポイントでした。
本の中の恋人は、恋がはじまるところでハッピーエンドを迎えて終わっていたので、どんな恋人同士になったのかが知りたかったそうです。だから、余計に続編を書いて欲しいと熱望していたのです。
愁堂れなサンには珍しい、攻め受け視点が順に入れ替わりながらお話が進んでいくというスタイルでした。
そのために、お互いどんなことを考えていたのかとか、背景だとか、気持ちだとかがよくわかりました。
2人の気持ちがすれ違っていくところなんか、わかるだけにせつなさ倍増?!