笑い犬

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  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784902835144

作品紹介・あらすじ

会社をかばって塀の中に転落した銀行マンが絶望の果てに浮かべた笑みが、卑怯で小狡い"勝ち組"をおののかせる…刑務所小説と企業人小説と家族小説の革新的融合。第24回日本冒険小説協会大賞受賞後第1作。

感想・レビュー・書評

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  • 塀の中に不本意ながらも堕ちた不甲斐ない男の復活劇。
    笑い犬という異名を身に纏うと、こうもかわっていくものだろうかと
    首をひねひながらも
    今まで馬鹿にしてきた人たちが震え上がっていくさまは痛快だった。
    家出娘との交流に救われる思いも。

  • スケープゴートとして、2年間の実刑判決を受けてしまった主人公。
    ただの冤罪被害者ではなく、彼も多少なりとも加担していたことが、「かわいそうな主人公」に留まらない現実感をもたらしている。刑務所内の体験などはノンフィクションみたいな描写である。
    肝心の「真相」については、読者にヒントがあるわけでもないし、刑務所で知り合う大物との関係もとくに伏線となるわけでもないので、ミステリーとしての楽しみかたはあまりできないけれど、最後にはちゃんと救いのある刑務所小説。

  • 全体的には「サスペンス風味満点」では、無い(後半は結構サスペンス風味)。西村健作品は、『突破BREAK』しか読んだ事がなかったので、「文章が読みやすくなった」「勢いだけで読ませるんじゃ無いんだ」って事に純粋に驚いた。今度は、「劫火」を読んでみようと思った。

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著者プロフィール

1965年、福岡県生まれ。東京大学工学部卒業。労働省(現厚生労働省)勤務後、フリーライターに転身。96年、『ビンゴ BINGO』で小説家デビュー。『劫火』『残火』で2005年と10年に日本冒険小説協会大賞(第24回、29回)、『地の底のヤマ』で11年に第33回吉川英治文学新人賞と第30回日本冒険小説協会大賞を受賞。14年、筑豊ヤクザ抗争を描いた『ヤマの疾風』で第16回大藪春彦賞受賞。他の著書に『光陰の刃』『最果ての街』『目撃』『激震』などがある。本作は『バスを待つ男』に続くシリーズ第二弾。最新刊は、シリーズ第三弾の単行本『バスに集う人々』。

「2023年 『バスへ誘う男』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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