- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784902943122
感想・レビュー・書評
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最近、ばななさんを読み始めました。
「人ってこんなふうに思考するんだな」というのを覗かせてもらっているようで、またばななさんの人生観、人間観のようなものに対して親近感が持てるので、違和感なくすっすっと心に、頭に入ってきます。
中島くん、死んじゃうの?とハラハラしながら読んでいました。題名の「みずうみ」が出てきてからちょっと毛色が変わったのかな?と思いつつ、最後までダレずに読めました。
人生いろいろあるけれど、人との出逢いによる導きというか、エネルギーってすごいものなんだと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人生の辛いことほとんどを通り過ぎてから見えることが、淡々と流れてくるような気がする。そんなせつなさと人生の質量を感じさせるのが、ばななさんの書く文章の味。水に洗われたような読後感で、ふわふわとしている。
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よしもとばななさんらしい物語だな、というのが率直な感想。
言葉にしにくい人の思いとか感情を丁寧に忍耐強く言葉を拾い集めて形にしている感じ。ちひろと中島くんの会話もそんなふうに丁寧に会話している。世の中にこんな会話する人たちがいるかなると思うけどそれがよしもとばななワールドなんだ。
好きでもなく、嫌いでもないかな。悪くは無い。
みずうみの風景がなんとなく見えてくるような気がした。 -
よしもとばななの世界観は、いつも静かな中に激しさがある。恐怖と、虚無感に襲われる。読後は厭世的になってしまう。
世間から見たら「不幸な生い立ち」を持つけれども、自身をそんなに不幸ではないと思っている主人公、何か辛い過去を持つに違いないと感じる恋人らしき人物との物語。
淡々と、しかしメリハリのきいた作品で、どこかファンタジック。それなのにすっとその世界に溶け込めてしまうのは、よしもとばななの持つ圧倒的な筆力のためなのかもしれない。 -
不思議ワールドでぞくぞくしながらよめる。よしもとさんの甘ったるい側ではないのが面白かった。”どんぐり姉妹”も同じ感じだったような。
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普通の恋愛小説かなと思ってましたが、登場人物がちょっとずつ変わっていて、おもしろく読めました。みずうみは穏やかだったなぁ。
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せつない
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近所に住み、少しずつ近づき、一緒に暮らすことになったちひろと中島くん。
ちひろはお金持ちの父とバーのママとの間に生まれた私生児で、中島くんには語ることの出来ないほど壮絶な過去がある様子。そんなふたりが育む時間。
25年ぶりくらいのばななさん。
苦手意識ありでしたが、やはりあまり入り込めず。
中島くんの過去、ミノくんとチイの存在が、不気味でした。
気持ちの暴力の少ない人という言葉と、自分を持ち、自分の世界にいることの出来るちひろには好感を持ちました。 -
特に言うことは無く、よしもとばななです。
親しい人の死とその陰が生きているものに与える想い。同工異曲ではなくテーマ。