- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784903212289
感想・レビュー・書評
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アメリカの鉄鋼メーカ「ニューコア」で長きに亘りCEOを務め、粗鋼生産量ではマイナーだった同社をUSスチールも抜いて1位の事業規模へ導いたケン・アイバーソンの著書。
ひとつの工場という事業所単位で自律的に組織運営をさせ、本社からは口を挟まない。そのために本社所在地を人里離れた田舎に置き、間接の人員もミニマム化させた。会社としての統一方針や仕様のようなものがないので、事業所間で似たような開発や検討をすることもあるが、そういったことにより発生する工数の無駄より自主性に任せて運営させることによるメリットが圧倒的に大きいと説く。
著者は理論家ではなく、実際のビジネスの成功体験がバックボーンにあるので、突飛な提案でも一考せざるを得ない。
小難しいフレームワークなんかまったく出てこず、一貫して著者が主張するのは「社員を信じて自由にやらせる」だ。こういった「管理」を極限まで減らすという考え方は岐阜県にある未来工業にも似たものがあると感じた。
特に印象に残った部分を以下に抜粋する。
”ニューコアには勤務査定というものがない。従業員は自分が生み出すものに応じた賃金を得るし、その賃金は単純かつ客観的に決定される。職務内容を記した書類もない。社員はみずからの生産性を最大にする方法を探りながら、自分の仕事を定義するのだ。”詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ユニクロ柳井さんも推薦する一冊。経営者とはどうあるべきか?を教えてくれる一冊。今、ブームの「土光敏夫さん」に通ずるものがある!
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従業員のことを考えるリーダー像って自分の頭にはそんなになかったので、
新鮮でした。 -
著者はフォーチュン500企業でもっとも低収入のCEOであったとのこと。社員の階層は四つしかなく、徹底した権限移譲により、経営を成功させている。鉄鋼業なので、業界のことは全く分からないが、驚異的なことに間違いない。ここまで、社員に任せるのかと驚いた。しかも、それでうまくいくのだから、素晴らしい。
社員の自主性に任すとは簡単だけど難しい。けど、一度、仕組みがうまく回りだすと、自然とうまく回るようになるのだろうと思う。
経営の仕方も業種、業務内容によって違うとは思うが、一つの理想的なやり方を垣間見たような気がする。 -
リーダーシップのポイントは?
→みんなを団結させる相互の長期的な利益、高い目標に焦点を合わせる
管理職は部下が働きやすい環境を作る
失敗から集めた知識を次に活かしていく -
読書は筋トレと同じだ!
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アメリカの鉄鋼メーカー(ニューコア)を題材とした内容であり、私には未知の世界でした。しかし、言っていることはとてもシンプルであります。
日本の企業には、なかなかあり得ない姿を描いていました。
一般社員から社長まで、階級が4つしかないということが驚愕でした。
アメリカで第三位の鉄鋼メーカーが、これだけコンパクトな組織としてまとまっているとは…
日本企業でも見習うべきところがたくさんあるのでは!?と感じました。
筆者のケン・アイバーソンはニューコアの社長でしたが、中間管理職が読むと、いろいろなヒントになると思う。