都市交通の世界史―出現するメトロポリスとバス・鉄道網の拡大

  • 悠書館
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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903487533

作品紹介・あらすじ

市壁をこえて交通網を拡大させ、職住分離という新しい生活様式をもたらし、世界に先駆けて大都市圏をつくり上げたロンドン。西欧近代による強引な交通機関の建設によって近代都市へと生まれ変わった上海。車両利用によって水都から陸都への変貌をうながされた大阪など、大都市圏の成長とともに細密な路線網をつむぎ出してきた公共交通-鉄道条車・バス・路面電車・地下鉄など-の歴史を詳述。

感想・レビュー・書評

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  • 地域史

  •  日本では、副都心線の整備が終わって、東京では、地下鉄の整備は今後ないんじゃないかと思う。皇居のまわりをぐるっとまわって、複数の地下鉄が複雑にネットワークをつくる都市はそうないなと思っている。

     この本は、ロンドン、パリ、ニューヨークやソウル、上海などの大都市の都市交通、特に地下鉄を中心に詳しく紹介している。

    やっぱり変わっているなと思った点

    (1)現代中国の事例としての上海。リニアをつくったり、ゴムタイヤ式のトラムをつくったり。ものすごいスピード感。しかし、中国では、人を乗せて仮営業をするという仕組みもあるそうで、そのあたりの安全感が日本と違うと思う。(p215)

     こんなスピード感は、日本ではもう絶対にありえないと思う。

    (2)パリでは、幹線鉄道が、どんずまりの終点駅で、かつ市のばらばらの箇所にできて、そこの連携をする環状線の整備が遅れた。(p99)

     自由の国は、各鉄道会社が地元利益のためにばらばらに終着駅をつくったというのもおもしろい。鉄道の乗り換えの可能性を中目黒の東横線と日比谷線をモデルにした話も、日本人なら当然整然とのりかえるのに、パリでは心配だったというのがおかしい。

    (3)ニューヨークでは、圧そう式のチューブとか、高架鉄道とか、とにかくつくって運転し始めて、そして技術力不足で断念するというというのも国民性。

     都市鉄道という面では、自分の世界の大都市の地下鉄をのってきたが、安全性、清潔さ、ネットワークのちょうみつさなど、世界に誇れると思う。

     ただ、最近、地下鉄メトロが、初乗り運賃が高く収益があがっていることから、鉄道内のテレビでの広告、街頭テレビでの情報提供、ホームドアの設置など、新線がなくなった分、華美な投資をしているような気がする。その分、初乗り運賃をさげるべきではないか。

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