- Amazon.co.jp ・本 (116ページ)
- / ISBN・EAN: 9784903500270
作品紹介・あらすじ
社会学者・大澤真幸が、対談と論文で現代社会を特集形式で考える月刊誌「O[オー]」創刊!
感想・レビュー・書評
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中村哲さんの本は過去に1冊しか読んでいない。しかしその活動は気になっていた。大澤氏との対談がどのようなものになるのか興味をもって読んだ。結果、これを専門的な雑誌として、大書店にしか置かないというのはもったいないと思えた。できるだけ評判になって、多くの人の目に付くようになって、大勢の人に読んでもらいたいと思う。対談の中にはなかったのだけれど、大澤氏の論考の中で中村さんの次男が亡くなられたときのことが書かれている。病気をかかえた子どもを日本に残してアフガニスタンへ向かう。子どもへの愛、アフガンの人々への愛、どちらかが優っているというのではない。使命感というのか、子どもへの思いが強かったからこそアフガンに引き寄せられていったのかもしれない。中村さん自身のことばも読んでみたい。三位一体について書かれている一節。ふに落ちた、しっくりきたというわけではないけれど、なんとなく分かったような感じがする。もちろん他人に言えるほどではないのだけれど。
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学問の自己目的化は虚しい。
社会学のための社会学然り、哲学のための哲学然り。
越境を前提とするなかで生じる知の醍醐味。
見開き下段の抜き書きにも心意気を感じる。 -
装丁がよい。
対話+論文でひとつで二度美味しい。 -
大澤真幸は、イイコト言ってるのに、宮台真司ほど人をコバカにしていないところが好感持てる。
中村哲さんのような人生に憧れる。憧れるけど、踏み出せない。
この悲しみを如何にせん。何が僕を踏みとどまらせるのか。
それは自分が受け入れられないのではないかという不安であり、そのことにより自分の興味が尽きてしまうことへの不安である。
最近思う。したいことを仕事で実現しようとするのは、とてもリスキーである。そもそも実現したい大きな欲を抱くことは人生をむなしくさせる可能性が高い。
夢を持てとか、登るべき山を見つけろとか、Point of arrivalを定めることがさも当然あるべき姿のようにミナは言うけれど、本当にそれは正しい戦略だろうか。理想と現実の差は未来に対する希望を奮い立たせる一方、現実に対する落胆を増大させるのではないか。
解決策は2つ。パラノイアになるか、少しずつ上るべき階段を見つけるか。パラノイアになってしまえば楽だけど、なるのは楽じゃない。 -
2010.03.28 朝日新聞「本の舞台裏」に紹介されました。
前半部分は、著者大澤氏とアフガンで医師として、そして現地ワーカーとして
用水路を拓いた中村氏の対談。
後半部分は、大澤氏による論文が掲載されていました。
月に1冊ペースで出版されるらしいので、次号も楽しみです。
自分ではなかなか選ばないジャンルの話題や状況に触れることができて、
対談形式なので理解しやすいところが私には有難い1冊でした。