静かな夜 (佐川光晴作品集)

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著者 : 佐川光晴
  • 左右社 (2012年2月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903500713

静かな夜 (佐川光晴作品集)の感想・レビュー・書評

  • 少し前に読んだ「牛を屠る」「主夫になろうよ」がおもしろく、著者の経歴に興味が湧いて、北大恵迪尞時代を書いた短篇二篇が収録されている本書を手に取った。

    「二月」「八月」と題されたその短篇は、予想していたのよりずっと重く、苦しい内容だった。「北の大地で繰り広げられるバンカラな青春群像」的なものかと思っていたが、まったく違っていた。学生自治寮として名高い恵迪寮が新寮へ移行する混乱のなか、委員長を引き受けた主人公の友人が自死する。この悲痛な出来事が、二篇のトーンを決定づけている。

    主人公が著者自身であることは明白で、おそらく書かれていることは基本的に事実に近いのだろう。やり場のない思いや、閉塞感がひたひたと胸に迫ってくる。そうだ、若いときというのは、バカな明るさと同時に、「死」さえすぐ身近にあるような黒々としたものを抱えているものだ。そういう心持ちを久しぶりに思い出した。

    ほかの二篇も重苦しさという点では負けていない。特に「静かな夜」のヒロインの運命は過酷だ。うう、こういうのは苦手なのだ、ツライ…と思いながら、それでもひきこまれて読んでしまった。あまりにも陳腐な言い方しか出てこないのが情けないが、これもやはり絶望と再生の物語と言える。

  • 第2回 北大ビブリオバトル

  • 「静かな夜」の二人は、相身互いなのかなー
    母子家庭ということは確かに共通点ではあるけれど。
    主人公の、プライドの高さとやってあげてるのに感が気になる。
    彼女と同じような経験をしていないわたしには、共感できないということなのかな。

    「二月」「九月」は飛ばし読み。
    これもまた、わたしは男性でもなくこの時代の大学生でもないから、共感できないということなのかな。

    おもしろいんだけれど、読後感というか終わりがあまり好みではないかも。

  • 面白いです。
    悲しくもなりますが…

  • どの中短編にも死のイメージが漂い、特に表題作は読むのが辛かったです。でもヒロインに不幸が重なるとあり得ないって気になるのか慣れてしまうのかどんどん引き込まれました。相身互いか…面倒くさい関係はすぐに断ち切ろうとする私にはちょっと沁みる言葉でした。「二月」と「八月」は著者の北大時代の経験を綴ったものなのか、とても興味深く「おれのおばさん」、「おれたちの青空」も早く読みたいと思いました。

  • 初めて読む作者。
    とくに表題作の「静かな夜」が良かった。
    あんな過酷な経験はしていないのになんとなく理解が出来る。
    「相身互い」今の自分には関係ないなんて言えるのかな~?

  • ほぼ同年代の作者の作品。静かな夜が特によかった。たんたんとした文章からさみしさが伝わる。どうしようもなく起こってしまったこと。

  • 佐川さんの最新刊で、作品集と銘打つとおり、表題作をはじめとする計4編を収録。表題作の「静かな夜」は中編で、若い主婦が次々と連鎖する不慮の出来事に翻弄されながらも、子育てをしながら人を助けることでもう一度生き直す決心をするまでの内面的な闘いを描く。

    残りの3編のうち、後半収録の2編「二月」、「八月」は、佐川さんの原点でもある北大恵迪寮を舞台とした作品。『おれのおばさん』『おれたちの青空』に登場する元学生俳優・後藤の若き日の姿が描かれていて新鮮。登場する学生たちの青さが面映い。

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静かな夜 (佐川光晴作品集)の作品紹介

『おれのおばさん』『おれたちの青空』につづく、佐川光晴最新刊ー。生と死、出会いと絆をしずかに見つめ直す傑作中編4作品。佐川光晴の原点といもいうべき北大恵迪寮を舞台にした「二月」「八月」を収録。

静かな夜 (佐川光晴作品集)はこんな本です

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