顔にあざのある女性たち―「問題経験の語り」の社会学

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著者 : 西倉実季
  • 生活書院 (2009年8月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903690414

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顔にあざのある女性たち―「問題経験の語り」の社会学の感想・レビュー・書評

  • ライフストーリーガイドブックから選んだ1冊(7/20)。
    この本は筆者がインタビューした3人の顔にあざがある女性たちのライフストーリーをもとに彼女たちの問題経験を検討していく。
    3人とも単純性血管腫という症状を持って生まれていて、顔の他にも首や肩、全身にまであざが及んでいる人もいる。幼い時からそれぞれいじめや、親からの負い目、就職、恋愛、結婚全てにあざがあるとこにおいて苦難がついて周ってしまう。その苦難は女性であるが故の特有な問題経験である。筆者が「女性」に着目してる理由は、この女性であるために特有な問題経験があることと顔という他の部位と比べて特殊なところにあざがあるからである。
    身体障害は世間では広く知れ渡っていて、車イスを使う人とかはバリアフリーがあったりとか、周りは丁寧な対応になっているし、生活し易くなってきたと思う。
    しかし彼女たちのあざという症状では身体障害とは違って物理的に不便になることはないかもしれないが、内面的な部分ではとても苦しんでいると分かった。障害だけど障害じゃない複雑な立ち位置、それに女性というのも含めて。こういった人たちの気持ちを少しでも知ることが必要だと思った。

  • 【No.250】「大学入ったときに、恋愛はできないって思った。見えてくる、自分のことが。なにも好き好んでこんな人選ばないなって」「普通に、健康に生まれた子供がたどるべき過程を、まったくたどっていない。最初から違う過程をたどって生きている。それを振り返ると自分自身に対する自信がものすごく欠落していく」「恋愛とかがピンとこない。自分自身を女性として認められないというのがすごくある」「いくら自分を磨いても無駄。やっぱり、一生、とくに女性としては規格外品。そこはまあ覚悟しないといけない」「なにもかも問題を克服して人間生きていくばかりじゃなくて、問題と共存しながら生きていくのもまた人間の生き方。仕方のない領域っていうのがあるとしたら、まあそれは仕方ないと思う」「女性としての楽しみみたいなものをやっぱりこの体によってずいぶんそがれている部分がある」「見た目の問題によって、生活のしにくさや、生きづらさを感じながら暮らしていることは、否定しようのない事実」

  • 資料ID:W0164882
    請求記号:361.4||N 83
    配架場所:本館2F書架

    加賀谷先生から書評いただきました!

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    おもわず涙ぐんでしまった
    西倉実希『顔にあざのある女性たち』生活書院 2009
    加賀谷 一
     きみは街で顔に赤い大きな痣(あざ)のある人を見かけたことがあるだろうか。
     小さなあざでなく、顔の半分とか、場合によっては腫れてこぶのようになっていることもある。例えばそのような人と電車でのりあわせて、その人が目の前にいるとする。そんな時、その人の顔のことがすごく気にならないだろうか。人は顔にとても関心がある、興味がある。だから、つい視線がそのあざのほうにいってしまうんじゃないだろうか。でも、すこし遠慮があるなら、じろじろ見たりはしないと思う。そっとのぞき見をするような感じだろうか。
     もし、きみがそのような人と出会っていなければ想像してほしい。自分だったらどうするだろうか、って。その時、どんな風にあざのある人の顔に視線を向けるのだろうかって。 そして、そのような視線、まなざしを人前でいつも受け続けている人がいて、その人がその時、どんな気持ちなのかを思ってほしい。
     ただ、実際にはそのような人と接することはそんなに無いかもしれない。でもそれはその人たちの多くが、一年中、厚いお化粧をして、顔をそむけながら、いつも電車のかたすみの奥にすわって、人目につかないようにしているせいもあるんだ。
     この本は、そのようにして毎日、本当につらい思いをしながら、しかも、そのことを家族にも告げることがほとんど出来ず、じっと耐えている人たちのことについて書かれている。
     だから、きみがもしその人たちの気持ちについて少しでも知りたいなら、ぜひこの本のページを開いてほしい。ちなみにぼくは思わず涙ぐんでしまったけど・・・

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顔にあざのある女性たち―「問題経験の語り」の社会学の作品紹介

顔にあざのある女性たちはどのような苦しみを抱え、どのようにその只中を生きているのか!?彼女たちによって語られたライフストーリー=「問題経験の語り」に目を向け、その存在や苦しみを可視化し、「問題経験」の軽減の方途も探ろうとする、精緻な研究の成果。

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