- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784903722160
感想・レビュー・書評
-
私自身、学生時代はまさに本書で紹介されるような廃人の一人であった。30時間ぐらい起きて、10時間ほど寝る。PCはつけっぱなし。当時はまだフレッツがなかったので、夜11時からの定額プラン「テレホーダイ」を利用してはいたものの、その時間だけではとても満足できなくなって結局他の時間もログイン。バイトなどで出かけている時は、サードパーティツールを使って自動でキャラ育成。こんなことを3年。一度辞めてからまた1年の計4年。
やっていたゲームは、本書中でもプレイヤーはハードゲーマーと紹介されていた「ウルティマオンライン」。日本にサーバがない時からやっていた。
当時を振り返ると、まさにゲーム中のキャラは自分自身。そしてゲームで出会う仲間はすぐに本音で語り合える「親友」になる。私は初心者にとって非常にハードルの高いゲームであるウルティマを、せっかくはじめたのなら楽しんでもらおうと思って初心者サロンのようなギルドを作りギルドマスターを務めていた。毎晩10時ごろから、いつもの場所に仲間たちが集まる。おしゃべりタイムのはじまり。しばらくチャットしたりゲーム内で面白い動きをしたりして遊んで、そのうち仲間のうちの何人かがダンジョンへ狩りに出かけた。私自身は自分が強くなりたいという思いもあり、仲間が寝た後の深夜、一人で強いモンスターの狩りや、対人戦の練習などに出かけたりしていた。
当時、ギルドメンバーのためにHPも立ち上げ、ウルティマの現実的な楽しみ方についても考察し、リアルとの両立をどうつけていくかに重きを置いて記事を書いた覚えがある。そうした趣旨の集まりだったので、オフ会で会っても、皆ほとんどゲーム内の印象と変わらない仲間たちで、すぐに打ち解けることができ、長く付き合うことにもなった。中にはギルド内で付き合い始めたメンバーもいた。
しかし、私自身はほとんど大学にも顔を出さず、バイト以外は部屋に閉じこもりきりであった。よく今、普通に暮らせているものだと思う。自分自身が過去、そうであったからこそ手に取った本であり、想像通り過去の自分を見るような例がたくさん挙げられていた。
ただし、最後の部分でなんとかバランスの取れた記述をしようと試みているとはいえ、どうも著者はネトゲ廃人を特別視している印象派ぬぐえない。生育歴やら、ゲームにはまった時期にその人に起こった不幸やら、原因を探りすぎている。また、オフ会についての記述も、差別的ともとれる書き方が目立つ。
私は、経験しているからこそはっきり言える。ネトゲ廃人には誰でもなってしまう可能性がある。ネットゲームは人間とのコミュニケーションだから。人は、人の中に生きているからこそ毎日を過ごしていける。ネットゲームにも、その中に人間が作った社会がある。人間がいるから、毎日が過ごせてしまう。仕方がないのだ。そういうものなのだから。
途中に紹介された、韓国のネトゲ中毒を診ている医師のコメントが印象に残った。
「ネトゲ中毒にならないためには、ネトゲをやらないことだ」
正論だと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
率直な感想で、ゾッとしました(汗)
あまりにもリアルで、すぐ身近にある「ネトゲ廃人」への扉。
何事のも「ほどほど」が大切だと、身にしみて分かる一冊です。 -
JUGEMテーマ:読書 図書館をうろうろしていて、とても目立つ表紙だったので思わず手に取ってた。 この本で取り上げられていた人たちは、いまはネトゲを脱した「元」ネトゲ廃人ばかりのせいか、本当のネトゲ廃人の、本質を突いていない気がした。たぶん、この本を読んでそのまま真に受けた親とかに「ネトゲ廃人って〜〜〜なんでしょ?」って言われても「なんか違う気がする」って言うと思います。 本の中で描かれている特徴の「ネット上の人間関係をとても大事にしている」ということや、「ネトゲ仲間との交流がすべてで生活が回っている」とかは、その通りだと思うけど、それってネトゲにしかない交流の仕方なんでしょうか? たとえば、大学生活でも、新しいサークルに入ってとても楽しかったら、そのサークルの人間関係を大事にして気を遣うようになるし、そのサークルに少しでも顔を出せるようにバイトを調整したり他の友達との付き合いをないがしろにしたりしますよね。俳優にはまったら、その俳優が出てる番組をチェックするために家事をないがしろにしてまでテレビに張り付いたり、舞台を見に行くためにお金をつぎ込んだりしますよね。 本来誰でもネトゲ廃人になる要素は持っているんじゃないかなと思います。 じゃあ、なる人とならない人の違いはなんなのか。 そういう研究がこれから進んでいくのかな。 この本が草分け的な存在なのかもしれませんが、体験談ばかりで筆者の考え方とかがあまり載っていなかったのでちょっと読み応えが無かったです。 あと、この本、というかオタクについて触れられている本全般そうだけど、読んでるうちに、はいはいそうです私たちは社会不適合者ですからそっとしておいてくれないかなーって気分になってしまって読むに耐えなくなるは、仕方ないことなんだろうか。
-
2010 9/8読了。筑波大学図書館情報学図書館で借りた。
特に探しているものがあったわけでもなく図書館をぶらぶらしていたときに、新着図書棚にあったのを見つけて借りてみた本。
なんでこれうちの図書館にあったのだろう?
メディア研究の資料ってことなのか?
タイトル通り、オンラインゲームに著しくハマった人、いわゆるネトゲ廃人あるいは廃へのインタビューで構成された本(韓国取材については廃ではなくネトゲ関連産業やネトゲ中毒対策関係者へのインタビュー)。
リアルボトラーのエピソードとか出てくるのかと思ったがそれはなかった。
読むとネトゲはしたくなくなる本ではある。 -
ネットゲームの世界が少しわかったという程度の収穫
-
いやいや、恐ろしいことになってますね。ゲームが楽しいのはわかるし、はまる気持ちもわかるけど、ゲームだけで日々過ぎていってそれをなんとも思わなくなるとは?二男が一時期オンラインゲームやりたがっていたのですが、夫がダメとやらせなかったので、よかったですよ。やはり、誰かきちんと見ている人が必要ですね。ゲームを作っている人はどう思っているのかなぁ?
-
興味深い
-
すっごいよく分かる……。パソ依存な時の私が其処にいた…。ネトゲは嵌ると際限が無いので自制出来無いとズルズルとそれが中心になってしまう。時の流れも早く感じるし……
-
題名と赤のカバー、内容もすごい。ノンフィクションらしいし。私もUOにハマった事もあるので、内容はリアルだと思います。
-
いわゆる、オンラインゲームなどネット上のゲームをやりすぎて、
ゲームの道に突き進んだり、一般的な道から踏み外してしまったりしてしまった人々のルポ。
ネットゲームを知らない私には不思議な世界
でも、アニメでも漫画でも、ファッションでも、
マーケティングにのってはまっていけば同じ世界が待っているとも思える。
以下引用
P9堀井さんの言葉「人間ってそんなに能力に差がないんだよ。後は自分を磨いて磨いて努力する。その差でしかないんだよ」
P187手軽に遊べるゲームがネット以外なくなっているという事情もある
P143リアルとバーチャルは日本ではひどくつながっている