小田嶋隆のコラム道

著者 :
  • ミシマ社
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本棚登録 : 587
感想 : 92
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903908359

作品紹介・あらすじ

足掛け5年、ミシマ社ホームページ及び「ミシマガジン」に掲載された人気連載「コラム道」、ついに書籍化。
深遠かつ実用的、抱腹絶倒間違いなし。天才コラムニスト、本業を初めて語る!

感想・レビュー・書評

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  • 「コラム道」という題名の通り、小田嶋隆が、コラムの書き方についての自分なりの考えを書いたもの。でも、これをコラムの書き方の指南書あるいはマニュアルとして読んだ読者は、私を含めて、いないと思う。そうではなくて、小田嶋隆の説明の仕方というか、書きぶりというかがとても面白く感じて読んでいるのだ。コラムの書き方という「コンテンツ」を楽しんでいるわけではなく、コラムの書き方というテーマについて何かを書いている、その書き方・書きぶりを楽しんでいるのである。実際にそれが本書で小田嶋隆が説明したかったことだと思う(「それ」というのは、「それがコラムだよ」ということ)。
    最後に内田樹との対談が掲載されている。
    内田樹も好きな作家の一人である。これまでも、内田樹と小田嶋隆は、何となく似ているな、と思っていた。対談の中で小田嶋隆が内田樹を評して言う場面がある。整理して言うと、「内田樹の話は着地しない。結論を提示するのではなくて、結論に至るまでの行ったり来たり、モノを考えること自体の楽しさを見せている」ということを言っている。それに対して、内田樹は、これも整理して言うと「本当にどこに着地しても良いのだ。だいたい一回ごとに言うことも違ってくるし」と答えている。
    「結論やコンテンツを重視している訳ではなく、そこに至る道筋の作り方を重視して楽しんでいる」ということが、二人の共通点だったのだ、ということに納得した。

  • 小野妹子はムチツジョ。この前後が最高に盛り上がる。腹を抱えて笑いながら文章作法の極意が学べる。日ごろの卑近な悩みも披露されておりシンパシーをおぼえる。笑いと繰り出される文章のテンポ感が絶妙。学校の教科書もこんな風だったらもっとお勉強にも精が出せたのに、などと感じたのは自分だけだろうか。

  • 名コラムニストで名高い小田嶋氏による、
    「コラム」についての〝コラム〟といったところでしょうか。
    軽妙で小気味よい文章がとても読みやすく面白いです^^

    テクニックや方法論には一切言及していませんが、
    文章を書くうえでの脳の働き、考え方について再認識できます。

    わたしだって別にコラムを書くわけじゃないけれど、
    SNSだったりメールだったり、文章を書く機会は毎日あるわけで。
    そんなとき、やっぱり読み手に面白いと思ってもらいたい。
    文才のある人(わたしにとっては、ウィットに富む人ね)に
    憧れの念が強いのも、そーゆーこと。

    とはいえこれは量をこなす他ない。
    好きなことは仕事にしたくないので文章はあくまで趣味だけど、
    アウトプット、もっとしていかなきゃなと思うのです。

  • とりあえず冒頭の一行を書く。
    この本でためになった一文。
    書き始めること、大事。

  • コラムの名手と言われる小田島さんが書いた
    「コラムの書き方」の本ですね。
    具体的なノウハウというより、
    コラムに対する考え方が中心かな。
    読んでて勉強になるのは当然だけど
    笑える箇所も多くて楽しめますよ。

    ・もともとコラムとは新聞紙上で、新聞社の外部の人間が
    書いたものを、ひとめでわかるように囲みをつけたもの。

    それによって新聞社として責任を取りたくない、
    私的で偏見のある文章も掲載できるようになった。

    つまり、新聞記事のように情報を正確に伝えるという
    目的はコラムには必要ない。

    個人の主観たっぷりに書いたものこそがコラム。

    「非常識な方法で常識を語り、規格外の物言いで素朴な心情を語る。」

    個性と普遍性、どちらも必要。

    ・文章を書くという過程を通じて、人は初めて論理的にものを考えるようになる。

    原稿用紙20枚分になる分量の論考を、自分の頭の中だけで組み立てられる人間はほとんどいない。

    文章の力を借りることでそれは可能になる。

    文章は思考の過程を書き残す事で、思考の到達距離を広げるツール。

    ひとつの文章を書き終えると、その文が表現していたところが、書き手にとって次のステップへの足場となる。

    ・書くことのモチベーションは書くことによって維持される。

    モチベーションはビンの中の液体ではない。使ったらその分減るというものではない。

    定期的に搾乳しないと生産しないと生産をやめてしまう牛の乳や、汲み出し続けていないとかれてしまう井戸みたいなものだ。

    アイデアも全く同じ。
    2016/11/27 19:30

  • ほぼ駄文が続くんだけど、たまにハッとすることが書いてあるのでなかなか読み飛ばせない。視点の変え方とか。
    ネット連載をまとめた本ということで、締切があいまいで難産だったようだが、小田嶋のコラムの書き方という貴重な本なので、ぜひぜひ情報をアップデートして続編を出してほしい。

  • コラムの書き方講座・・・のようで、これこそがなが~~~いコラムみたい。

  • コラムの書き方を記したハウツー本ではなく「道」について述べた本である。文章を書く上での心構えなど、参考になることが多い。まぁ、とにかく書くことですね。

  • 文章を書いたり、添削したりしているので、文章の書き方指南書として、楽しみながら、時折納得しつつ読み進めました。内田センセの対談も◎です(o^^o)

  • 時折くすっと笑いながら、楽しく読めました。

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著者プロフィール

1956年東京赤羽生まれ。早稲田大学卒業。食品メーカー勤務などを経て、テクニカルライターの草分けとなる。国内では稀有となったコラムニストの一人。
著作は、『我が心はICにあらず』(BNN、1988年、のち光文社文庫)をはじめ、『パソコンゲーマーは眠らない』(朝日新聞社、1992年、のち文庫)、『地雷を踏む勇気』(技術評論社、2011年)、『小田嶋隆のコラム道』(ミシマ社、2012年)、『ポエムに万歳!』(新潮社、2014年)、『ア・ピース・オブ・警句』(日経BP社、2020年)、『日本語を、取り戻す。』(亜紀書房、2020年)、『災間の唄』(サイゾー、2020年)、『小田嶋隆のコラムの向こう側』(ミシマ社、2022年)など多数がある。
また共著に『人生2割がちょうどいい』(岡康道、講談社、2009年)などの他、『9条どうでしょう』(内田樹・平川克美・町山智浩共著、毎日新聞社、2006年)などがある。
2022年、はじめての小説『東京四次元紀行』(イースト・プレス)を刊行、6月24日病気のため死去。

「2022年 『諦念後 男の老後の大問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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