- Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
- / ISBN・EAN: 9784903908410
感想・レビュー・書評
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会いたかった万城目さん。久しぶりの出版はエッセイだった。
小説も面白いのだが、エッセイもまたジワジワ来る面白さだ。
私はこの人の「こだわり方」がとても好きである。言葉や事象に対する飽くなき好奇心というか、気にする仕方、追求の仕方を読んでいるのが楽しくてしかたない。
どうも現在は「とっぴんぱらりの風太郎」という小説を書いておられるようで、早くもその作品に対する期待が高まっている。うう、早く読みたいぞ。
しかし、不安もある。本作のラストで恐ろしい事態がまきおこっているようなのだ。影が逃げてしまった万城目氏の運命やいかに! どうか無事に影を取り戻し、一刻も早く「とっぴんぱらりの風太郎」を仕上げてほしいと願うばかりだ。
ミシマ社の装丁は温かくて大変すばらしい。なんかもう全体にくすくす笑いが止まらない感じである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本は「偉大なるしゅららぼん」「プリンセス・トヨトミ」「鹿男あをによし」「鴨川ホルモー」で知られる万城目学さんのエッセイ。
台湾で「偉大なるしゅららぼん」の翻訳版が出版されたときの、台湾でのサイン会の話とか、少年時代の「遠投げ(とおなげ)」の話とか、どの話も面白かったですが、なんといっても、東京電力の株主総会。万城目さん電力株なんてやっていたのかよという軽い驚きと、人の不幸は蜜の味的な、いやあ万城目さん大変だったねえと言いつつ口の端が上がってしまうダークな笑い(笑)
あのニュースにもなった株主総会の様子を、淡々と書かれていながらすごく面白い。万城目さんらしい文章です。
万城目さんの小説を読んでいれば、あっあれね、とすぐに思い出して面白いし、読んでない方にも笑えるポイントがたくさんあります。 -
万城目学のエッセイ。作家はやはり日頃から想像力豊かで、いろんな角度から現在と過去、未来をを見ているんだなと感じる一冊。
特に最後の影についての想像は、村上春樹の『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』を思い出しつつ、最後の終わり方もユーモアたっぷりで面白い。
また、台湾のサイン会の感想も興味深い。わんちぇんむぅがやってくると読んで中国語かなと思ったけど、やっぱり台湾での万城目学愛はすごい。 -
気楽に読めるなかに時折、おおっと唸るストーリーが登場して、プロってすごいなぁと思わせてくれる本。でも基本的に気楽。
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旅について綴ったエッセイがいい。小説が翻訳されて招かれた台湾での出会い、若かりし時に見たギリシャのエーゲ海の青、島を離れる船の甲板で見た無言の会話。旅の醍醐味が文章に散りばめられていて、また旅に出たくなる。
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私は万城目さんの言葉選びが大好きなのだと思い知らされる一冊。
いやー。楽しい! -
エッセイ集第3弾。今回は第1弾より笑わせていただきました。著作の設定通りけったいな人です(笑。「東京電力株主総会リポート」は実に興味深かったです。第2弾も読まないと。
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普段全くエッセイを読まないがタイトルと最初のオクトパスにやられた。またイラストが味があって良い。万城目さんの作品は鹿男しか読んでいないので他の作品も読みたいと思った。