昭和の店に惹かれる理由

  • 44人登録
  • 3.38評価
    • (1)
    • (2)
    • (4)
    • (1)
    • (0)
  • 3レビュー
著者 : 井川直子
  • ミシマ社 (2017年1月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903908885

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

昭和の店に惹かれる理由の感想・レビュー・書評

  • 思わず「昭和やなぁ…」って呟く時、決まってそこには揶揄と憧憬が入り混じる。「コスパ」なんて言葉はなく、「グルメサイト」の評価基準に一喜一憂することもなく、精々寿司屋で粋がって符丁使う程度。そんな昭和の街には効率・価格等からはみ出る非合理的な事をむしろ大事にし、先代の教えを愚直なまで受け継ぎ営々と暖簾を守る店がある。

    本書はいずれ劣らぬ名店10店を訪ね、店主の姿勢や心構えに焦点を当てる。各々料理も客層も異なる。共通するのは「居心地の良さ」に腐心されていること。人の手と意思で磨かれた清潔感。初顔も常連も分け隔てのない距離感。付かず離れず寄り添い見守るような配慮…。口を揃えて言う。「当たり前」のことをやってるまでのことです。この積み上げてきた姿勢は武道の「型」に似たものを感じる。

    著者は名店のそんな有り様を丹念にすくい取りながら、❝背筋がしゃんと伸びた店❞の居ずまいを「昭和の店」と深い敬意を込めて呼ぶ。そこにはノスタルジーさの微塵もない。

  • 飲食業が飲食産業に乗り替わっていく時間の中で産業化しなかったお店たちの小さな物語。いや、お店の人たちの職業観の記録。直前に読んだ「消費社会から格差社会へ」で上野千鶴子が「日本の消費社会化の世界に誇れる達成は、コンビニとファミレス。コミュニケーションスキルのない人でも生きていけるインフラを作ったのだから。すごい達成ですよ。」と言っていましたが、本書に登場するお店の人たちがつくっているのはお客さんたちとのハイコンテクストなコミュニケーションなのだ、と思いました。ところで昭和再発見はこの時代に結構気分ですが、「バラック」や「東日本大地震」についても注釈をつけるこの本のスタイルは、「なんとなくクリスタル」のカタログ感を思い出させ、ちょっと居心地悪かったです。

  • なぜこの店と思わないでもないが、静かなドラマが好ましい。

全3件中 1 - 3件を表示

昭和の店に惹かれる理由を本棚に「積読」で登録しているひと

昭和の店に惹かれる理由の作品紹介

その、なんか正しい感じに私は憧れる

普段、表に出ることのない10軒の名店の人々。
「サービス」では永久にたどりつかない何かを探った。

昭和の時代をつくってきた人々の、そしてそれを継ぐ者たちの、技・心・そして…
時代とともに消えゆこうとするその灯火を丹念に追った、著者渾身のノンフィクション。
好評ロングセラーとなった『シェフを「つづける」ということ』に並ぶ名作、誕生。

昭和の店に惹かれる理由はこんな本です

ツイートする