ディベートで超論理思考を手に入れる 超人脳のつくり方・増補版 DVD付

著者 :
  • サイゾー
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904209134

感想・レビュー・書評

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  • ・ディベートとは最適解を最短で導きだす技術
    ・相手に対して行うものでなく審判に対して行うもの
    ・松本茂 氏(本物のディベートを知る少ない日本人)
     「ひとつの論題に対し、2チームの話し手が肯定する立場と
      否定する立場とに分かれ、自分たちの議論の優位性を
      聞き手にりかいしてもらう事を意図した上で、
      客観的な証拠資料に基づいて議論をするコミュニケーション形態」
    ・構成(トゥールミンロジックの場合)
      クレーム(主張)
      データ(証拠):クレームを裏付けるもの
      ワラント   :データに意味をもたせるもの
              データのよりクレームを立証する。

      ワラントが崩れれば論理が崩れる。
        ー>相手の主張を崩す為にはワラントを崩せば良い
      実際のディベートではまずデータを徹底的に疑う。
        ー>疑わしいと指摘する。ゆさぶる。
      
    ・トゥールミンロジックの構成(攻撃ポイント)
      本来はクレーム、データ、ワラントと共に
      提示すべきものだが、実際には時間の都合で
      攻撃時にのみ検討される。

      バッキング(Backing)
      クオリファイア(Qualifier)
      リザベーション(Reservation)

      データ、ワラント、バッキング、クオリファイア、
      リザベーション、クレームのすべてが成り立った論理を
      プリマファシエ(prima facie)という。

    ・論理総括
      データ(D論理)論理の根拠となる状態、事実等
              最初に呈示される説明情報
      ワラント(W論理)クレームの根拠としてデータが
               利用可能である事を正当化する情報
      クレーム(C論理)論理として構築されるひとつの主張
      バッキング(B論理)ワラントが正しい事を支持する証拠、
                証言、統計、価値判断、信憑性情報
      クオリファイア(Q論理)クレームの相対的強度の定性的な
                  表現。可能なら定量的な表現も。
      リザベーション(R論理)クレームの例外を主張する論理

    ・ターンアラウンド
      相手のデータはそのままワラントをひっくり返す事で
      クレームもひっくり返す事
      これができるという事は、データが無くても勝てるという事。

    ・問題解決力の強度を測る2つの基準
      ケースサイドとプランサイド
      (必要性)  (有効性)
      問題を見つける事と問題を解決する事
      
      ケースサイドへの攻撃
       - ハーム(halm) :問題性
                実行しないとどの程度の影響が出るか。
       - インヘレンシー(inherency):内因性
                現状の論題のみでハームが解決できる
                ものなのか。
         ー>構造性インヘレンシー
            各種の法に順ずる障害があり
            現状では肯定側のプランは採択しようがない
            という論理。
         ー>行動性インヘレンシー
            政権の思想、主義等により現状では
            肯定側のプランは採択される事がないという論理
         ー>実存性インヘレンシー
            ハームが継続している事実から
            放っておいても問題解決は現状ではありえない
            という論理

      プランサイドへの攻撃
       - ディスアドバンテージ :不利益
       - ソルベンシー     :解決性

    ・問題提起は解決策とワンセットであるべき
       問題提起にはハーム(問題)とインヘレンシー(内因性)
       解決策にはディスアドバンテージ(不利益)と
            ソルベンシー(解決性)

       この4点のみを考えれば良い。

    ・反論力に関する4つの技術(戦略)
       反論の基本形(ストックイシュー法)※肯定側に証明義務
          ハームのシグニフィカンス、インヘレンシーを否定
          (問題)  (重要性)     (内因性)
          相手のソルベンシーの低さを指摘
             (解決性)
       カウンタープラン
         肯定側よりも効果的に解決するプランを否定側が提案

       カウンターワラント(ディベートでは禁じ手)
         実社会では有効
         そもそもの論題自体を一般的に否定する事。
         肯定側が問題にしてしているケースと全く異なる
         ケースを問題とする。

       クリティーク(K戦略)
         実社会でも有効
         相手の論理の前提となっている価値判断そのものを
         疑う。
         肯定側の推進する論理の背景もしくは前提にある
         哲学、思想、世界観、利用される用語等が望ましくない
         ものであれば、肯定側のケースやプランの有効性に
         関わらず現実の世界では肯定側のプランが国会で採択
         されてはならない、という議論。

    図2つとCD内容追加予定

  • 「論理思考を身につけたい」と思って読み始めたところ、ディベートという競技のルールや流れの説明が書いてあったので、面食らった。ただ、感情を排して論理を組み立てていく方法や、相手の論理を崩す際につかなければならない点が書かれており、非常に勉強になった。一度通して読んで、その後重要な部分を拾って読んだが、自分の中でしっかり消化して身に付くまで、繰り返し読みたい。

  • ディベートが目的ではなくて、その超論理思考に至るための苫米地流講義。

    論理思考ではなくて超論理思考を手に入れるための指南。
    宗教的(仏教的)解説もされているので、親しみながら読めた。

    1章と2章はディベートについての導入と総論がわかりやすく解説されている。
    3章と4章でディベート実践のための具体的方法論。しかしこれが難しいので、何度も読み返す必要を感じた。
    5章とエピローグは、苫米地英人の世界で、一番の見せ場になるところかな。

    全体としての流れはつかめたけども、方法論やテクニックとしてのディベート(3-4章)は、しっかり学ぶのに時間がかかりそう。そして、実際に行うことも難しそうなので、まだまだ理解には遠く及ばないかと思う。

    増補版 DVD付となっているけども、こちらはチラリとしか見ていない。でもなんだか凄まじいディベートが展開されていたし、相変わらずの座り方の苫米地先生を拝むことができた。

    ----------------
    【内容(「BOOK」データベースより)
    ディベートこそは、合理的な判断をする力を磨き、知的生産性を向上させる最も優れたツールです。本書は、ディベートによって論理的思考力を徹底的に極め、さらに論理を超えることで、「超人脳」を手に入れることを目指すものです。———————
    【著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)】
    苫米地/英人(とまべち ひでと)
    1959年東京生まれ。脳機能学者・計算言語学者・分析哲学者・認知心理学者。カーネギーメロン大学博士(Ph.D.)、カーネギーメロン大学CyLab兼任フェロー、実業家。上智大学外国語学部英語学科卒業。2年間の三菱地所勤務を経て、フルブライト留学生としてイエール大学大学院に留学。カーネギーメロン大学大学院に転入。計算言語学の博士号を取得(日本人初)
    ————————
    【目次】
    はじめに マルチな場面で結果を出せる“ディベート脳”のススメ
    第1章 論理脳の強化で人は超人になれる!
    第2章 ディベートこそ脳強化の最強の方法だ
    第3章 論理脳を強化する!トゥールミンロジック
    第4章 超人脳ディベート実践編
    第5章 「超論理」発想で人生をコントロール
    エピローグ ファイナルトレーニング
    おわりに 論理を極めたのちにあえて捨て去る
    付録 誌上講義;ディベートがわかれば何が可能になるのか(田村洋一)
    ----------------

  • MPAの留学情報はMBAと違い情報が少ないので下記のブログは非常に興味深かったのですが、そこで紹介されていたため手に取った本。
    http://blog.livedoor.jp/kknn777/archives/24906974.html
    ディベートがどのようなものかという概要を掴むには良いと思いますが、そんなに簡単に読める本ではないと思います。(ディベート用語が多用されていてやや読みにくい)。ただ、ディベートに触れたことがない人は一読しても良いと思います。DVDに出ていた方は(偶然)ペルーで会ったことがある方でした。
    ・ 自分の頭で考えるには「この世に絶対的な真実はない」と知ること、「自分というものはどこにもいない」(自分とは「自分とは「他人が見た自分の相対」」)ということを知ること。存在とは空である。
    ・ ディベートとは、「ひとつの論題に対し、2テームの話し手が肯定する立場と否定する立場とに分かれ、自分たちの議論の優位性を聞き手に理解してもらうことを意図した上で、客観的な証拠資料に基づいて議論をするコミュニケーション形態」
    ・ 物事は相対化していいものと相対化してはいけないものがある(人の命は相対化してはいけない)
    ・ 問題提起と解決策はワンセット。問題提起にはハーム(問題)とインヘレンシー(内因性)、解決策にはディスアドバンテージ(不利益)とソルベンシー(解決性)のそれぞれ二つずつがある。
    ・ 知能を高める訓練にもってこいなのは「早口でしゃべる」
    ・ He who asserts must prove(主張した人は証明しなければならない)
    ・ Judicial paradigm(法廷パラダイム)。裁判には推定無罪(Presumed Innocent)という原則がある。
    ・ 政策決定パラダイム。Policy makerは「総合的に見て、このプランを採用したほうがベターなのかどうか」を重視する。
    ・ ディベートで身に付くのは、合理的意思決定や立場の違う人を尊重する作法

  • どうすれば、脳の抽象的思考を高めることができるのか?

    1五感を使ってイメージする
    2ディベートによって論理を組み立てる
    3同時にパラレル思考を行う

    1物事に言葉以外のイメージをつける
    2ディベートとは、ラポールと正反対の性質である
    3芸術に触れる、このとき表現したい抽象的思考を見る
    4過去の延長線上には存在しない、論理を超越すると自由を手に入れる
    5頭の中に存在するものを組み合わせることが必要

  • 決断思考を読んでから、ディベートってなんだろう??と思い、好きな著者の苫米地英人氏が書いているディベートの本を読んでみた。

    用語自体が難しいなーって、まず感じました。ディベートという分野を知らない人は、後ろについている付録から読むのをオススメします。簡単に概要を書いてあるので、本編も理解しやすくなると思います。

    用語が難しかったので、言葉の意味を考えながら普段何かを決めるときにひとりディベートをやって慣れていきたいと思います。

    基本なくしては、人と違うことをしていくのは難しいと感じたので、基本からみっちりとやっていきます。

    最後はよく本で出ている変性意識や抽象度をあげていくお話でした。今までになかったのは、身体の動きの軌跡が絵という言葉には面白かったです。美術館に行ったときには、そのような視点で見てみたいと思います。

  • 抽象度を高めるために、ディベート的な論理手法を用いて、自分の頭で考えることが重要である。

  • データ⇒ワラント⇒クレーム
    トレーニングしないと。

    目次
    はじめに マルチな場面で結果を出せる“ディベート脳”のススメ
    第1章 論理脳の強化で人は超人になれる!
    第2章 ディベートこそ脳強化の最強の方法だ
    第3章 論理脳を強化する!トゥールミンロジック
    第4章 超人脳ディベート実践編
    第5章 「超論理」発想で人生をコントロール
    エピローグ ファイナルトレーニング

    170326 断捨離

  • 80ページからのトゥールミンロジックは必読。是非モノにしたい。

  • 脳機能学者苫米地英人氏による本格的なディベートの入門書。
    文章は平易だが、内容の水準は高く、しっかり読んで理解するならば、思考の効率が上がるのは間違いない。
    また、この本は単なる「論理思考」ではなく「超論理思考を手に入れる方法」がテーマであり、ディベートの方法論だけではなく、瞑想技術についても丁寧に説明がなされている。
    現代社会の混迷の背後には、論理学の知識が伝統的な三段論法的論理学から更新されていないからなのかもしれない。
    「全ての原発は安全である」「日本には原子力発電所がある」「日本にある全ての原発は安全である」
    多くの人がこのような論理を頭の中で構築して納得していたが、論理と現実には乖離があった訳である。
    何故、そうなるのか、そして現代論理学はこの問題にどのように取り組んで来たのかは、本書を読めば理解が出来るのではないかと思う。

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著者プロフィール

認知科学者(計算言語学・認知心理学・機能脳科学・離散数理科学・分析哲学)。
カーネギーメロン大学博士( Ph.D)、同 CyLab フェロー、ジョージメイソン大学C4I&サイバー研究所研究教授、公益社団法人日本ジャーナリスト協会代表理事、日本外交政策学会会長、コグニティブリサーチラボ株式会社CEO 兼基礎研究所長。マサチューセッツ大学を経て上智大学外国語学部英語学科卒業後、三菱地所へ入社、財務担当者としてロックフェラーセンター買収等を経験、三菱地所在籍のままフルブライト全額給付特待生としてイェール大学大学院計算機科学博士課程に留学、人工知能の父と呼ばれるロジャー・シャンクに学ぶ。同認知科学研究所、同人工知能研究所を経て、コンピュータ科学と人工知能の世界最高峰カーネギーメロン大学大学院博士課程に転入。計算機科学部機械翻訳研究所(現 Language Technologies Institute)等に在籍し、人工知能、自然言語処理、ニューラルネットワーク等を研究、全米で4人目、日本人として初の計算言語学の博士号を取得。帰国後、徳島大学助教授、ジャストシステム基礎研究所所長、同ピッツバーグ研究所取締役、通商産業省情報処理振興審議会専門委員、早稲田大学研究院客員教授などを歴任。また、晩年のルー・タイスの右腕として活動、ルー・タイスの指示により米国認知科学の研究成果を盛り込んだ最新の能力開発プログラム「 TPIE」、「 PX2」、「 TICE」コーチングなどの開発を担当。その後、全世界での普及にルー・タイスと共に活動。現在もルー・タイスの遺言によりコーチング普及及び後継者として全世界で活動中。一般財団法人サヴォイア王家諸騎士団日本代表、聖マウリツィオ・ラザロ騎士団大十字騎士。近年では、サヴォイア王家によるジュニアナイト養成コーチングプログラムも開発。日本でも完全無償のボランティアプログラムとして「PX2」と並行して普及活動中。

「2023年 『新・夢が勝手にかなう手帳 2023年度版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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