未来ちゃん

著者 :
  • ナナロク社
4.56
  • (338)
  • (125)
  • (41)
  • (2)
  • (3)
本棚登録 : 1445
感想 : 249
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904292099

作品紹介・あらすじ

おまたせしました。みんなの明るい未来ちゃんです。

ひとりの女の子の一年間を撮りおろした、見ているだけで跳ねだすような、傑作写真集の誕生です。
人気デザイナー祖父江慎の装丁による、写真そのままを本にしたような造本も魅力的な一冊。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2、3年ぶりくらいにページを開いた。
    これが本名なのかどうかわからないけれど「未来ちゃん」。このひとりの女の子だけを被写体にしたスナップショット的写真集。ひょっとして、この子を見ていたら未来しかない、ということで未来ちゃんなのかもしれない。

    ともかく、見るたびに、よくもこんなキャラの立った子を見つけてきたな、という感想を抱く。おかっぱの、黒くて丸々した目の女の子。まわりに写っているものからして都会育ちではない。海辺で寒い地域なのかな。フィクションの中にしかいなさそうな、"ザ・田舎の子"。

    ともかく表情が良い。そして強い。ちょっとのことでは動じなさそう。どっしりと、足から根が生えて地中から養分をもらってる感じ。

    奈良美智が描く女の子のようでもあり、あるいは"こけし"が動き出したようでもあり、座敷わらしのようでもあり、あるいはアニメのキャラクターが実写化されたみたいだとも思った。

    たまにこちら(カメラ)に向かってサービスして変顔をしたりしているのだけど、基本、まるでカメラがそこにいないかのように素の顔をしている。きっとここがカメラマンの力量なのだろう。

    「未来ちゃん」はいっこうに照れる様子もなく、むすっとしていたり、鼻水垂らして泣いていたり、木に登ったり、降る雪に積もられたり、おじいちゃんやお坊さんの肩に立っていたり、無心に何かを食べていたりする。

    カメラ目線のときの眼力が何よりすごい。視線の圧でレンズをパリンと割ってしまいそう。

    好きな写真はたくさんあるけど、中でもお気に入りは、アイスクリームを口のまわりにいっぱいつけたまま、むすっと何かを見つめているショット。
    それから、狭い側溝の中に仰向けに寝そべったまま出られず、ちょっと不安げにしている未来ちゃん。
    鎌をもってススキのなかに立ち、何かたくらんでいそうな表情の未来ちゃんも微笑ましい。

    なんだか本書は定期的に見たくなる。また会おう未来ちゃん!

    • ouiさん
      goya626さん
      おっしゃるとおり、全部見透かしてますよ的な感じが魅力ですね。どうも贋作がけっこう出回ってるみたいです。いやはや、見分けら...
      goya626さん
      おっしゃるとおり、全部見透かしてますよ的な感じが魅力ですね。どうも贋作がけっこう出回ってるみたいです。いやはや、見分けられるかどうか。
      2022/09/28
    • goya626さん
      ouiさん
      おやおや、贋作とは。本人から買ったそうですから、まあ大丈夫でしょう。
      ouiさん
      おやおや、贋作とは。本人から買ったそうですから、まあ大丈夫でしょう。
      2022/09/29
    • ouiさん
      goya626さん
      や、失礼、私の審美眼の話です。さすがに美術館は大丈夫ですね笑 ネットオークションで贋作が出回っていると最近なにかで読んだ...
      goya626さん
      や、失礼、私の審美眼の話です。さすがに美術館は大丈夫ですね笑 ネットオークションで贋作が出回っていると最近なにかで読んだもので。
      2022/09/29
  • この子のために日本をよくしたい。

  • 超可愛い、、、

    スタンダードブックストア@心斎橋:【GALLERY】9/10-9-23 『明星』大阪巡回展 展示物の販売について
    「2009年から川島小鳥箕浦建太郎として、絵と写真のコラボレーションをしてきたふたりの、約3年ぶりとなる展示。
    8月に大盛況だった東京展につづき、大阪巡回展を開催いたします。

    『明星』の本も絶賛販売中!」
    http://www.standardbookstore.com/archives/66072876.html

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「心斎橋行こうっと! 」
      是非ご感想を!
      「明星」って一般流通してないから気になってるんですよね、、、
      「心斎橋行こうっと! 」
      是非ご感想を!
      「明星」って一般流通してないから気になってるんですよね、、、
      2012/09/20
  • 侮っていた、自分ばか。梅佳代と混同していたくらい。
    新潟佐渡が舞台。
    本名は未来ではなく、写真家が未来ちゃんだと感じた瞬間にシャッターを切ったんだとか。
    結構作為的ということだ。
    とはいえここまで郷愁を掻き立てるものができるとは。
    谷内六郎を思い出す。

  • 昭和年代の雰囲気
    (俗なパワー)

    おかっぱ
    赤いべべ

    友達がいない

  • 図書館で隣にいた人が、私もこうゆうふうに撮りたいんじゃ って言ってたのを聞いてかりてみた。
    すっごい世界が違う!! これいつの?っていう世界で、未来ちゃんがきれいだったり 可愛かったり 間抜けだったり。いろんな表情が「未来ちゃん」なんだなあってすごくほっこりしました。 
    ネットで調べてみると、未来ちゃんは未来ちゃんでないらしく、川島小鳥さんがこの女の子が未来ちゃんの表情をしたときだけとったとか。

  • 2〜4歳くらいの女の子「未来ちゃん」の、写真・写真・写真。背景や衣類は、「未来」というタイトルに反して、むしろ、懐古的。強い赤の使い方が印象的です。「未来ちゃん」の目ヂカラ・太い眉・赤いほっぺ・ハナミズ・ナミダ・笑顔。圧倒的な、悩みのない「生」に弾きとばされる思いがしました。「植物のように、動物のように、思い悩まず、光に向かって生きる!」 ◆初版は、2011年4月。あの頃はまだ、色彩を感じることに抵抗がありました。あの頃にもこんなイキイキとした赤があったとは。【2013/05/05】

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「強い赤の使い方が印象的です」
      周りもキツイ赤に引っ張られているような不思議な感じ。これって狙ったのかな?
      「強い赤の使い方が印象的です」
      周りもキツイ赤に引っ張られているような不思議な感じ。これって狙ったのかな?
      2014/04/18
  • お店で見付ける度にサンプルを立ち読みして、ずっと ずーーっと欲しかったのを思い切ってやっと買いました!!
    見る度に自分の顔がニコニコしているのが分かります。
    同じことやったなぁとか、こんな表情した写真あるなぁとか、自分もオカッパ頭だったので幼少時のことを思い出します。
    無垢だったこと、全力だったこと、そこが世界の全部だったこと。
    写真は無心になって見ることが出来ます。
    少しモヤモヤしている時、心が具合悪い時に見ると元気を貰えます。
    元気でたよ、未来ちゃん ありがとう。

  • 10年前から知っていて、その時から気になっていたけれど手にとらず、急に友人にプレゼントしたくなって。
    人にあげるつもりが自分も欲しくなって、自分用にも無事ゲット。
    10年越しに、ページをめくりました。

    はー、可愛いのです。
    困り眉が、たまらんのです。
    シャッターに目線が合っていない、生き生きとコロコロと変わるその表情が、たまらんのです。
    「量産型」ではない、良い意味で都会に洗練されていない、下手したら昭和を感じる彼女の装いと、生活の空気感が伝わる感じがたまらんのです。

    みんな、元気にしてるかな。
    わたしは何とか、生きています。

  • 一家に一台⇒ド○えもん
    一家に一冊⇒未来ちゃん
    という図式が出来上がります。まだちっちゃな女の子とは思えない存在感。未来ちゃんから目が離せません!

全249件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1980年東京都出身。写真家。早稲田大学第一文学部仏文科卒業、沼田元氣氏に師事。2011年、写真集『未来ちゃん』(小社)刊行と同時に『BABY BABY』(学研)を復刊。2014年、『川島小鳥写真集 明星』(小社)刊行。2015年、同作にて第40回木村伊兵衛写真賞受賞。2017年、福井・金津創作の森にて、個展『境界線で遊ぶ 川島小鳥展』を開催。

「2011年 『未来ちゃん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

川島小鳥の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×