- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784904292617
作品紹介・あらすじ
舞城版百物語。立ち向かう50+50通りの愛と哀と逢。出口へ急げ!!!
感想・レビュー・書評
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舞城王太郎の百物語ものとくれば、まあ、読むしかない。そして、当然のように、おもしろい。
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えーと,これは入口の50~01アナタタ:02倒れた木:03地獄の子:04踏切:05二階の火の玉王子様:06ゆらゆら:07グルグル:08イミルナレ地蔵:09家族の手:10蛍の光:11友達の部屋:12笑う鬼:13あじさいの中:14夜のダム:15兵藤くん;16山の小屋:17穴の蓋:18河童の地蔵:19ファミレスの子供:20叔母の主張:21図書館の彼女:22軽トラの荷台:23隣の豚:24座敷のあじさい:25床下の猫の通り道:26エロ本小屋:27車の河:28入れない家:29夏の落ち葉:30手握り:31トイレットペーパー・ゴースト:32オクリカエシ:33夢の獏:34耳に入る虫:35風呂の外:36横内さん:37空の大王:38忠犬バッチ:39トイレ問答:40体育館でかくれんぼ:41パソコン共用:42手招き:43パクった傘:44アルバム:45高架下の首吊りストーカー:46猫の段ボール:47客が一人のバス:48夜中の暗い風呂:49買ってない品物:50車の蛇~短編集だとは知らず,舞城の名前だけで買ったんだけど,軽くて良いかも。タイトル書いていて思い出せるのが良い 。毎晩一話ずつ書いたらしいが,偉いことですね。ピンぼけのわざと素人臭い写真を使いやがって…と思っていたら,左内正史という写真家だった。なぜ,この写真?? 舞台はお馴染みの調布市と福井県西暁町(南越前町?)
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舞城王太郎が描く百物語。
次々現れるちょっと怖いショートショート。
短文とはいえ、それぞれちゃんと面白い。 -
大胆にジャンプしたお話の連作で、筆者のどんなに飛躍した突飛な話も、なんだか日常のラインに馴染ませてしまう作家性と相性があっていて、非常に愉快な気分になりました。
それはそもそもの怪談話との親和性が高い。
今思いついたでしょ?或いは、よく思いつくね?というような劇的な展開、そこに次ぐ劇的な展開、あまりにも突飛で歪で、なのに妙な説得力のある面白い物語群が並んでいます。
あまりのスピード感に怖いを通り越し笑ってしまう場面もあり、でもエクストリーム化して勢いが意図を超えてしまっている瞬間って盛り上がるよなぁ、、。
中毒性のある快楽に身を堕としてしまった様な心地の中で読み切りました。
夢中になってページを捲り続ける読書体験。あ〜面白かった。 -
武蔵野大学図書館OPACへ⇒https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000247810
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913
学生選書 -
話をオトすための一文がハチャメチャにポエティックで、もはや最後の文章のためだけの作品かと思うくらいなほどだった。
そんな短編が連続して続くので、「テクニック」だな、とつくつく感じた。そういう美しい文章を作り出すための公式とかフォーマット的なものがあるのかなと勘ぐってしまうぐらいに
50話もあるので全部が全部100%満足感のある話かと言われるとそれなりに浮き沈みがあったりするが、総合的には凄く心に残った。
ホラーだけど恐怖以外にも揺らぐ感情がある作品。 -
いつものように舞台は調布と西暁。
『NECK』の人形の話や『淵の王』が好きな自分としては楽しい読書でした。
小説だけでなく映画でも、ホラーや怪談話では呪いや幽霊、恐怖体験における根源や原因解明などに話の骨格、あるいは芯として描かれることが多いように思えます。動機付けがあって、丁寧に張られた伏線があり、どきどきはらはら、最後には救いがあったり絶望があったり、という感じに。最後は読者や観客に説明してしまうし、納得してもらいたいのかサービス過剰。
ですが本作ではそういったわかりやすい理由付けのようなものはあまりありません。ゾッとするの、ゾッ、をこれでもかというくらいに見せつけてくる。粗製乱造されるのが映画のホラーというジャンルにおける悪しき宿命ですが、小説、こと短編集ではそういった心配もなく、ある程度の質も担保されているように思えます。
幽霊、お化け、怪異、何かに憑依された何かに主人公を襲う動機を求めても、納得できるような答えなんて返ってくるわけがありません。本来、恐怖とはそういうものかもしれません。見えないから、わからないから、謝っても許してくれるわけもなく、理不尽にも奴らの追従は止むことはない、だから恐ろしい。
目次にはタイトルだけでなく、章の冒頭の文章も載っていて、一回通して読み終わったあと、それを見て、ふんわり思い出すのは、ひんやりした何か。語り口を身体が覚えているかのような不思議な余韻があります。ある種の現代における怪談話の形式としては、十分ありだと思います。
にしても引き出しの多さに脱帽。
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面白かったですけれども、さすがに100個も話があるかと思うと苦痛……というか、読むのが面倒になりますね^^; 社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
前半だけで50話…よくぞここまで色々な話が思いつくなぁと感心しています。いわゆる怪談話ですよねぇ…。
中には想像するのも気持ち悪くなるほどのグロい話もあり、なかなかの読み応え。しかし、僕はもう……下巻はいいかな^^; と思います…さようなら…。
ヽ(・ω・)/ズコー -
三十六太郎「横内さん」が舞城の舞城らしさが出ていて、素晴らしかった。読み進めていくと、ぐーーっとカメラが引くような感覚、最高。
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装丁が意味深。入口から見ると中はとても明るそう。でも出口は闇。そもそも出口は存在しないのかも。
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やっぱり怪談の読み方がわからぬ。怖いのは魂が抜けたような人間の方だ。出口に向かえば何かわかるかな?
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そういえば今までに2冊しか読んでいない舞城王太郎、うち初めの一冊は熊の場所でその中にも怪談じみたというか怪談が出てくる。深夜、学校で。お決まりといえばお決まりの怪談だけどそれが本筋とうまい具合に絡まっていた。今度は全編怪談だ。うん、凄い。
実話系だと当然死んでしまった人間の視点からは語れないわけで、しんじゃううううう~って感じからがちで死んじゃった感じのホラーはなんていうか怪談の軽さからちょっとべたべたした足がついている感じがするけど、その辺さらっとしていてヒジョーに好みだ。怖いけど。うん、意味わかんないうえに結構えげつなく死んでいるけど。怖い。怪談楽しい。 -
思い返すと、怪談でないフツーの舞城の小説も十分に怪談的な恐ろしさがあるよね。
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舞城王太郎初読でした。前情報なしに普通の怪談ものかなと手に取って驚きました。なんとも新感覚!描き方の視点が新しいのか今までにない不思議なテンポと語り口で、一つ一つのお話が本当におもしろい!こういう切り口は自分にはすごく新鮮な気持ちで読めました。以前から気になっていた作家さんですが、他の本も読んでみます。その前に、まだ後半の『出口』がありますね。
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とにかく良い。人間が怖い。そしてtwitterで連載していた時とはまた違った印象。読んでいない話もあった。
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こういう恐怖を求めていた。
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怖い。特に「トイレ問答」は秀逸。わずかワンラリーの会話から、読者にここまで絶望感を味わわせる語り口はやはり凄い。
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2016.12.10
宮部みゆき絶賛だったので、本屋で購入。
近所の本屋に無くて、5軒目でようやく購入。
でも、なかなか読みづらい。
結局3分の1読んで、積読状態。
読む本無くて、5か月振りに手に取った。
ん?
意外と面白い。
だんだん呑みこまれていくのに、自分の頭越しに冷静に見ている感覚が、本当にありそう。
怖いところに引き込まれていくのに怖さとともに、喜びがあるようで。
それは自分しか見えない、自分だけが知っているという優越感だったり、逆に絶望だったり。
分厚い本を読了してうれしい。半年かかって。 -
レビューを見ると人によって怖さのツボが違うのがお面白い。私は夜のダム、穴の蓋、ファミレスの子供、叔母の主張、風呂の外、横内さん、猫の段ボールが怖かったかな。
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奇怪な短編が50話、ぎっしりと詰まってます。
残りは「出口」編に50話。
これって、精神的にしっかりコントロール出来ていない状態の人が読んじゃいけません。
危ないです。
連続して何話も読み続けるのも、興がそがれるのでやめた方が良いです(矛盾してますかね)。
でも、1話分のインパクトを弱めるには、連続して何話か読み続けた方が良いのかも...。
「出口」は、暫く読まないです。
読む気になったら読んでみます。
怖いです。 -
短編より長編でがっつり読むのが好きだけど、ショートショート100篇を立て続けに読むと、高揚して気持ちよくなってくる。親子の情念と話が通じない人が一番怖い。
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読了まで時間かかったーーー
やっぱりホラーは苦手なようです、私。
でも百太郎までまだ半分の五十太郎。
出口までたどり着くのか?
舞城さん、よくこれだけの短編を書けるよなぁ。 -
舞城王太郎版百物語の、その最初の50の物語。面白い。とにかく怖くてグロい話とかその中にも優しさとかユーモア、笑いみたいなのがあったりとか、「好き好き大好き~」みたいな深い愛の話とか、本当にいろいろあってすごい。ちなみに僕は三十六太郎「横内さん」という話が好きです。あと装丁もちょっとおもしろいので、そこも良い。
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『「絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対」
絶対ムリ。
絶対そうさせない。
絶対お前を逃さない。
絶対離さない。』
『「なんかトイレで揺れてる人いんだけど」
と引きこもりのユキ茶が言って、何言ってるんだか判らないのでまさかユキ茶どっかで変な薬を…と思うけどどこも行けない有希子ちゃんにどっかも何もない。』
『ただ顔が見たい。そういう気持ちは確かにある。
死んでしまったらもう会えないのだ。』
『彼女のいない世界でこれから生きていくのに、最後にこんな形で助けれられるなんて駄目なんだ。
僕の言うべき台詞も間違ってた。
「ありがとう」
と僕は言える。
でも彼女は言う。
「もう聴こえないよ」
その矛盾してるはずの台詞が矛盾してなくて、僕は悲しいが、その悲しみをどうすることもできないことを受け入れるしかない。』
『ド田舎に住む利点って結局ののところは適当にエロ本が捨ててあるってことに尽きるんじゃないかと思う。』
『俺は拾ったエロ本を《ゴミ》と《よろしければ》と《なかなか》と《いいですね》と《重要》と《しがみつけ》とに仕分けして持ち帰る。《いいですね》以下はうちの倉の二階に、《重要》は乾かしてから自宅の納戸に、《しがみつけ》の三冊だけは俺の部屋のタンスの中に入れてある。よっしゃ。』
「手を出せないんやったら口も出さない。これが人生と人間関係の鉄則やで?」
『「ありがとう」
「ううん、こっちこそ。なあ、」
「うん?」
「なんであんた、私のことそんな信じてくれるん?」
「ほやかって…ほら、」好きだから。』
『これでいい。
これも世界の終わりで、私が恐れ、同時に望んでいたことなのだ。
私は狂っていて、狂っているということを知っているという部分で正常だった。』 -
凄い、凄い、ほんとうに舞城さんは凄い。
言葉で説明するのがもどかしいほどなんだけど、親子、きょうだい、友だち、恋人、夫婦…およそ考えつくかぎりの人間関係プラスこの世のものならざるものによる、究極の愛と恐怖の怪談集です、これは。郊外と山間が交互に舞台となるのもミソ。
とくに印象に残ったのは、「地獄の子」「笑う鬼」「横内さん」「忠犬バッチ」…いやいやどれも全部すごいけど、一番は「横内さん」かな。
いくつかの短編に、血みどろになりながらも、さらりと愛をまっとう或いはこの世をいつくしみ、惨殺されていく人のすがたが描かれる、それがたまらなく潔くかっこよかった…また読み返したい。 -
新聞の書評で絶賛されていたので手にしてみました。まず50話。怪談といってもその種類が実話系、事件系、トリップ系等々と多彩で、なるほどすごく面白い!と思う一冊でした。…私はスプラッタ系が苦手なので、うっとなっちゃうのもありましたが。東京と福井の舞台、それぞれで片や標準語、片や方言とういう語り口もいい味です。毎晩一話ずつネットにアップされていたそうなのですが、紙で読んだ感じとやっぱり異なるのでしょうか私は紙派ですが。