深夜百太郎 出口

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  • ナナロク社 (2015年10月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (536ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904292624

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深夜百太郎 出口の感想・レビュー・書評

  • 個人的には『入口』のほうが好みだったけど、ラストの百太郎『ワタシシ死』には自分の一番ダメなところを見透かされたようで心臓抉られしばし呆然。舞城さん、あなたは読者を透視できるのですか?というか、舞城さん、あなた男性じゃなくて、おかあさんなの?
    血まみれのヒーローが霊的な存在に立ち向かう『入口』とくらべて、『出口』は「軽いノリで霊的な存在にセッションをしかけると、とんでもない目に遭うよ」っていう寓話めいたお話が多かったかな。印象に残ったのは、六十一太郎『カラスの神』、六十三太郎『車内放置ワゴン』、六十五太郎『うろうろ息子』など。九十三太郎『花火の帰り道』は正統派の怪談でかなり怖くてこういうのほんと好き。

  • 軽妙な語り口と不条理具合、人が怖い系は少なめの「入口」を引き継ぎながら、入り口よりはやや明るい話が多かった印象。「友達案山子」が好み。

  • 出口を先に読んだのだが読み終わる頃に体調を崩した。きつい。

  • 上巻下巻通じて、不条理な絶望が蔓延している。
    一太郎(一話目)と百太郎(百話目)の繋がりは、
    一見、円環を為すようでいて、その実、どこにも着地しない。
    せめて恐怖にも理由があれば読者は安心できるのに、
    そう簡単に解放してはくれない。
    世界は閉じず野放図に広がっていく。

    しかしそれはたとえば、九十太郎『友達案山子』や九十一太郎『迷子の守護者』において
    (いつもの舞城よりは少し控えめに)
    歌い上げられる人間存在の美しさも同様で、
    つまり不条理さにも、美しさにも終わりはなく、
    人は生きている限り、それに付き合うしかないということなのかもしれない。

    出口の先にはすぐに別の入り口がある。
    そしてそれでいいと、
    きっとそういうことなのだろうと思う。

    百もの恐怖小説の短々編が続くのに、
    妙に静かな読後感が漂うような不思議な作品。

  • 『負けないで、だ。
    負けないで。頑張って。
    私がついているから、泣かないで。頑張って。』

    『私の彼が死んだのだ、今。それを知らせる私の声を聴いて欲しい。彼がどんなに美しい男の子だったか、私には教える方法がないけれど、この声の大きさが私の愛だ。』

    『私は私の母乳に意識と気持ちと全身全霊を込める。私という暗い気持ちを抱えた、駄目なところも嫌なところもある人間の、その全ての邪な部分が白い母乳を黒く染めますように。そしてその乳を吸う無垢な赤ん坊がぶち壊れて、他人の乳を奪うクソ母親に報いがありすよう。
    母親の愛情と同じようにわ恨みだって乳を伝うはずだ。』

    『俺は阿呆だが、阿呆さのおかげで救われることもある。』

    『人は優しく、困難には救いがあり、綺麗な女の人たちは親切で、世界は温かい。』

  • 五十一太郎、五十九太郎、六十一太郎、六十七太郎、七十太郎、七十三太郎、七十四太郎、八十二太郎が面白い。宮部氏のお勧めとかぶったり、ずれていたり。それもまた面白い。

  • 舞城版百物語、その下巻。面白かった。優しさも憎しみもないまぜの感情が描かれていて、そういういろんな感情の境界のなさみたいなものを、分けてとらえるんじゃなくて、境界のないままの姿で受け容れるような描写が好きだ。その部分もそうだし、あまり意識していなかったけれど、同時期に発売された「淵の王」と明らかにテーマ的な連関を意識して書かれているようなエピソードもあった。あと○○○○○も。それも読まないとだ。

  • 入口同様、出口も50話。
    すごく怖いってかんじではなく、なんとなく嫌だな~ってかんじの話が多い。

  • 超短編の怪奇小説100話の後半50話。海外の小説のお化け、例えばキングの小説のものなんかだと、人とは異なるモノ、という印象がぬぐえないが、本書のお化けたちは、私たちの身近にいるもの、人が姿を変えたもの、ひょっとして身近でも起こりうるようなことといった既視感を感じた。淡々とした作品、ぞっとする作品から、ホッとして終わるものから救いのないものまで。多様で飽きずに読めた。ただ一つ、私の読解力がおそらく足りないのだろう、九十九太郎だけ落ちが読み解けなかった。誰かほかのレビュアーの方、ネタバレでもよいので教えてください。気になって気になって(w)

  • 入口より好みかも。「保留中の電話」で思わず涙腺緩んでしまいました。また母は強い系の話が多い印象が強かったです。最後の話で壊されますが。入口に比べほっこりや笑える話が多い気がします。「寝ずの番」のスピード感にははらはら。ひとりで書かれているとは思えない多彩さ、すごい一冊です。怪談系にありがちな、後味の悪さがないというのもまた好み。

  • 気持ちに流されないこと。違う。気持ちのように見える感情の流され方、定型文みたいなそれに、流されないこと。
    『ダムでカヤック』の「あれはもう駄目だ。」の言い方で特に思う。

  • 読めば世界が変わる本。そこにある陰が、線が、向こうが、みんなみんな意味を帯びて見えてくる。

  • 九十八太郎の家族がいかにも舞城ワ―ルドな感じで楽しかった。もっともっと続けばよいのにと思いました。入口も出口もとても良かったです。

  • えーと,これは出口の50~51ベランダの彼氏:52ダムでカヤック:53クローゼットの中:54夏のこたつ:55知らない人の日記:56篝火:57残業の梶師:58つけっぱなしのテレビ:59駐車場の私の車60:僕の中の鏡:61カラスの神:62空き部屋禁止:63車内放置ワゴン:64トンネル師匠:65うろうろ息子:66次の電車:67隣で寝ている人:68ムカデの巣:69押すな押すな:70保留中の黒電話:71夕立ちの先端:72掘り出し石:73出戻りの家:74空き家の草取り:75我が家の花子:76枕元にハサミ:77恋するクーラー:78執着コトメ:79宅配深夜便:80橋の下:81初めての病院:82電車停車中:83母乳泥棒:84棚の裏:85古い携帯:86ガレージの中:87落雷地点:88女の城:89口の中:90友達案山子:91迷子の守護者:92放ったらかしサイクリングロード:93花火の帰り道:94山のアカンボ石:95あぶり出しメール:96家覗き:97めそめそ:98寝ずの番:99呪い:100ワタシシ死~うっ,51から100まで数字を打っていて全角にするのを忘れて半角にしちゃたけど,もう一度打つのが嫌でそのままに…。百太郎で思い出すのは,つのだの後ろの百太郎で,調べると百は守護霊(主護霊)で主人公は一太郎だった。守護霊とか背後霊とか地縛霊とかは,あの漫画で知ったかも知れない。ジバニャンもそこからの連想かな? ちっとも恐ろしくない怪談百話でした。度々見ると馴れちゃって,親しみさえ感じるモノかもしれない。一太郎のアナナタが百で死んだ! カバーを掛けて読んでいたので,出口が表紙がこんなに暗いとは知らなかった

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深夜百太郎 出口の作品紹介

二つの街を行き来する百物語、遂に出口へ。その先で何を見たの?50写真!一話完結50小説!

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