文化系トークラジオ Life のやり方

制作 : Life Crew 
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感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904345344

感想・レビュー・書評

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  • 若手社会学者の鈴木謙介がパーソナリティを務めるラジオ番組「文化系トークラジオ Life」の書籍化。歴史にばかり関心を寄せていましたが、歴史が時間を軸としているならば、社会は空間を軸として人間を見つめる。社会学の要素をちりばめつつ、現代日本社会の若者が直面するモノを読み解いていく試みが挑戦的で面白い。

    チャーリーこと鈴木謙介がとにかくすごい。アーカイブで第一回放送を聞くと30歳当時の彼の若者然とした、とがった声が聞こえてくる。しかしその洗練された言葉選び、時代を切り取る観察眼、そして人間自体を愛するような姿勢にうならせられる。日々勉強。刺激をもらう。

    自身の信念のもと、Lifeと闘っていきたい。

    17/3/15

  • 黒幕の場所を作るという考えとそこに出たいと思えるような場所にしたいという気持ちがいろんな要素と人間関係によって形になっていき、いろんな人たちが関る事でこの番組は成り立っている。

    たぶん、それは奇跡なんだろう。と僕は思う。
    だからきっと後で振り返る時に僕が見てきた景色や聞いていた声が、あれは黄金期であったと思う時がくるようなそんな気がする。
    だからこそポッドキャストの問題もあるがこうやって活字になることは意味が大きい。

    人はいなくなるし、記憶もやがては変化していく、本は、ただ残る。だからいつか友だちが作れないような人見知りの寂しがりやの少年が祖父の家で黄ばんだこの本を、図書館の片隅で見つけて誰かと話す事の面白さを感じるような光景が訪れるのかもしれない。

    なあんてそんなドラマティックな事が起きたらいいなとか思いながらも、この数年の中で僕が一番影響を受けたのは間違いなくこの番組と黒幕やcharlieに出会った事だった。

    だから、三冊目も出ればいいなと思うしこの二冊目ももっと売れて届いてほしい。

    黒幕とcharlieのインタビューはいろんな示唆に富んでいる。できるだけ僕は面白い方に流れて行こうと改めて思う。

  • Lifeを知ったのはわりと最近です。しかもだいたいリアルタイムで最後まで聞けたためしがない。(日曜の深夜1時から4時までですよ!むり)
    とはいえ内容は毎回めちゃくちゃ興味深い。世の中の「流れ」を社会学的な視点から話し合うというもので、パーソナリティもネット論壇を賑わす豪華なメンツが勢ぞろい。番組以外にもトークショー・読書会・オフ会なんかが公式・非公式問わず開催され、「Lifeコミュニティ」的なものが形成されている。リスナーにもLife信者みたいな人がいて面白い…とまあ、本の話題からだいぶ離れてしまいましたが、そういう番組の人気の放送回をまとめたのがこれ。

    「クリスマス資本論」の章を読んで、「そうかあ~クリスマスと消費が結びついたのは1983年のananからなのか~ブツブツ」などと言いながらクリスマスの日をやり過ごしたことは一生忘れないでしょう。

  • TBSラジオで二ヶ月に1回のペースで放送されている「文化系トークラジオLife」の書籍版。

    最近この番組を発見した自分にとってはこの番組はどのように作られているのかを知るための入門編として最適だった。

    「Life」の魅力は生活の中にも確実に“言語”があるということを教えてくれることである。身近なテーマを社会や思想や人生をとりまく言語へと導いてくれる。知的楽しみといったところ。

    個別事情よりも大きな物語を追求してきた自分にとって、細部への眼差しを意識することは実に新鮮で、そこを思想することが結局問題解決の道であると最近気づいた。Lifeはその気付きをさらに充実させてくれている。

    しかし、本書に収録されているアーカイブはそんな私の気づきすら取り残すような議論が展開されていて、はっきり言ってショックだった。個別の物語をいかに明らかにしても結局そこで立ち止まることになる現在の社会学への疑問がチャーリーの口から表明されるのだ。

    やっと自分がたどり着いた地平をあっさりひっくり返された感覚。

    だからこそこれからも「Life」を聴かなければ。

    そんな刺激を与えてくれた一冊。
    模索しながらも自分の何歩も先を歩いてるクリエーターたちに感謝。

  • 2013/04/24 購入
    2013/05/12 読了

著者プロフィール

関西学院大学准教授。国際大学グローバル・コミュニケーション・センター客員研究員。専攻は理論社会学。ソーシャルメディアやIoT、VRなど、情報化社会の最新の事例研究と、政治哲学を中心とした理論的研究を架橋させながら、独自の社会理論を展開している。
著書に『カーニヴァル化する社会』(講談社、2005年)、『ウェブ社会のゆくえ─〈多孔化〉した現実のなかで』(NHK出版、2013年)、『未来を生きるスキル』(KADOKAWA、2019年)ほか多数。

「2022年 『グローバリゼーションとモビリティ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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