魔術士オーフェンはぐれ旅 キエサルヒマの終端

著者 :
  • ティー・オーエンタテインメント
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感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904376690

作品紹介・あらすじ

断絶を越え永久の海へ。キエサルヒマ結界の消滅から1年。騒乱の全責任を負わされ指名手配された「魔王」オーフェンは、キエサルヒマ脱出のため準備を進め…。

感想・レビュー・書評

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  • 始まりというより前作のはぐれ旅の終わりを意識した一冊。一冊丸ごとエピローグって感じだったが、懐かしい顔も出て楽しかったというのもある。ファンタジアの最後があっさりしていた終わりでこれも味があるが、こうやって掘り下げてくれると嬉しいものだ。

  • うーん、やばいなあ。
    熱中して読み耽ってしまった。

    最終回の後日談とのことだけど、この本がほんとに最終巻って感じだ。
    そして、新しいスタートでもある。

    大陸から結界が消えたおかげで、大陸外へ船出するという新たな着想を得た人間たち。
    魔王の力の制御・返却を望むオーフェンや反逆者となった改革派の死の教師たち、無謀編でおなじみコギー姉妹などの手によって着々と計画が進む。

    トトカンタ市の描写では、魔術士同盟支部長となったハーティアが登場。
    「なぜだか、この街は復旧作業に慣れてるんだ」というセリフでにやり。だろうね、無謀編でオーフェンが街ぶっ壊しまくってたからなー。
    交渉術も身につけてるようで、ちょっとかっこいいぞ。

    ティッシは妊娠してるし、いやーびっくり。でも幸せそうでよかった。
    マジクも頑張ってるみたいだ。だけど大陸の均衡が失われたというのは、彼らも戦火に巻き込まれる可能性があるってことで、少し気にかかる(そもそも戦ってばかりだったけど)。


    ストーリーを牽引していくのは、1年間ティッシのもとで修行したクリーオウ。
    以前と比べ目に見えて芯が強くなっていた。
    彼女がオーフェンに再会するため、危険をともなう旅の引率役に選んだのは、なんとオーフェン暗殺の任につくコルゴン(エド)だ。
    道中ふたりの会話が間の抜けたような緊張感のあるようなで面白い。
    特に好きだったのはコルゴンが追手を殺しに向かい、それをクリーオウが止めるシーンの「安全」のやり取り。「守っておけば安全」と「殺しとけば安全」の違いというか。

    しかしコルゴンはほんっと変な奴だなー。
    人をいかに殺すかっていう思考しか無い人間って、普通の人と話すとこういうチグハグな感じになって、間が抜けて見えるものなのかも。
    なんだか納得してしまう。
    こっちは「変な奴」って思うけどそれが向こうの「普通」なんだから、生活していく上での常識、前提条件が根本的に違うんだろう。
    コルゴンは「停止」であるという一節があったけど、オーフェンが大陸の歴史を語るシーンでは「停止」は「死」だということを言ってて、それじゃあコルゴンは死の象徴なのかなーなんてことを思った。

    クリーオウの
    「変わってしまった自分は、わたしたちといっしょにいられないって、彼は思ってる。わたしには――そのことだけは、彼の間違いだって言える。だって、わたしだって変わるもの」
    って言葉はすごいなあ。
    閉じた世界から開放され、大陸の変化、組織の変化、心境の変化、いろいろなものが変化にさらされる。そして変化が成長につながるものもある。それが本作のテーマみたいだ。

    そういえば、最後に船長があのキースで笑った。
    あのなんでも混ぜっ返して話をさらってく変態銀髪紳士…
    この船、まさか泥舟じゃあるまいな。

    http://haiiro-canvas.blogspot.jp/2013/03/orphennew1.html

  • 本編は途中で挫折したけど外伝が超好きでした。キースが出てると聞いて読んでみましたが・・・ボニーはどこ行った?

  • ボックス買ってるからもぅ読んではいたんですが、新シリーズを買うにあたり思い余って買いました。約束の地も。本屋に並んでたから!
    クリちゃんがオーフェンを追いかけてエドと旅(?)して、オーフェンはタイプライターたたいたりしてる話。
    「死んだ人間を生き返らせるのは、どれだけの罪かな」
    というこのセリフが印象に残ってた。
    とりあえず買う価値はあった!草河さんが再びイラストなのがうれしいな。

  • ようやくオーフェン新シリーズを読み始めたのだが、1巻のどんよりしたキエサルヒマの終末観や厭世観は、このシリーズ大丈夫か?と心配になるほど。しかし、前シリーズを読んでから、時間を置きすぎたせいで多くの登場人物たちを忘れており、悩んでしまった。とりあえずコンスタンスは元気そうで何より。

  • 富士見ファンタジア文庫の完結からすぐ後のお話。キエサルヒマのアイルマンカー結界が消滅した混乱で、貴族連盟と魔術士同盟をはじめとした様々な勢力間での対立によって大陸は乱れていた。クリーオウ、マジクを置いてひとりで旅立ったオーフェンは、今や各地で《魔王》と仇名され指名手配を受けていた。様々な人間の手を借りながら、オーフェンは指名手配から逃れるための計画を進め始める。一方、クリーオウはレティシャの元で訓練を積み、一年後にオーフェンの後を追って旅立ったが……。

    秋田さんのサイトでも読んで、BOXでも読んで、なんとなくこれも読んだ。
    まさに後日譚といった感じで、さまざまな登場人物たちの現在が描かれる。あの人もこの人も、たくさん出てくるのでファンにはとっても嬉しい。
    ラストのキャプテンの正体と密航者は引っ張っただけ、ホッとするような嬉しいような終わり方。

    夫婦なサルアとメッチェンの泊まるスイートの、使用人部屋に住まう魔王の図。そそられるものがある。

  • そもそもの再読のきっかけはコレでした。


    オーフェンBOXの存在を後からしって、


    Amazonでめちゃめちゃ好評だったのを見て


    めっちゃ読みたくなっての新装版。




    読んでみて。




    下心だけど、陳腐かもだけど



    オーフェンとクリーオウのアホな掛け合いが見たかったな。



    しかし、2部と3部をつなぐ、という意味では



    このクリーオウの成長が描かれているのは凄く大切だと思うし



    クリーオウが一人でどう考え行動するのかが見えたのは面白かった



    と、



    オーフェン仕事でき過ぎなんですけど。



    こんなにできるんなら無謀編の時もっとお金稼げたんじゃ。。。



    それとも経験のなせる技なのか



    せっぱつまっているからなのか。



    でも金目的じゃないし結果的にお金は稼いでないのか。



    2部最終あたりからオーフェンが5割増でカッコいい件。





    あと突然話し変わるけど



    無謀編見ていてよかった。


    ドラゴンマガジン買っててよかったわーーーー!


    無謀編も最後まで読んでないからドロシーの子供とかよくわからんけど。



    11月にでる無謀編も買わな。

  • はぐれ旅と比べて、説明調で起伏が少なく盛り上がりにかけるので星2つが妥当だが、最後のシーンで次に繋がる感じを受けたので、おまけして星3つ。

  • とても懐かしい人たちと再会できた。そんな気持ちでいっぱいです。
    そうか。作中では一年ですけれど、こちらでは十年近くの歳月が流れているのかー。ところ構わず熱衝撃波がぶちまけられたり、町がクレーター状に抉れないことに決して寂しさを覚えたわけではないぞ! 断じて!
    それぞれが迷いながらも次の道を歩もうとしている姿が頼もしくもあり、寂しくもあり。
    何とも言えない閉塞した空気が漂う世界の中で、クリーオウがひときわ眩しく目に映りました。いつの時代もどんな世界でもがんばる女の子はいいものです。うん。

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著者プロフィール

1973年東京都生まれ。1991年『ひとつ火の粉の雪の中』でファンタジア長編小説大賞準入選を受賞し、作家デビュー。「魔術士オーフェン」シリーズが累計1000万部を超える大ヒットとなり、ライトノベル作家として活躍を続ける。一方、一般文芸、アニメノベライズ、PCゲームの脚本などにも活動の場を広げている。その他の著書に『機械の仮病』『虐殺機イクシアント』「巡ル結魂者」シリーズなどがある。

「2017年 『攻殻機動隊小説アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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